チャットでの診療依頼。
1歳馬が顔面を陥没骨折しているとのこと。
X線画像も添えられていて、陥没骨折、そして副鼻腔構造も潰されているのが確認できた。
数日以内に陥没を持ち上げ、プレート固定する手術をした方が良いが・・・
しばらく予定が空いている日はない。
明日は、内部の調査研究発表会が10時から予定されている・・・・・
朝一に来てもらって、発表会開始前に終わらせよう。
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フラップ上に皮膚をめくってみると陥没は思っていたよりひどい。
(たいていそうなのだ。画像診断や穿刺検査から推察するより内部の状態は悪い。)
鼻梁の頑丈な骨が折れて陥没し、ギャップができている。
フックとリトラクターを使って、なんとか陥没している骨を持ち上げる。
陥没した骨を持ち上げることで内部の副鼻腔構造もかなり整復されるはず。
あとは1/3プレートを当てて、4mmキャンセラススクリューで留める。
皮膚の縫合は、まだ腫れが強いこともあり寄せるのがたいへん。
傷にはガーゼを当て、伸縮性粘着包帯で巻き、4号のファイバーグラスキャストで鼻梁を保護するように巻いた。
このファイバーグラスキャストは、少しずれたが翌日も患部を保護してくれたようだ。
損傷部位によっては、頭絡の鼻革に引かれるのが心配になることもあるので、覚醒起立時と術後数日のルーティーンにしていいかもしれない。
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覚醒を観てくれた所長以外は間に合った発表会。
皆で留守にして出かけなくても参加できるのはオンラインのメリット。
若い獣医さん達が、地元の問題に熱心に取り組み、それを上手にまとめて報告していることに感心した。
今年は演題数も多かった。
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私は特別枠で、39年間に学術報告した論文を紹介させてもらった。
39年間で25報。(first nama author ; 筆頭著者のものだけ)
今月、もうひとつ送った。たぶん載るので26;笑
もっと(できた)とも思うし、さらに(書くべきことがあった)とも思うけど、
じゅうぶんやったし、十二分でなくても満足だ。
骨柩状態になっても腐骨写らずだと感染?となったりしないものかと思ったります。
ケツ持ちに回ったさせられた?症例報告等入れたら10倍ではきかないですよね笑
数えてたら教えてください。
共同研究者としての発表を含めると、4~5倍になるでしょうか・・・数えたことがありません。
画像や動画も送信して受信前に確認してもらえる時代ですね。
そして、検索すると症例は以前よりずいぶん豊富になりました。数だけではなく、様々と。
すでに現役ではない先生の報告も色あせず多角的に臨床に役立っていると思います。
hig先生や、もっと若い先生方の報告も普遍的な疾患に新しいアプローチなどが多くて飽きることがありません。
猛禽観察は気配なしでしたが、このところ暖かくて白鳥の編隊飛行もちらほら。
口頭発表だけだと抄録も記録も消えていきますが、文章、とくに学術報告にしておくと永遠に知見として残ります。根拠のないムダな、間違った治療に混乱させられないためにもevidenceを積み上げる業界になってもらいたいです。
なんだか河口の白鳥もそわそわしているようです。