馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

気分上々

2021-10-30 | 図書室

 

図書館で借りたのは、文庫ではなく。

相変わらず、うまいな~と感心させられる短編集。

「ウェルカムの小部屋」は、まあご挨拶。

「彼女の彼の特別な日」「彼の彼女の特別な日」はごく短いラブコメ風。

「17レボリューション」は女子高生が主人公で”あたし”の語りなんだが、疾走感があって面白い。冷静な友人の古風な手紙といい、筆達者ぶりを堪能できる。

「本物の恋」はどんでん返しがあるのだが、策に溺れた感じ。

「東の果つるところ」もちょっと仕掛けすぎか。

「本が失われた日、の翌日」は、締め切りに追われる苦悩ゆえの遊び。

「ブレノワール」は、フランスのブルトン人が主人公だが、徐々に感情移入できる。秀逸。

「ヨハネスブルクのマフィア」は、大人の恋愛小説。

「気分上々」は中二男子の忙しい一晩を描く。なかなか好い男の子なんだ、これが。

               /////////////////

朝、出勤したら疝痛馬が来ると言う。

繁殖雌馬、未経産、受胎したが消えてしまった。

外傷の当歳馬も来た。

開腹手術を始めておいて、当歳馬の外傷を縫合する。

外傷縫合が終わって、腸管手術を手伝う。

空腸回腸纏絡だった。

それが終わったら、今度は当歳馬の疝痛が来ると言う。

今度は結腸捻転だった。

私は血液検査業務。

午後は、2歳競走馬の腐骨摘出。

当歳馬の喉嚢真菌症の経過観察と治療。

 



2 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2021-10-30 07:10:41
 胎児が消えるミステリー。自然に排出されたのでしょか?吸収されたのでしょか?疝痛とは関連なく、空腸回腸纏絡だったのですね。

 先生が森 絵都さんのこの作品をわざわざ借りたのは意外です。まだ読んでいない積読に1冊だけ分類してあるので今季には読みたいと思いました。
 今朝はかなり冷えたので、早朝から外に出る気概はしぼんじゃいました。
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>はとぽっけさん (hig)
2021-10-30 19:15:01
馬は、交配から分娩までの間に10%ほど妊娠維持できずに消える、落とす、します。

6月の疝痛はひどかったようなので、影響したかもしれません。

この短編集もなかなかのできだと思います。「ブレノワール」か「ヨハネスブルクのマフィア」がお勧めです。
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