前日に生まれたホルスタイン子牛が突球で、副木を当てたが伸びないということで来院。
かなりひどい。
右前は引張ると伸びるが、これでは蹄底で負重できない。
左前はより重度で、球節で内反もしていて、関節の拘縮もあるようだ。
立てないまま運ばれてきて、そのままキシラジンで鎮静して、局所麻酔して、浅屈腱を切断し、それだけでは伸びないので深屈腱も切断した。
蹄にsuper fast でエクステンションを付けた。
蹄尖を前に出してやれば蹄底で負重しやすいだろう。
これで立てるかどうか様子を観て、だめならキャストを巻いて伸ばした方が良い。
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1週間ほどで自力で立てるようになり、翌日には歩いたそうだ。
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きのうは、
朝、1歳馬の大腿骨骨嚢胞のscrew固定。PRP療法併用。
開腹手術した1歳馬が術創感染したので再来院。抜糸して、細菌検査材料を採って、洗浄して、イソジンシュガーを入れた。
午後、私は血液検査。
手術室では2歳馬の球節のchip fracture の関節鏡手術。
2歳馬の中手骨外顆骨折のscrew固定手術。
その途中に、1歳馬の舌裂傷の縫合。
鎮静して、下顎神経ブロックして、舌を包帯で縛って引っ張り出して、傷を洗って、鋭匙でデブリドして、縫合した。
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秋は、短くて、寂しくて、好きな季節ではなかったが、今年は楽しめた気がする。
例年より暖かかったからか?
私が暇で楽になったおかげか?;笑
蹄餅は負重しなくてもとれちゃうんですね。
十分忙しそうですが、少し余裕があったのですか。景色は見る人によってさまざまな印象なのでしょね。短い北の秋も終盤ですね。
蹄餅はしっかり付いていました。super fastを付けるために指で取りましたけど。
診療は忙しいですが、役割が減ったので楽になりました;笑
立てるようにしてあげるとそれだけでQOL上がるでしょう。
切腱してもキャストなしですか。大丈夫でしたか。
私ならこれくらいでもキャスト整復行くと思います。
貧しいもんで笑
蹄尖までキャストかければ反回は伸びるでしょう。
副木でテンションかけるやり方はこれがなかったりしますし、ちょっと痛々しいのかも知れません。
新生子牛に両前肢にハーフリムキャストしたら、それだけでも立てないでしょうね。
引張ってもこの状態でしたから、キャストは毎日巻き替えなければならないでしょう。
1週間かかったのは傷の痛みのせいかな、と思います。
ホルオスはややもするとF1より引き合い強いのですよ。
判別精液やETのおかげで生産数が激減しているせいです。
それでも治療に2ヶ月以上かかるとスモールの枠を超えてしまい市場価値が低下しますね。
キャストに限らず副木でも腕節まで固定してしまうと起立を難しくしてしまうかもしれません。
そしてキャストの本来の役割は角度固定ですから常法では通用しないかも知れませんね。
新生子牛だとハーフリムでもなかなか立てないでしょう。まして両前肢だと。
伸ばしたつもりでも伸びてしまえばゆるゆるなわけでして、これがキャストしたけど伸びないの大きな理由なのでしょう。
切腱の保護ならこれも正解になりましょうが。
ナックルのままでも立ちますから手根までは何とかなるのでしょう。
しかしこれを始められると真の拘縮が始まるでしょうから早く対抗しなければならない。
真っ白のまま連れて来られた症例の子牛は幸せ者でしょう。
検索すると症例報告が出てきますが、どれも傷が大きいです。あんなに切らなくても切腱できます。