10日ほど後肢の”砂のぼり”で跛行している繁殖牝馬。
蹄球部へ自潰して良くなるかと思われたが、球節周囲まで腫れて、負重困難になった。
蹄関節炎を起こしていた。
その関節液から・・・・・
血液寒天培地に白く盛り上がったコロニー。
周囲に完全溶血環がある。
不完全溶血環はない。
私たちは、牛の乳房炎から分離される Staphylococcus aureus のコロニーは見慣れているのだが、コロニーの外観がちがう。
しかし、ラテックス凝集反応で陽性。
コアグラーゼ・ポジティブ staphylococcus だ。
コアグラーゼは、血漿を凝集させる酵素。
フィブリンを固めて病巣の周りに壁を作るので膿瘍化し、治癒しづらく、治療が難しくなる。
病原性も強いので、関節周囲炎も起こし重篤化していることが多い・・・・
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そのStaphylococcus aureusの抗菌剤感受性試験。
ペニシリン、アンピシリン、セファゾリン、セフチオフルはsensitive だが、
テラマイシンはresistant 、
そしてエンロフロキサシンもよろしくない。
ちょっと意外。
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図書館にあったので借りてきて読んだ。
香山リカさんは、コメンテーターとしてTVに出ておられるのをときどきお見かけしたことがある。
新聞のコラムを連載しておられるのも読んでいる。
語り口も、発言内容も、書かれることも、とても優しい。
むかわ町穂別の診療所に赴任されたのも知っていた。
その経緯がわかって面白かった。
私と同い年だったんだな・・・・
恐竜好きも共通点;笑
しかし、なんとも軽やかな方だ。
「へき地」に住んでいる人は、「へき地」とは呼ばれたくないだろうけどね。