回盲部重積や盲腸重積が葉状条虫症ですよ。という話をして、ダニが媒介するんです、と言うと、
シカが多いんでダニが増えてます、とか、
うちはダニは多くありません、と言われる。
葉状条虫を媒介するのは、ササラダニと呼ばれる1mm前後のダニ(節足動物門鋏角亜門クモ網ダニ目ササラダニ亜目)の総称で、マダニとか、フタトゲチマダニ(マダニの1種)のような血を吸うダニとはちがう。
真田良典先生は、三石町におられた獣医師で、みついし農協の参事を務められた。
長く三石獣医師会の会長も務められた。
退職されたあとも獣医学研究を続けられ、
特に馬の葉状条虫症と中間宿主ササラダニの研究を博士論文としてまとめられた。
ササラダニってこういうヤツよ。
とても手間のかかる面倒な調査と研究だったろうと思う。
葉状条虫症が問題だと考えても、なかなか中間宿主であるササラダニまで調べようとはしない、思わない。
牧草地に多いササラダニの種類がわかる。
活動は夜間が多いらしい。
かと言って、夜間放牧や昼夜放牧が望ましくないとも言えない。
ー
放牧地を消毒することも、焼き払ってしまうこともできない。
糞を拾うことができれば、ササラダニが多く居ても、葉状条虫を持っている率を下げられるだろうと思う。
1~2年、馬を放牧するのを止めれば、その放牧地のササラダニは葉状条虫を持たなくなるだろう。
古典的な「休牧」というやつだ。
しかし、それも無理か・・・・・・
ー
去年、この地域も記録的に暑かった。
この1年、葉状条虫症も多かった。
今年も、蒸し暑い。
ササラダニも爆発的に増殖していると考えた方がいいだろう。
-
そうだ。真田先生のご研究の成果の1つは、葉状条虫卵検出のためには、駆虫後24時間後の虫卵検査が有効であることが確認されたこと。
条虫は積極的に産卵して増殖する寄生虫ではないが、駆虫して体節がバラバラになると内部の虫卵が放出されるのだろう。
///////////////
不快指数高い。
北海道じゃないみたい。
地球温暖化に対策を!
でもエアコンは止められない・・・・・
私も最近立場上「診療所収支」のことを気にしがちですが真田先生のように研究調査に対するフロンティア精神を獣医師のはしくれとして持ち続けたいですし後輩たちにも伝えたいと思います。
いつも刺激のいただけるブログ投稿ありがとうございます<m(__)m>
しかし、亜目の一覧見てさくっとギブアップ。多すぎ。
放牧地を60℃でダニ退治、は現実的ではありませんが、石灰を使って高温にするのはかのうかもしれません。馬糞から湯気がのぼってたりしますよね。
電気代がもったいないけど山から帰ったときは衣類乾燥機は重宝しました。
今の技術を持ってすれば、自動除糞機は開発可能でしょうね。あとは値段と普及かな。
4輪バギーと吸引掃除機のセットはUSAで市販されているようです。
そうなんですよ。診療所収支もだいじですが、獣医学研鑽こそ獣医師の本分ですよね。
ササラダニを減らそうというのは焼き畑以外は無理じゃないでしょうか。
ササラダニは居ても、条虫を持っている率が低い、を目指すのが現実的かと思います。
休牧、が有効なんだな、と感じる事例がありました。
それができないなら、放牧地の馬糞を拾うことです。