2歳馬が蹄骨の伸筋突起を骨折した。
すでに競走していて勝ってもいる。
伸筋突起の骨折は小さければ関節鏡で摘出することもあるが、これは大きすぎる。
放置すると蹄関節がDJD変形性関節症を起こす。
翌日手術することにした。
いつもは紐を蹄や繋に巻いて、肢をぶら下げて球節や腕節の手術をしている。
しかし、蹄冠部を手術するため、蹄や繋に紐を巻くわけにはいかない。
それで、蹄に粘着テープを巻いて、手術台のフレームに固定した。
ホイストでぶら下げるより安定する。
しかし、背-掌方向の撮影ができない・・・・
蹄関節にスパイナル針を刺しこんで、位置と角度の目安にする。
ここぞという位置と角度で2.5mmドリルを当ててX線撮影してもらう。
手が被曝するのは仕方がない。
ドリリングしたが、蹄骨は手根骨や足根骨に比べると軟らかい。
スカスカの軽石のような骨なのだ。
それでも掌側の緻密部だけは硬い。
できるだけ長い4.0mm海綿骨screwを入れたかったが、これは長すぎた。
26mmを入れてしっかり締めた。
骨片は圧迫固定されているし、関節面もぴったり合っている。
術後はキャスト固定することにした。
AOの指南書ではキャスト固定するようには指示されていない。
しかし、キャスト固定しておいた方が安全だろう。
この骨片もscrewもさほど丈夫なものではない。
/////////////
サマーセールもきのうで終了。
記録的に暑くなったけど短かった今年の夏。
楽しめましたか?
蹄に問題がありそうだった。そこは獣医さんのいるところなので、管理、治療してもらっているのでしょう。
蹄、場所だけじゃなく、疾患や状態によってもアプローチは変わるのだというのがおべんきょしての結論です。
実物を見ることの大事さをあらためて感じました。獣医さん、実習生さん
馬は海外を含めても人口が少ないですからね。人のようにはなかなかできないでしょうけど。
うちは、普段は照射野に指が入ったりしないようにしていますし、照射野はけっこう絞っています。散乱線防止に防護手袋も着ける者もいます。
今回は特別です。わずかでも動かしたら、角度と位置がずれますので。
グレードといいますかマイナースコア的なものは無いのでしょうか。
これを分けても仕方ないくらい骨片に対する予後は多様なのかも知れませんが。
骨折の原因が腱による離断というより蹄関節の過進展によるのであれば、スクリューを建てて骨片の変位を抑制したり、キャストをかけて過進展を抑制するのが非常に効果的であると訴求するべきなのかも知れません。
日常業務とされているCT検査技師の軽装には驚きますし、被曝量自体は問題にならないのかも知れませんね。
しかしながらこの業界(場末ですけど)ナイナイだらけですし、たまにしか撮らないからいいんだになって行くと、標準がずれて行く心配があります。
個々の判断に委ねられる部分はありますし、人に強要できない部分もナイナイだらけの業界では少なく無いですね。
これだけ大きく割れていると、伸筋腱は付着部のかなりを失います(それでも全部ではないはずです)し、蹄関節の辺縁が失われることでDJDが起こることも懸念されます。ですから固定なのです。
手に直接線を浴びてしまいましたが、それほどダメージがあるとは恐れていません。だって馬の肢には何回も浴びせているのですからね。健康診断としてのCTドックに比べたら被曝量は微々たるものです。
骨片取っても大丈夫、かたや固定必要というのは二律背反の様な気がしまして、それが大きさだけで決まるというのも不思議な気がします。
難しい手術が増えると照射領域に保定が入る機会が増えてくるのでしょうね。
これを仕方ないと言っていてはよろしくないのかも知れません。
カセットホルダーの裏にお古の防護服でも貼って遮蔽板にしたらどうでしょう。
保護する必要の前にかざす訳ですね。使途は少なくないと思います。
外野が足りねえの、と言われればそれまでですが。。
夏の楽しみは特別、と思っています。とくに北国では、なんでしょうね。
そこからのアプローチができるなら、蹄の中の治療ももっといろいろできそうなのではないかと思ったのですが。
ミヤマですか?すごーい!
暑い夏も寒い冬も楽しめるようでありたいですね。秋も楽しむけどね。