私の担当の研修2日目は開腹手術。
馬の腸管手術について概要を説明したあと、実習馬を使って腸管手術の実習。
リクエストで、空腸切除、空腸盲腸端側吻合を練習してもらった。
安楽殺のあと、参加者全員に腹腔内探査を体験していただけた。
実際には、馬の獣医師をしていても腹腔内に手を入れて探る経験をすることはほとんどない。
自分で腹腔に手を入れて腹腔臓器の位置と触感を知っておくことは、内科診断学的直腸検査にも、体表からの超音波検査にも役に立つはず。
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実習中、現役競走馬の疝痛で、小腸を3m切除吻合した馬が復帰戦で1着になった、とI先生から報告。
素晴らしい。
この研修の成果でもあるのだろう。
乗馬でも小腸切除した馬が競技会で好成績を挙げました、とS先生からも報告。
現在進行形で、教養センターの訓練馬も腸管手術の術後経過観察中。
開腹手術は、当初は「腸管手術までは・・・・・」と研修メニューに入っていなかった。
疝痛は馬の宿命。
獣医師が対応できないと、馬は悲惨な痛みの中で残酷な死に方をするしかない。
この研修は、日本の獣医さん達が馬の疝痛をなんとかできるようになる役に立ってきたのだ。
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二日間、ほとんど立ちっぱなしで、しゃべり続けてかなり疲れた。
飲み過ぎたせいじゃないよ;笑
今年は寮の門限が10時に設定されて、9時には飲み会も必ず解散。
それはそれでなかなか良かったと思う。うん、間違いない;笑
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2002年から呼んでいただいてきたこの研修。
2週間のうち2回行って、2往復したことがあるし、
2年間は7月にも開かれたこともあった。
2021年と2022年はコロナ禍で開催できなかった。
2023年は開かれたが、寮が使えなかったのでホテル泊まりだった。
だから私はのべ24年、25回インストラクターを務めたのだと思う。
四半世紀。
私はこれでお終いにしようと思う。
物江名誉会長、上田会長をはじめ多くの方にたいへんお世話になった。
楽しかったし、多くの獣医さんと知合いになれたし、私もまた多くのことを学べた。
とても感謝している。
できればこれからも長く続いていってもらいたいが、運営、開催するのはたいへんな労力を要する。
もうお手伝いするのをやめる私がどうこう言えることではない。
1年に1回、集まって交流し、研鑽を積める。
こんな素晴らしいことはない。
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帰り、千歳空港へはプロペラ機だった。
ジェット機より低い高度を飛ぶのだと思う。
鳥海山。
津軽半島、津軽海峡、渡島半島の西側の出っ張り松前半島。大千軒岳。
函館と渡島半島の東南側にある駒ヶ岳。
苫小牧、そして樽前山。
帰ってきた。
そして・・・・
帰路はお天気も回復したようで、お帰りなさいと慰労の景色のようですね。
術式も検査機器もますます進化してくでしょうし、飼養馬の高齢化もありそうな印象。治療の跡のある馬に会う機会も以前より増えました。その背後の先生方を思う機会が増えたということです。
ウルトラマンこんなにたくさん?!
あ~ またおんまさんに遊んでもらいたい
確か関西でレース中に骨折した馬がその日か翌日に滋賀の施設でプレートを入れる手術をした話もありました。
そして、が気になります。
馬医者の治療レベルも格段にあがりましたね。あちこちで開腹手術で助かった馬が活躍している、というのも感無量です。
一方で、主催するのはとてもたいへんで、個々の頑張りに頼っています。
25年を経て、考える時期に来ているのかもしれません。
気管支炎で寝込んで参加できませんでした・・・
日高の馬獣医三原則
馬が好きである
酒が飲める
徹夜できる体力がある
体力がなくてドロップアウトしたワタクシでした
ワタクシには体力がないので、ひたすらにスタッフまでを三石に行かせ続けます
健康、体力、は必須ですね。スマホを見ている時間の長い若者達も心配です。それもまた老婆心なのでしょう。次世代へ向けて、世代交代の時期だと思います。