2日目午後は実習から。
メニューにあった第三中手骨の肢軸矯正のための骨切り術は、「あまり行われることがないので」とDr.Auerが説明して省略。
たぶんメニューはDr.Auerが考えたので、他の先生に反対されたのだろう。
私はデモだけでも見たかった。
でやったのは5.5mmLCPとDCSを用いた成馬の橈骨骨折の内固定。
DCSはとても複雑で、しかも骨に大きな穴を開ける手技。
骨端部を強力に固定できるので、人の大腿骨頭骨折などではDHSは必須の手技になっている。
が、今はLCPがあるので骨端部の骨折もかなりしっかり固定できる。
私はDCS/DHSの器具器材を揃えて手技をマスターしておこうとは今は思わない。
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球節の関節固定が示唆される場合と外科手技 by Dr.Richardson
球節はとても激しい動きをする関節で、負担も大きい。
その関節が壊れてしまったり痛みの原因になっても、関節を骨癒合させてしまうことで馬を助けることができる。
激しい運動はできないが、放牧地で元気にすごしたり、繁殖雌馬や種雄馬として活躍したりはできる。
ただし手術はかなり大掛かりで難しい。
日本ではまだ症例で成功例はない。
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骨折内固定での術中xrayと透視の使用 by Dr.Ruggles
DR(Direct Radiography)と呼ばれる撮影してすぐコンピュータ上で画像が見られるX線撮影方式は術中のモニターとして優れている。
X線透視装置(fluoroscopy)はドリリング中なども観ることができるが、いずれにしても適切な角度で必要なときに使わなければ成らない。
術者だけでなく周囲の「腕」が問われるのだ。
写真は、今日うちでのALD(肢軸異常)の手術にfluoroscopyを使っているところ。
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球節の関節内骨折でのの関節鏡の使用 by Dr.Nixon
関節面に骨折線がある場合は関節面をしっかり合わせることが大切。
そのために関節鏡を用いることができる。
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この夜はSha Tin競馬場へバスで移動し、まず競走馬診療所を見学した。
Dr.Ruggles ケンタッキーRood&Riddle Equine Hospital、
Dr.Nixon Cornell大学教授、
そしてDr.Riggs 香港ジョッキークラブ競走馬診療所所長。
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Bone Scan 核シンチグラフィーもちゃんとある。
この馬のモデルは職員に馬の「レスキュー」を訓練させるのに使うのだそうだ。
レスキュー・・・・というより事故馬の走路からの搬出だろう。
そのあと、走路を見下ろし競馬を観ながら食事を楽しめる部屋で会食。
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今日は、朝一で繁殖雌馬の結腸捻転。
きのうからの疝痛で、朝にはひどくなっていたらしい。
PCV60オーヴァー、結腸の様子も悪く、ダメかなと思ったが結腸亜全摘した。
その馬の覚醒を待っている間に、1歳馬の副鼻腔蓄膿。これも重症。
午後は当歳馬のALD。
続いて1歳馬の肩跛行。
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学校は近いのですか?
オラ君、カバンを持ってあげると、運動になるよ。