3日目、麻布大学大石先生の解剖学実習に参加させてもらった。
馬は立った状態に近いよう吊り下げられている。
この方が、寝かせているより筋肉の解剖を見やすい。
馬を吊すには特殊な器材とHow toが要る。
それも物江名誉会長や上田会長が準備してこられた。
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さてここからの記述は私の実習覚え書きだ。
獣医解剖学的に正しいかどうかわからないので、ご注意ください。
解剖は実習馬に黙祷を捧げてからスタート。
馬は体幹皮筋が他の動物にくらべて発達しているのだそうだ。
そして、広背筋と一緒になって、前肢の内側へ入り込んでいる。
肩甲骨の裏(内側)には肩甲下筋があり、肩甲骨は鋸筋で胸に張り付いている。
というか・・・・肩甲骨から胸に伸びた鋸筋が胸部をぶら下げている。
鋸筋はまさに鋸のようになっている。
上腕骨から頭へ向かっているのは上腕頭筋。
馬は鎖骨がないが、わずかに腱状になって残っていることもある。
その下にあるのが、鎖骨下筋。
胸骨頭筋(胸骨下顎筋)が頚の付け根では中央を走っているが、頭に近づくと左右に離れ、
正中近くには胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋が走っている。
胸前に見えているのは胸筋。
胸筋の頭側は、尾側へ行った肩甲骨を前へ引張り戻すのに役立つだろう、とのこと。
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肩甲骨に張り付いているのは、三角筋、棘下筋、棘上筋。
小円筋は何している?要らないんじゃない?とのこと。
肩甲骨の裏側には肩甲下筋、大円筋。
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とても長くなるので”続く”。
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ワンコの中臀筋は腸骨前縁で終わっている。
しかし、馬はちがうんだな。
ワンコのハムストリングス、半腱半膜様筋は坐骨結節で終わっている。
しかし、馬はちがうんだそうだ。
同じ筋肉の起始・終止が動物で異なるなんて、面白い。
写真で見るだけでも黙祷を捧げたくなります。
実習馬さん、ありがとう。
きっと後世のお役に立てますから。
この講座を座学でやってもらえないか、という案もあるようです。やれなくないでしょうが、目の前に解剖体がなくても興味を維持できるか、受講者の熱意次第かもしれません。
獣医科大学でも犬の解剖実習もやりにくくなっているそうです。医学部は献体は断るほどあるそうです。犬の飼い主に献体してもらうのはダメなのかと思いますが、結局、道理ではなく感情論なんでしょうね。医学も獣医学も、命の犠牲なしに進歩も普及もできない学問なのです。CGとシリコン模型でしか練習したことがない外科医に手術してもらいたいと思いますか??
当たり前のことですが、解剖実習は「脱がしていく」わけですよね。
昨年のことですが、CGや動画などで検索しながら、臓器を骨格に収めて、筋肉、腱を内側から順に、「着せていく」脳内作業をする機会があって、体のほんの一部分だけなのにすごく疲れましたっけ。続きを待ちます。
あら、オラ君もお役立ちですね。お疲れ様。
私の学生時代は、牛と馬の解剖で、犬は解剖した記憶がありません。今は逆なようです。
筋注や針やその他物理療法をする先生たちも正確な解剖の知識を持ち合わせていないと思います。でもやっちゃってるんですよね。