馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

馬と鹿の秋

2006-11-03 | 急性腹症

Pb020017 一見、青々して見えるが、もう霜も降りたし、青草を食べられる時季ももう終わりだ。

放牧されて青草を食べている馬には便秘はまずない。

確定診断しないままに便秘と診断し、下剤をかけて治ったというカルテがあるが、実際には便秘であったかどうかは疑わしいと思っている。

青草がある時季に便秘するのは、事情があって放牧を中止していた馬に圧倒的に多い。

基本的には放牧されて青草を食べている馬には便秘はないと思っている。

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 しかし、これからの季節は違う。青草を食べられなくなる。

寒いので発汗量が減り、飲水量が減ることも便秘の要因になる。

青草から乾草へ、「粗飼料の変更」は疝痛の代表的な要因である。

便の状態に気をつけて、硬い便をしているようだと便秘に気をつける必要がある。

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Pb020018  このあたりの人には珍しくもないだろうが、鹿。

だんだんあつかましくなって逃げようともしない。

鹿もこの時季、食いだめしておかないといけないのかもしれない。

しかし、鹿 がからむとろくなことがない。

年間、どれくらいの馬が鹿に驚いて怪我をしているか調べてくれないかと頼まれたことがある。

結構な被害額になるのかもしれない。