昨夜は、管内某所で DOD ; Developmental Orthopedic Disease 成長期の整形外科疾患 についての講演をさせていただいた。
DODに、OCD;離断性骨軟骨症に、ALD;肢軸異常。生産牧場もたいへんだ。
私は、予防学を研究しているわけではないし、DODについての自分のデータを持っているわけではない。
ただ、日常診療の中で、症例を診てきただけだ。
私に話せるのは、どんな症例があるか、治す方法があるのか、発症したときどうするか、そして予防できるとしたらどうすれば良いと考えているのかだけだ。
最近、とくにDODが注目されている理由に、セールでのX線写真のレポジトリー展示がある。セールに出る馬の肢のX線写真をレポジトりー室に預けておく。
その馬に興味がある購買者は、獣医師を帯同してその部屋でX線写真を見ることができる。セールによっては、喉の内視鏡画像も。
異常がない馬を買いたいと思うのが当たり前かもしれない。しかし、なんの異常もない馬はかえって少ないくらいなのだ。
競走成績に影響するかどうかが問題なのかもしれないが、ほとんどの「異常」は競走成績に影響しないことが調査成績として示されている。
競走馬になると保証できる馬は1頭もいないし、競走馬にならないと断言できる馬はセールには出てこない。
蚊に刺されることで媒介される病気はあるが、蚊に刺されたことがない人を探しても無駄だ。
が、放っておいて構わないというわけではない。
できれば、「病変」は早く見つけて対応した方が良い。
ほとんどの「異常」は競走成績に影響しない。というのは、それなりの努力をしてきた結果でもあるのだ。
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里に降る日も近いだろう。