つづき
「患者到着までの準備」の最後の方に、
自分が深呼吸、ABCの手順で患者を死なせることはないはずと気を取り直す。
とある;笑
まだ患者は来てもいないのに、なぜ「気を取り直す」のだろう?
ー
Primary survey とは、生理学的異常をきたす致死的損傷部位の検索を行うためのアプローチ、とある。
その手順は、
A・・airway
B・・breathing
C・・circulation
D・・disfunction of CNS 中枢神経系の機能障害
E・・exposure & enviroment
蘇生を進めていく。
ー
secondary survey は、解剖学的な外傷の発見と応急処置
AMPLE を聴取。
AMPLE とは、
Allergy アレルギー歴
Medication 服用薬
past history & pregnancy 既往歴・妊娠
last meal 最終の食事
events & enviroment 受傷機転や受傷現場の状況
だそうだ。
これは私たちも訊きたいことが多い。
疝痛(急性腹症)では、他に駆虫状況、そして放牧と飼い付け歴だ。
しかし、うちでは聞き取れないことないことも多い。
「ボク、現場にいなかったんで」
「ボク、担当の厩舎じゃないんで」
という人が馬を運んで来るからだ。
ー
secondary survey として何かやり残していないか、FIXES でチェック。
FIXES とは、
F finger & tube すべての穴に入れたか(直腸診、フォーレーなど)
I iv, im 静注・筋注、輸液、抗生剤、破傷風トキソイドは入っているか?
X Xray X線撮影取り残しはないか?
E ECG 12誘導心電図は確認したか?
S splint 副子固定はあたっているか?
ー
PTDの70%は初療室の初期診療時に発生しているのだそうだ。
PTDとは、preventable trauma death ; 防ぎうる外傷死。
瀕死の状態で運ばれてきて、迅速に救命処置をしていれば助かった、と言われたら救命救急医も辛いかな。
救命処置と言っても、何が起きたのかわからないままでは手を施しようがないことも多いだろう。
かと言って、何でもCTへ送るとC(死)のT(トンネル)になりかねないことがQ&Aに書かれている。
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dysfunction of CNS は、
外傷医はGlasgow Coma Scale で評価する。
救急隊はJCS ; Japan Coma Scale を用いているので、医師はこちらも覚えておく必要がある。
う~ん、どちらもそのままでは大動物には使えないかな。
しかし、経験がある獣医師は、重症畜の意識レベルを顔つきや反応でよく診ているものだ。
それと、大動物は立てるか、歩けるか、が重要になってしまう。
立てない、歩けない、だと二次診療施設へ運ぶことができない(新生子馬・子牛を除いて)し、診察・治療することもたいへん難しくなる。
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さて、ヒトの救急外傷の診察でどのような手順が勧められているか、参考になっただろうか?
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私の、意識障害がある患者さんで一番多いのは・・・

スズメの集団に阻まれてエサをついばめないゴジュウカラ
うちの家の窓にぶつかることが多いのもゴジュウカラだ。
警戒心も強い。
ただ、人なつっこさもあって、私が外で薪作業をしていると、エサがもらえると思うのか近くへやってくる。
なかなか姿も好いよね。
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ガラス衝突の小鳥はできるだけ救護してやりたいと思っている。
意識レベルは、GradeⅢ;刺激しても覚醒しない、が多いが、2-30分で回復して飛んでいくのもいる。
その間、カラスに襲われたりしないように保護してやりたい。
蘇生率は・・・落ちてしまうやつだと50:50くらいかな。
今度、記録を付けてみるか。