COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
若者の怒り
D800E + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G
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昨年暮れ、インストラクターとして来社した若い女性と話をした。
ある大手の企業の社員である。
23歳というから、まだ入社して1、2年であろう。
大きい会社なので、恐らくそれなりの大学を出ているはずだ。
応接間で雑談する中で、その女性が言った。
「中国や韓国の態度は、私はどうしても許せません。あんな事が通用するなんて、どう考えてもおかしいと思います」
顔が怒りで強張っている。
その年代の人が、どのような考え方をするのか興味があり、そのまま黙って彼女の意見を聞いていた。
ごく普通の若い女性の意見である。
恐らくこの世代の人の多くは、同様の意見を持っているのだろう。
彼らにしてみれば、そう思うのも当然の事だろう。
ある日突然、一方的に領土を自分のものだと言い出し、あらゆることに難癖をつける。
正義を信じて育てられた人には、もっとも卑劣なやり方と映り、倫理的に許せないはずだ。
しかも若い人たちにとっては、自分たちは直接関与していない過去のことを持ち出されているのだ。
言いたい放題言われて、申し訳ないと謝る人など、若い人の中にはいないだろう。
そろそろ我慢も限界に近付いているのが、彼らを見ているとわかる。
先日電車に乗っていて、隣に座った数人の若者が、やはり同じことを議論していた。
ひとりはちょうど20歳くらいの女性で、あと二人、20代前半の男性が一緒であった。
三人とも、ラフなファッションで身を包んでいる。
女性は、中国や韓国、さらには米国の態度にも、強い不快感を示していた。
それに対し二人の男性は、どちらかというと、女性をなだめる役に回っていた。
過去にこういうことがあって、それでこうなっているらしいよ・・と女性に解説する。
彼らにしてみても、その当時生まれていたわけはなく、伝聞の知識でしか無いようだ。
しかしなかなか勉強していて、決して間違ってはいない内容であった。
女性は初めて聞くことも多いらしく、ふーん・・と感心しながら聞き、そして考え込んでいる。
男性も、女性より冷静な態度ではあるが、少なからず憤りを感じているのは同じのようだ。
非常に真面目で真剣な会話である。
国家は自分の国の利益のことだけを考えて動く。
国益の為なら何でもする。
たとえ道理に反していようとも、国益の為なら恥も外聞もない。
それは中国や韓国ばかりでなく、欧米の国々もそうである。
だが日本は少し違うような気がする。
少なくとも国民レベルでは、正義のために人は生きるのだと、信じている人が大半である。
姑息な駆引き無しで、この小さな国は、共同体として成り立っているのだ。
成熟した世界の国々から見れば、それは幼いことと映るかもしれない。
隣国から隔離された地理的条件と歴史を持ち、独自に発展した島国ならではの特異性かもしれない。
しかし、あの若い世代を見ていたら、踏みとどまってでも最後まで戦うのではないかと思えてくる。
それは世界中の多くの国々にとって、大いなる恐怖となり得ることだ。
平和主義で腑抜けのように見える姿が、日本人の本質ではない。
駆引きのつもりで対応していると、あるところで堪忍袋の緒が切れる。
その時は、国家がまとまり、ひとつの生命体になるのが、この国の特質なのだ。
しかも彼らは、自分の損得のためではなく、正義のために戦おうとしているのだ。
そこまで理解した上で、各国は日本に対応しているのだろうか?
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )
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そもそも外交とは、真面目で誠意のこもったお付き合いではなく、損得を優先するか、或いは漁夫の利を得るのが前提であることを理解できれば、日本も相当いいところまでいくのではないのかと考えています。教育レベルが高く、関連書物が豊富にあるので、今からでも遅くはないと思います。
障害なのは他国よりも、むしろ日本の政治家と外交官僚などの既得権益の上に胡坐をかいている人たちかと。
大人の矛盾を見破り今の時代なら若者は右に傾くでしょう。
もちろん小学校の教科書に三島のセブンティーンが載っているはずが無く単に行進か何かで集団の右の塊が動いたというような意味なので右側の集団が正しかったのですが。
ちなみにその女の子は役場で財務課長しています。しかも当時30代前半で多分史上最年少。
外国と付き合っていくにはそうでなくてはならないのでしょうね。
親戚に外務省の人がいましたが、外交においては、相当凄い戦いをずっと行っているのを、子供の頃から見てきました。
知らぬのは日本の一般市民のみ・・という感じです。
ただこれから世界が次の段階に行くとしたら、今までの外交のやり方の方が、むしろ古くなる可能性も感じています。
先進国病というのがあって、日本がそこから抜け出すことが出来るか出来ないかの瀬戸際なんだそうです。
それに成功すれば世界初だそうで、欧州でも今後が注目されているそうです(笑)
OTさん>
今でもOTさんの場合は血気盛んだから、どっちかに傾くのでは?(笑)
私の子供の頃は左翼活動家が爆弾で一般人を殺していたので、父親がヨーロッパに仕事で行くと、日本人というだけで白い目で見られた・・という時代でした。
次に戦争をすることになったら、絶対勝たなければなりません。
言い換えると、負けるような戦争はするな、ということです。
そういう意味で、第二次大戦の代償はつくづく大きいと思います。
アメリカも中国も、結局最後には「たかが敗戦国のくせに・・」という顔になります。
第二次大戦は負けると分っていて死なばもろともで飛び込んでしまうという、国家としては幼い行動だったと思います。
盛り上がってますね。
良質の情報を持って、もれないように、しなければ、
どんな場合もうまくいかいのではないしょうか。情報の重要性が肌身に感じていない国民性なのではないでしょうか。正義も国に拠って様々なので、多様性を知るべきではないでしょうか。ただ、ただ、いろんな本を読んでそう考えています。
いろいろ参考になりました。
ではでは。
情報は日本人は一番疎い分野かもしれませんね。
正義の多様性ですが、日本は独自性が強いので難しいところですね。
もし日本が国民レベルまで徹底的に自国の利益を考えて行動するようになったら、すごい事が起きるかもしれませんね。
でも、最近の反中・反韓のムードは国策なんでしょうね。3・11から目をそらすための。敵はもっと近くにいるはずなのにねえ。
私が子供の頃もそばにあって、ずいぶん対立しているようでした。