COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
移行
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このところ全国の販売店の人たちが続々と会社に来る。
それもほとんど向こうから接触してくる。
まだ具体的な売上には繋がってはいないのだが、毎週のようにいくつかの販売店が会社に来て、工場を見学して新商品開発の打ち合わせをする。
コロナでしばらく動くことが出来なかったから、その反動だろうか・・と最初は考えた。
しかしこういう事はコロナ前も無かった。
以前は鼻もかけてくれなかったところから連絡が来るのだ。
不思議に思っていたところ、同じように来社した長い付き合いの販売店の社長が訳を教えてくれた。
業界の大手メーカーの態度が、じわじわと変わってきたのだという。
多くのメーカーは長年販売店での売上を重視して、店頭に立つ販売員をお店に派遣したりして、密接な関係を築いてきた。
メーカーと販売店との繋がりは(悪い意味でも)深く、そういう事を否定しているウチのような会社は入る余地が無く、営業をかけても門前払いであった。
ところがコロナ禍が大きなきっかけとなり、その関係が崩れた。
購入のためにお店に足を運ぶお客が激減し、販売店の売り上げは大幅に落ちた。
外出や会話は危険なのだから、お店になど行く人はいない。
しかもその傾向が根付いてしまい、コロナが収まっても元には戻らないことも明らかになってきた。
メーカーとしては、販売店にいつまでも肩入れしていては、一緒に沈没しかねないという危機感を覚えたのだろう。
つまり多くの販売店はもう消えていくだろうと見ているのだ。
もともと大手メーカーは全国に自社のショールームを持っており、そこを販売施設に変更すれば、エンドユーザーに直接商品を見せて販売することも出来る。
しかも販売店を通さない分、利益は遥かに大きい。
そのためメーカーが、いよいよ直販への移行を本格的に考え始めたということだ。
実は以前より各メーカーは隠れてネットで直販をしていたのだが、その比率は販売店での売上に比べてそれほど大きいものとは言えなかった。
しかしコロナの直撃を受けて、売上のバランスも大きく変わった。
中にはネットでの売上が5割に達するところもあるという。
ユーザーからも「メーカー直販」を望む声が急に増えた。
エンドユーザーから、直接買えないかという質問がかなり来るようになった。
メーカーから直接購入すれば、確実なものを安く入手できるのではないか・・と考えるのだ。
実際には販売店に喧嘩を売る事になるので、それより安く売るのは難しいのだが、ネット専用の商品を開発して、直接競合しないようにすることは出来る。
当然販売店の方は、メーカーの態度の変化を敏感に感じ取ったのだろう。
メーカーの営業は今でもおべっかを使いに来るが、何か要望を言っても対応が悪くなった。
今までは威張って命令できたのに、関係が微妙に変化している。
最近はメーカーも堂々とユーザーに直接販売するようになりつつある。
ほんの数年前なら、販売店が怒鳴り込んで止めさせることもあった。
しかし今は立場が大分弱くなり、そんな横暴は許されなくなったし、世間も時代の流れだから当然・・という風潮に変わってきた。
相変わらず販売店の店先はお客の姿はまばらだし、この分ではメーカーからいつ見捨てられてもおかしくない。
実際販売量の少ないお店は、メーカー側から「切られる」という事例も発生している。
販売店としては、時代の大きな変化を感じ、生き残るために何とかしなければ・・という思いが強くなった。
そのためには、大手のメーカーではなく、自分たちの希望を聞いて協力してくれるメーカーを探すしかない。
その結果、ウチのような小さいところも対象に入ってきたのだそうだ。
まあウチとしては出来る限りの対応はするつもりではあるが、やはり時代から言っても、直接販売への移行を真剣に考えていくことが重要であろう。
大分前であるが、僕はやがて販売店が無くなる日が来る・・と書いたことがある。
お店での販売は法的に禁止されて、ネット通販のみが販売の経路として許されるようになる・・などと極端な意見も言っていた。
インターネットの特徴として、無駄な経路が省かれていく傾向があり、もっともシンプルな形が、製造者からエンドユーザーへの直売であるからだ。
もちろん当時は誰一人としてそれに賛同する人はいなかった(笑)
しかしコロナの影響で時代が一気に進み、思っていたのとは少し違う形ではあるが、そこに近付きつつあるような気もする。
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カメラは、昔は家族旅行の記念撮影をするためなど生活必需品の側面がありましたが、今はスマホで足りるので、カメラを買う人は、プロか、マニア的な人だけです。そういう人は、スペックで決めるわけだし、スペックはネットで十分に情報を得られます(今はYouTubeで、カメラ系YouTuberが実機をいじりながら解説してくれるので、相当に参考になります)。昔は、カメラ店で店員に相談しながらどのカメラを買うか決める客がいたでしょうが、今では皆無でしょう。ブログなどを見ても、量販店で店頭の実機をいじってみたうえで、ネットで「ポチ」して買っている人が大半のように思えます。私はこれまで量販店で買っていましたが、たまたま店頭にいる店員に購入機材の名前を告げるだけですから、ネットで買うのと何ら変わりはありません。
理屈上は、メーカーが直販するのが一番安いはずです。これからその流れになるでしょう。
それがコロナなどの影響で一気に顕著化した感じです。
販売店も数が減れば、あるところでバランスして、減少がストップするのかもしれません。
ニコンもマニアとプロ専用の商品を作っていくと言っていますね。