夜行性


SIGMA DP2 Merrill

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居間で寝てしまい、起きたら夜中の3時を過ぎていた。
それからシャワーを浴びて、パソコンに向かう。
そのうちに夜が明けてきて、すっかり朝になってしまった。

このまま一日過ごそうかと思ったが、ちょっとベッドに横になったら、今度はぐっすり寝入ってしまった。
次に起きたらお昼過ぎだった。
何をやっているのかわからない一日だ。

僕は本質的に規則正しい生活が出来ないタイプのようだ。
仕事のある平日こそ早く起床するが、休日になるとたちまちリズムが崩れる。

独身だったらもっと酷いことになっていると思う。
もし芸術家であったなら、完全に昼夜が逆転した生活になるだろう。
自分は狩猟民族系の人間だと思っていたが、それも夜行性のハンターなのかもしれない。

午後から起き出して、銀座の床屋に行った。
いつもなら眠くなって、散髪の最中にグーグー寝てしまうところだが、今日はけっこう元気であった。
考えてみたら、結果的にはいつもより睡眠量が多いのかもしれない。
体が休まっているなら、それはそれでいいのだが・・・(笑)



今日の時計ベルト。
ボーム&メルシエのアンティークのスモールセコンドに、カワチヤ時計ベルト店オリジナルのドイツボックスカーフのダークブラウンをつけた。

前にも何度か紹介したことのある、同社別注品の非常に特殊なベルトである。
環境汚染に対する規制から、最上の皮革を製造することが困難になり、それを理由に廃業したドイツ・カール・フロイデンベルグ社のボックスカーフを使用している。
百数十年続いた伝統あるタンナーが、あっさりと消えてしまったのだ。
少し大袈裟に言えば、幻の素材のデッドストックから切り出された時計ベルトである。



深みのあるダークブラウンが、文字盤のアラビアン・インデックスの色と上手く調和し、落ち着いた雰囲気をかもし出している。
ベルトの剣先のみにステッチを入れた、銀座カワチヤ時計ベルト店こだわりの逸品である。

特有の渋い艶を有し、曲げると表面にデリケートな皺が現れる。
5mmの厚みをもたせた設計で、裏面にはソフリナが使用されている。
非常に柔らかい素材のようで、中材が表面に浮き出して見える。

時計とのマッチングはまあまあといえる。
このベルトの質の良さは、ぱっと見ただけでは判らない。
服装もそれなりにいいものを組み合わせないと、人には伝わりにくいかもしれない。

しかし「貴重な革で作った」という精神的なこだわりが、腕の時計に強い存在感を与えてくれる。
他人が気付かなくても、自分ひとりがわかっているだけで、十分に満足を得られる。
そういうベルトである。

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