閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

絵本のつくりかた・サンドイッチ篇2

2007-01-19 09:34:44 | 絵本のつくりかた

「サンドイッチの絵本」(仮称)の絵が出来上がりました。

Mは年末から腕をいためていて、さらに年明けて
腰もいため、治療に通いながらのお仕事でしたが、
それでも「3日で2枚かなー」という早いペースでした。

ネタバレになるので詳しい内容は伏せておきますが、
とにかくサンドイッチを作る絵本です。
Mは食材をいっぱい描くのに珍しく苦心していました。
ほぼ実物大に、かなりリアルに描いてあります。
おいしそう。手を出して食べたくなっちゃう。
卵の生とゆでたのと殻をむいたのとつぶしたのを
描き分けるのって難しいんだそうです。
(わたしなんか、卵と輪ゴムも描き分けられないが…)

「ナレーションつき」でKにも見せたら、見終わって、
「あー、なんか腹へった」と呟きました。
晩ごはん食べたばっかりなのにね。
これは、大成功!ということではないでしょうか。

裏の裏話。
この絵本、じつはいちばん初期の段階では
「フルーツパフェの絵本」になるはずでした。
でも、画家は甘党じゃないし、編集者さんも男性で、
いまいち熱い支持が得られなかった…
誰も取材につきあってくれそうにないんですもん。
それと構成上の問題もあって(タテ長の判型でないと
おさまりにくい、など)サンドイッチに落着きました。

ああ、でも、パフェの絵本もちょっと捨てがたい。
どこかで、いつか、やりたいなあ。
こんどは女性ばっかりで、とかね。
ラクトアイスとアイスクリームと
生クリームのシングルとダブルの描き分けが得意!
っていう方いらっしゃいませんか?
(わたしなんか、雪だるまと雪見大福の区別も…)

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スプラウト先生

2007-01-18 08:45:05 | 日々

買物に行くと、ついつい個人的に買ってしまうのが
スプラウト。芽を食べる野菜。

ブロッコリ、レッドキャベツ、ルッコラ、アルファルファ。
100円くらいで小さいパックに入っています。
ルッコラは風味が好き。レッドキャベツは色がきれい。
たっぷりのスプラウトを、ごく少量のチーズなどと一緒に
パンにはさんで食べると、しあわせーな気分。

うちでは、なぜかわたしだけがスプラウト好き。
Mはこれを「ちっちゃいハッパ」とか「雑草」とか言います。
「そこらへんに生えてるじゃない」とも言う。
生えてないよ。

ホームセンターでスプラウトの栽培セットを買ってみました。
種と、こまかい白っぽい砂利のセット。
カップに砂利を入れ、種をぱらぱらまき、水をやると
芽が出て、1週間くらいで食べられるようになります。

簡単、と思ったら、意外とむずかしかった。
種が多すぎても少なすぎてもうまくいかない。
夏は暑さでいたみやすいし、
冬は逆に温度が足りなくて伸びません。
収穫するとき、どうしても砂利が散らばるし。
3回くらい試しただけで、まだ残っています。
理科の観察にはいいんですけどね。

考えてみたら、このちっちゃい芽、1本ずつ育てれば
そうとう大量のキャベツやブロッコリになるはず。
それをぱくっと一口に食べちゃうなんて…
なんだかぜいたくな野菜ですよね。
イクラを食べるときも、そう思います。
(あれ? でも「もやしの胡麻あえ」など食べても
ぜいたくな気分しないな。この差は何なんだろう?)

本日のタイトルにたいした意味はありませんが、
ホグワーツ魔法学校で受けてみたい授業といえば
この先生の「薬草学」くらいだな、と思って。


あやめ草さん、
先日のお餅の話、「華麗な推理」とおほめいただいて
(おほめいただいたと勝手に解釈し…)
ありがとうございます。
でも、うちではみんなあきれて、
猫さえ相手にしてくれませんでした。
しょぼん。

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冬鳥、冬猫

2007-01-16 09:41:29 | 日々

今年はまだ凍る日が少ない。
毎朝、霜でうっすら白くなるけれど、
庭にはいっぱいの水仙があとからあとから花をつけ、
スプレー菊も半分ドライフラワーになって咲いているし、
風のあたらないところには、ついこのあいだまで
白いコスモスさえふたつみっつ残っていたほど。
そして葉の落ちた枝先にはつやつやの冬芽が光っています。

見かける鳥。
ウソ(ほんとです) 5~8羽の群れ。山桜の花芽をついばみに。
シロハラ 畑で単独お食事中。近づくと「走って」逃げる。
ホオジロ いつも犬小屋の近くで見る。スズメよりずっと見慣れた鳥。

餌台のお客さん。
ヤマガラ、シジュウカラ(ひまわりの種、なくなると催促)
メジロ、ヒヨドリ(果物、はちみつ水)
ジョウビタキ(餌ではなく、とまりに来ただけ)

餌台で鉢合わせすると、小さいメジロは意外と気が強く、
ヤマガラを威嚇して追い払ってしまう。

さんちゃんの「餌台めがけて垂直跳び」を目撃。
一瞬、台のふちに前足かけてぶらさがり、ポテンと落下。
お客のほうも慣れたもので、猫の動きは見切っている。
危ないと思えば空中でホバリングして引き返し、
そんなんじゃつかまらないよ、とからかい顔。

スズメやハトと違って、ヤマガラたちは
餌にむらがって食べることをしない。
近くの木で順番待ちして、一度に一羽ずつ。一粒ずつ。
くわえてきて、枝でつついて食べて、また取りに行く。
せわしい行き来を、真鈴、じいっと見ている。
右、左、右、左、テニスの試合でも見ているよう。

すももと茶々は、もうめったに鳥は狙いません。
プレミアムシート(わたしの電気ひざかけ毛布)をあらそって
毎日のように無言のかけひき、にらみ合い。
2匹でくっつけばあったかいのにね。
宿命のライバル同士、冬季限定で、背中合わせなら
30センチくらいまでは接近を許せるらしいです。
昨シーズンは、こだまじいちゃんを間にはさんで
ひとつのカゴに入っている、という貴重な写真が撮れました。
ストーブの前では、ときどき、あったまりすぎた猫が、
棒のように長々とノビている奇妙な光景もみられます。


近ごろ読んだ本
アン・ハラム「リンドキストの箱舟」
タニス・リー「死の王」
森博嗣「悪戯王子と猫の物語」
マーガレット・マーヒー「魔法使いのチョコレートケーキ」
ポール・オースター「偶然の音楽」
飛浩隆「象られた力」
ますむらひろし「イーハトーブ乱入記」

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丸餅、切餅(つづき)

2007-01-15 08:35:15 | 

鏡開きも過ぎたというのに、しつこく続けている、お餅の話。
今年の閑猫堂は、なんとなく、民俗学傾向?
お餅のことも、どこかでちゃんと研究している人がいて、
調べれば正しいことがわかるのだろうと思うけど、
自分で推理してみるのも好きです。
(以下はわたしが勝手に考えた「仮説」なので
そのまま信じないように!)

そもそも、お餅は、丸かった。
「丸める」というのは道具を使わず人の手だけでできる
いちばんシンプルで原始的な形です。
とくに神様にお供えする鏡餅は
「鏡」というくらいだから、本来は丸いはずである。

丸い鏡餅のバリエーションとして
「丸くてひらたい鏡餅」つまり「円形ののし餅」が
おもに東日本に存在した。
(と強引に仮定する)

鏡餅が大きければ大きいほど、
こんもり丸く高くきれいに作るのは難しいのよ。
どうしても重みでひろがってしまうのです。
じゃあ、いっそのこと、ひらたく作っちゃえ、とか。
または、ひらたいほうが少ないお餅でも大きく見える、とか。
もしかしたら、お米の質にも関係があるかもしれない。
その地方のお餅は柔らかくてダレやすかった、とかね。

さて、丸くてひらたい大きな鏡餅を食べるには
切らなければなりませんが、どう切るか。
ピザみたいに放射状に切るんでなければ、
(いや、それも面白そうだけど、ひとまず除外して…)
タテヨコに切り分けるのがふつうでしょう。
包丁で「丸く」は切れないですからね。
タテヨコに切ると、外周部分はカーブがつくけど、
あとは正方形または長方形になります。

こうして「丸くてひらたい鏡餅」を供える地域には
「四角い切餅」を食べる習慣が定着した。

一方、上方(西日本)の鏡餅は厚いので切りにくい。
あれは「割る」しかないでしょう。
そのため、お供えとは別に、食べやすい小さい丸餅を
たくさん作る習慣ができ、そのまま現在に至った。

時代が進み、地方文化の交流がおこなわれる中で、
上方の「こんもり高い鏡餅」が東日本にも広まった。
あっちが本式らしいぞ、ということで、
「丸高鏡餅」が全国的に普及し、「丸平鏡餅」は姿を消した。

しかし「丸くてひらたい餅を四角に切って食べる」という
お正月の風習だけはそのまま残り、

その「丸くてひらたい餅」が量産される過程で、
より扱いやすいように「四角くてひらたい餅」に変化し、
長方形の「のし餅」を経て「パック切餅」の発明に至った。

ゆえに東日本では
お供えとしての「丸い鏡餅」と
食べものとしての「四角い切餅」が共存するのです。
Q.E.D.
ご清聴ありがとう。(拍手)

…仮説ですよ、仮説。
論争ができるような根拠はないですから、
ご質問、異議、反論の類はご容赦を。


しかし、
「下が丸で上が四角のハイブリッド鏡餅」の謎は
いまだ解けておりません。
うーん、「前方後円墳」ではあるまいしねえ。
Kと小中学校で同級だった子のお家なのです。
こんどお母さんに会ったらぜひ聞いてみたい。

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猫の駅長

2007-01-13 09:44:37 | 日々

1週間ほど前の新聞記事。
和歌山のローカル線の無人駅で、
三毛猫が駅長さんに任命されたそうです。

いいなあ。こういう話、大好き。
もすこし近くだったら、会いに行きたい。

駅長といっても、猫ですからね、
笛吹いたり何かするわけではないでしょうが、
ちゃんと特注の帽子をかぶった「たま」ちゃんの
写真がのっていました。
キャットフードのお給料も支給されるんですって。

こういう制度は各地でどんどん導入するといいですね。
ヒマそうな猫や、おなかすいてそうな猫をみかけたら、
企業もお店も積極的に雇ってお給料払ってあげてほしい。
福を招いてくれること間違いなしですよ。
ほら、うちなんか、駅長が5匹もいますから、もう福だらけで
毎日のお掃除がたいへんなくらいですもん…。


ところで、
「お供えの鏡餅は全国共通で丸い」って昨日書きましたら、
「下が丸くて上が四角い」というお家があるんですって!
…初耳。びっくり。そういうの、見たことないです。
奥さんはこちらの地元の人で、ご主人は北海道の出身。
もしかして、北海道の鏡餅って、そうなの?
おひなまつりは、四角というか、菱餅だけど…。
まだまだ知らないことがいっぱいあるこの世界。

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丸餅、切餅

2007-01-12 09:11:07 | 

あやめ草さんのところで、「おしるこ」か「ぜんざい」か、
という話がにぎやかなので、ついでに、
お餅が「丸餅」か「切餅」か、という話。

一説によると、「丸餅・切餅」の分布の境界は
静岡県の富士川と新潟県の糸魚川を結んだ線、
すなわち家電製品の「50Hz・60Hz」の境界線と一致するらしい。

…というのは嘘。
嘘つきはモノ書きのはじまり。信じちゃいけません。
(ああ、なんだか、嘘のつき方がMに似てきちゃった)

西が丸餅、東が切餅、と大まかに認識していましたが、
三重県で切餅だと聞いて、あら?と思ったのでした。
(わたしの頭の中では紀州はぜんぶ「関西圏」だったので)
そのあたりに分岐点があるのでしょうか?
それと、東京より北はどうなっているかも、よくわかりません。

自分の家でお餅つきをすることを考えると、
切餅、つまり「のし餅」のほうが、とりあえずは簡単。
わたしもやったことがありますが、専用ののし台があって、
つきあがった1うす分のお餅をぺたんと置いて、
台の幅と厚さに合わせて棒でのばしていくだけです。
1こずつきれいに丸めるほうが技術も人手も要りそう。
(だけど、のし餅って、柔らかくてもかたくなりすぎても
切りにくいものなので、それはそれで手間はかかる…)

わたしは11歳のとき関西から関東に引っ越したので、
お雑煮のイメージなどもごちゃまぜです。
視覚的には丸いお椀に丸いお餅がほのぼのして好き。
東京で初めてのお正月仕度に大きな四角い(切る前の)のし餅が
ぺろんと登場したのは、さすがにカルチャーショックでしたっけ。

いまいるところも「切餅」地域です。
でも、考えてみたら、お正月だけですよね、四角いのは。
こちらでは新築の家の上棟式や、漁船の乗りぞめ、
それに節分など、なにかにつけて「餅をまく」という
風習がありますが、それらはすべて丸いお餅です。
丸めるのが嫌だというわけではないらしい。
(カドのあるお餅は投げると痛いから…ではないよね?)

お餅の形が2種類あるのに、お供えの鏡餅だけは
全国共通で丸い、というのも謎のひとつ。
でも、最近売られている鏡餅はプラスティックの置物で
裏を開けると小さいパックの切餅が出てきたりするから
もう何がなんだかわからないですね。


あやめ草さん、「道祖神」について、ありがとうございます。
ここのサイノカミサンは1つじゃなく、あちこちにあって、
(どんど焼きで燃されるのは、そのうちの1つ)
いまは100軒ほどある集落が、かつてはいくつもの小単位に
わかれていたらしいことが想像できます。

このへんには、サイノカミサンの他に、
子安さん(安産の神)、庚申さん(「塗仏の宴」に出てきましたね)、
オチイさん(?)、あづまさん(漁業の神)、お稲荷さん、
馬頭観音(馬の供養)、大日さん(牛の供養)、金比羅さん、
びき岩さん(日切り地蔵)
…など、いろいろそろっているんですよ。

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絵本のつくりかた・パトカー篇

2007-01-11 09:21:27 | 絵本のつくりかた

年明け入稿、のはずだったのですが、
少々問題が…。

年末にAカラーダミー(印刷所に渡す前に編集の
パソコン出力でレイアウトの様子をみるもの)を
念のため警察署に持って行ったところ、
「パトカーは緊急時に屋根の警告灯をつけるとき
同時にヘッドライトと前の赤いライトも全部つけます」
と指摘されたのです。
そうかー。それを描いてなかった。
で、緊急に原画の手直し。

それと、もうひとつ、うっかりしていたこと。
今回はパトカーが主役の絵本ですが、
例によって一般車両もたくさん描いてあります。
その中に「石焼き芋」の軽トラックが混じっていました。
焼き芋っていえば、もちろん秋から冬でしょう。
ところが、たまたま取材したのが夏だったため、
おまわりさんの制服は夏服なのですよ。
悩んだ末、焼き芋屋を別の車に偽装してしまうことに。
Mikaさん新年早々すみません~。

こういう手直しはすべて舞台裏で行われますので、
本ができたときには誰にもわからないはずです。
さあ、この中で「もと焼き芋屋さん」の車はどれでしょう?
(あたっても賞品は出ませんけども…)

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神様の秘密

2007-01-10 08:48:10 | 日々

どんど焼きの話で、ひとつ忘れていました。
火をつける前に「サイノカミサンの石」を入れること。

田んぼのあぜ道の端っこに小さい祠がありまして、
その中に石がひとつ祀ってあります。
それがサイノカミサン。
サイノカミサンという神様にお供えしてある石なのか、
石そのものがサイノカミサンなのか、
そのへんは誰に聞いてもよくわかりません。
漬物石くらいの、一見何の変哲もない普通の石。
それをお借りしてきて、おんべと一緒に燃すのです。
しかも、借りに行くのは、必ず男子でないといけないの。
火が消えたあとで返しに行くのもね。

ちょうどわたしが役員さんだった年のこと。
どんど焼きが終わって、数人で後片付けをしていました。
燃えかすを置いとくと万一の火事が心配なので、
シャベルですくって田んぼの脇の川に捨てていたのです。
そうそう、サイノカミサンを返してこなきゃ、と思って、
「石を間違えて捨てないでくださいねー」と声をかけたら、

「えーっ? 石、いるの? オレさっき捨てちゃったよ」。
その人、初参加のお父さんで、石のこと知らなかったのね。
さあ大変。あわてて川に下りて、石探しです。
でも、もともと川にごろごろあるような普通の石だから、
どこへ行ったかわからない。それにもう夕方だし…。

しばらくして、
「あったぞー! これだこれだ。ほら、焦げてるよ」
とMの声。(そう、この人も片付けを手伝っていたのです)
「おお、よく見つけたねー」「よかったよかった」と
石を祠におさめて、行事は無事に終了しました。

翌年のどんど焼きのとき、
「あれ? なんか石が小さくなってない?」
というささやき声が聞こえましたが、
「毎年使ってると減るんだよね」と誰かが言って、
「割れたりもするしね」と別の誰かも言って、
みんな、そうそう、とうなずいていた。
真実は神様だけが御存知。

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さんちゃん危機一髪

2007-01-09 09:14:27 | 日々

先日、ねずみさんを怖い目にあわせた三太郎。
今度は自分が怖い目にあってしまいました。

お昼前、猟犬の鈴の音が聞こえたので、
「猫、外に出てないよね?」と言いながら外を見たら、
いるじゃありませんか、庭の桜の木の根元に、
ぼけっとすわってる黒猫が。

発信機のアンテナをつけた茶色の猟犬が2匹、
連れ立って小走りにやってきます。
「ゲート閉めて!」とベランダからKに言ったとき、
やっと状況に気づいたらしく、三太郎、動きました。
ところが、何を間違えたのか、家に戻らず、
わざわざ庭の柵の外に飛び出してしまった。
さんちゃん、方向が逆だ!

ふつう猫は犬などが来ると、じいっと動かずにやりすごします。
真鈴はこれがとてもじょうずで、うちのポケなんか、
すれすれでも気づかず通り過ぎてしまうほど。
しかし、さんちゃん、犬の見てる前でダッシュしてしまった。
これは非常にまずい行動です。
猪猟犬は猪だけ追うように仕込まれていて、
「勤務中」にはあまり他のものに興味を示さないんですが、
目の前にシッポの長い黒い奴が飛び出したので、
思わず本来の職務を忘れ…。

さんちゃんもパニックですが、こちらもパニック。
さんちゃんは小川を飛び越え、山の斜面を駆け上ります。
逆だってば!
あとを追って猟犬が1匹。
さらにそれをKが追っかけて行くのだけど、
「四駆」の犬猫に比べると二足歩行はまったく不利。
それに犬がいるということはハンターもいるんだから、
いつ鉄砲の弾が飛んでくるかわからないし、
猪が突進してくる可能性だってあるわけで、
「戻りなさいっ!」とわたしはこっち岸から叫んでいる。

ほどなく犬は呼び戻され、
ハンターたちも引き揚げていったようなのですが、
問題はそのあと。
さんちゃんが帰ってこない。

遠くまで逃げて帰り道がわからなくなったのか。
高い木にのぼって下りられないのか。
まだ用心して隠れているのか。
とにかく、呼んでも呼んでも帰ってこない。
(もともと呼べば来るような猫ではないし)
どこを探してもみつからない。
あたりがすっかり暗くなっても帰ってこない…。

こういうときの猫は、しかたありません。
どんなに人になついていても、
いざというとき信じるものは自分だけ。
大声で呼んだり、がさがさ探し回ったりしても、
よけい警戒して出てこないこともあるのです。

心配しつつ、6時ごろ、台所で夕食の支度を始めたら、
背後で「むにゃ…」と小さい声。
振り向くと、さんちゃんが、いました!
いつもごはんをねだるテーブルの上に。

毛も汚れてないし、足の裏もすりむけてない。
よかった。そんなに遠くまで行ってなかったんだね。
どこも怪我してないね。
「うん。でも腹へった」
がつがつ食べる、いつもの三太郎でした。

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お汁粉

2007-01-08 11:06:08 | 日々

買物に行く途中の河原に、
どんど焼きの「おんべ」が立っているのを見かけました。
そうそう、そういう時期なんだ…。

どんど焼きは、お正月のお飾りをあつめて燃やす行事です。
田舎でも、海岸や河原や田んぼがないとできません。
このあたりでは地区ごとに子ども会が主催するので、
Kが小学生だった間は、わが家も毎年参加してました。

まず地面に木の杭をうちこみます。
長い孟宗竹を1本、杭に固定し、それを芯にして
たくさんの竹を立て、縄で巻き、円錐形にしていきます。
これはお父さんと大きい男の子たちの仕事。

一方、ご近所の家を回って集めてきたしめ飾りは、
縄に通したり結んだりして長くつなぎます。
これを、立てた竹の上にぐるぐるぐるぐる巻きつけていく。
去年のお札や破魔矢、目の入っただるま、それに
書初めの練習をした半紙なども間にはさんでいきます。
お習字を燃やすと字が上達するそうです。

てっぺんに見栄えのいい大きいだるまを掲げて、
「おんべ」の出来上がり。
地区によって、てっぺんに竹の弓矢を飾るなど、
デザインは少しずつ違います。
こうして数日間立てておきます。

どんど焼きの当日は、これに火をつけて
盛大な焚火をし、おだんごをあぶって食べます。
おだんごは赤・黄・緑に染めて、三叉の枝に刺したもの。
あまり美味しくないんですが(たいてい焦げて固い…)
食べると1年風邪ひかないって。
集まった人たちには大鍋のお汁粉をふるまいます。

お汁粉…。
わたしは2歳くらいのとき大福を食べておなかをこわし、
ちょっと死にそうになったらしい。
以来、その話を繰り返し聞かされたため、
あんこのお菓子は食べちゃいけないものと信じ、
20代まで、ほとんど食べなかったんですよ。
どんど焼きの役員さんになったとき、
生まれて初めて自分でお汁粉というものを作りました。
役員が手分けして作って持っていき、現場であたためて
お餅を入れて配るんですが、甘すぎるとか薄すぎるとか
もっと塩を入れろとか水が多いとか、みんながそれぞれに
いろんなことを言うのでとっても大変なのでした。

久しぶりに食べたくなって、作りました。お汁粉。
つぶつぶの、田舎汁粉? おぜんざい?
小豆は一度ゆでこぼし、圧力鍋で5分。
そのあと、ストーブにのせて、ことことこと。
もう柔らかくなったかなあ、と鍋をのぞいたら、
…わ、ちょっと、これ、すごい量じゃない。
豆は煮たら増えること、すっかり忘れてた。
こんなにいっぱい、どうしましょう。

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