閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

ブルーム水玉

2012-10-31 17:24:51 | 日々


キャベツのなかまは、ブルームとよばれる粉状のロウ物質が
葉の表面をおおって水をはじく。
これによって、ころころの水玉が生じる。

ということは前に書いたけれど、このブルーム、植物が
分泌する天然成分だということは、あまり知られていないらしい。
キャベツの葉を水につけると、油膜のようなものが浮くことがある。
きゅうりも同じで、表面がうっすらと白っぽくなる。
これを、カビだとか、農薬がついてるとか、誤解して、
店に苦情を言ってくる人が多いので、近年は品種改良して
ブルームの出ないきゅうりを売るようになったのだそうだ。
キャベツもいずれそうなるのかな?

水玉ハンター協会はブルームレス化に断固ハンタイです。

紅玉りんごは、布で表面をこすると、ぴかぴかに光る。
これもキャベツと同じ天然ブルーム成分のはたらきだ。
りんごのブルームは、かつては「ワックス」とも呼ばれていた。
ワックス=ロウだから間違いではない。が、これが誤解のもとで、
人工的なワックスを塗って光らせている!と疑いをかけられ、
その結果、店に並ぶのは、みがいても光らないりんごばかりになってしまった。

「蜜入り」と呼ばれるりんごがあるけれど、これも
「芯が腐っている」とか、「砂糖水を注入しているらしい」(!)とか・・
ずいぶんいろんな説を以前は耳にしたものだ。
最近はどうなんだろうか。

野菜売り場で、買ったゴーヤを切ったら種が真っ赤で
気持ち悪くて食べられないと文句を言っている人を見たことがある。
赤くならない品種がそのうち出回るかもしれない。

消費者のニーズに合わせて、生産者は商品開発をする。
それはわかるけれど、迷信や風評や誤解から生じたニーズにまで
いちいち手間をかけてこたえなきゃいけないかなあ。

農林水産業からサービス業まで、あらゆる分野の人に聞いて、
「こういうことが誤解されやすく困っている」というリストを作る。
その中から、一般家庭の日常生活に関係の深いことを厳選し、
小学校できちんと教えるようにする。
ブルームの話は理科に組み込めばいいし、国語や社会もあるだろう。
わたしが王様だったら、そうするけど。
もちろん、実害がなくて愉快な都市伝説の類は、そのままでね。


・・ということで、ブルーム水玉。

 

水玉の、光と、影。

 

この角度でも落ちない!

 

落ちない、落ちない!

 

 

うわわ、大きいです。
(でも、なんにも「入っていない」の、ね・・)

 

あ、これはキャベツ系ではありません。車の窓。
人工的な撥水加工。

 

 

さてさて。
ハロウィンですので、舞台でもこしらえておきましょうか。

こんな感じかな。気分はティム・バートン?(笑)


ハロウィンに、家の窓にかぼちゃランタンを飾ったり、
おばけの格好をしたりするのは、
「ほら、うちにはもういるよ。だから(本物のおばけは)来なくていいよ」
という意味があるのだと、ニューオリンズに長く暮らす人に教わりました。
なるほど。
定員制で先着順だったのか。


 

魔女さんたち、早くも続々とご到着!

 

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