弁理士の日々

特許事務所で働く弁理士が、日常を語ります。

讃岐うどん

2008-11-24 11:11:35 | Weblog
11月はじめの連休で高松を訪問しました。高松といえば讃岐うどんです。

高松市内の某所を訪問したときに、窓口の女性に讃岐うどんのおいしい店を紹介してもらいました。「高松市内にはいい店がない」という答えでしたが、2店を紹介してくれました。こんぴらや竹清(ちくせい)です。
しかし竹清は土日(祝日除く)定休で営業時間は11:00~14:30、こんぴらやは日曜定休で営業時間は19時までです。ときは土曜の18時過ぎ。今からだったら急いでこんぴらやへ行くしかありません。
こんぴらやは、高松市街中心のアーケードにありました。
 
こんぴらや          さぬき麺業

こんぴらやを外から覗くと、何だかセルフサービスの小さな店です。その隣にさぬき麺業という店がありました。ちゃんとした椅子席です。今回はそちらに入ることにしました。
メニューを見るがいろいろ書いてあってよくわかりません。そこで、店員さんにお勧めを聞いてみると、「釜あげです」ということでした。そこで、「てんぷら釜あげうどん」を注文しました。


夜、市街を歩いていたら、たまたま「竹清」の前を通りかかりました。実に小さな店です。

翌日、別の訪問先に行ったら、「さぬきうどんの作り方」という本が置いてありました。開いてみると、昨日のさぬき麺業も編集に加わっています。釜あげうどんの由来が書いてありました。
本場さぬきうどんの作り方
香川県生麺事業協同組合
旭屋出版

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釜あげうどんについては「さぬきうどんの代表的な食べ方の一つが釜あげうどん。打ちたての麺を茹で、茹で湯とともに器に入れてつけ汁で賞味する。」と説明されていました。

また、この本には、讃岐うどんに特有の「セルフ」についての説明があるとともに、竹清が1ページをかけて紹介されていました。
「セルフ型うどん店」では、かけうどんが一玉150円前後と激安です。そのうどんを、客が自分で湯の中に漬けて温めるのです。また山積みされている天ぷらの中から欲しいものを選び、代金を支払い、最後に自分でどんぶりの中につゆ(讃岐うどんでは「だし」という。)をかけてできあがりです。
こうなったのは、香川県のうどん店の多くが製麺所から生まれたという独特の理由によります。うどん玉を卸す製麺所が工場のそばでお客の注文に応じてセルフスタイルで売り始めたため、普通の飲食店よりはるかに安い売値がつけられました。

「竹清」もセルフ店だそうです。昼にはすぐに行列ができます。この店の奥さんが天ぷらを揚げ、ご主人は奥の厨房でもくもくとうどんを打つといいます。天ぷらの中では「茹で玉子の天ぷら」が大人気だそうです。セルフだから3人目の店員がいなくても客はうどんを食べられるのでしょう。

月曜の昼にもう一度讃岐うどんを食べました。竹清を予定していたのですが、上の本によると行列ができるということであり、電車の時間が決まっているので竹清は敬遠し、再度さぬき麺業を訪問しました。また店員さんに「釜あげの次にお薦めは何ですか」と聞くと「生醤油です」ということです。今回は「てんぷら生醤油うどん」を注文しました。
器の中にはだしの入っていないうどん、それに醤油壺に入った生醤油がついてきます。うどんに生醤油をかけて食するのですが、生醤油をかけすぎないように注意しないといけません。私はその注意を聞く前にたくさんかけすぎてしまいました。

以上のように、われわれは「釜あげ」と「生醤油」を食べたのですが、メニューを見るとその他に「ざる」「かけ」「ぶっかけ」などが並んでいます。

ウィキペディアで調べると以下のことが判りました。
《かけ》:うすめのだし汁をかけ、刻みねぎや天かすを載せたうどん。薄切りの板かまぼこを加える場合もある。シンプルで値段も安く、20世紀後半まで最も主流の食べ方だった。
《生醤油(きじょうゆ)》 :うどん玉に醤油を少しかけただけのうどん。しょうゆうどんとも呼ばれる。醤油は火入れしないいわゆる生醤油とは限らない。調味された醤油が使われたり、薬味や具が入ることもある。麺そのものの味が味わえ、家庭でも手軽にできるため、店では「かけ」家庭では「生醤油」が讃岐うどんの定番という人も多い。
《釜揚げ》 :ゆでて水洗いする前の熱いうどん。麺の状態のことを指すこともあれば、完成した料理のことを指すこともある。
《ぶっかけ》 :濃い目のだし(つけだしに近いぶっかけだし)が、少なめにかけられたうどん。ぶっかけうどんは、具のあまり乗っていないシンプルなものから豪華なものまで、店によって様々であり、共通点は「濃い目のだしが少なめにかけられている」という点である。

特に「釜揚げうどん」についてウィキペディアでは
「麺を茹でた釜そのままから掬い上げたものを食べるため「釜揚げ」という。・・・釜揚げうどんは、水で締めていないうどん特有のもちもちとした歯ごたえが楽しめるが、時間が経つと小麦粉のアルファ化が進行して食味が低下するため、タイミングが味の決め手となる料理でもある。」と説明されています。
水で締めた麺を湯を張った桶に入れたものは「湯だめ」といい、似て非なるものです。


旅行から帰ってしばらくして、朝のテレビ番組を見ていたら、かばちゃんと女子アナが讃岐うどんを食べる、という番組を放送していました。3軒のうどんやを廻りましたが、いずれも山の中や田畑のど真ん中にある店でした。あばら屋のような建物で営業しています。われわれが不動産屋で讃岐うどんの店を紹介してもらったとき、「高松市内にはあまりない」ということでしたが、このテレビ番組で紹介されたような店が、地元の人にとって「おいしい店」なのでしょう。

番組では、1軒目でぶっかけ、2軒目で生醤油、3軒目で「釜玉」を食べていました。釜玉というのは、まずどんぶりに生卵を溶いておき、それに熱々の釜あげうどんを入れてかき混ぜるのです。「和風カルボナーラだ」といって食べていました。
生醤油を食べるとき、店の女将から「醤油をかけるときは一回り半」と説明されていました。かけすぎないようにということでしょう。

釜玉について、ウィキペディアには以下の説明があります。
釜玉(かまたま) :湯を切った釜揚げのうどん玉、卵、薬味、だしまたは醤油を混ぜて作られるうどん料理。うどん玉が冷めないうちに卵をかき混ぜて半熟にし、少量ずつ薬味とだしを自分の好みに合わせ、好みに応じて揚げ玉も入れる。綾川町の山越うどんが発祥といわれている。サッカー四国社会人リーグのカマタマーレ讃岐の名称の由来にもなっている。
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2 コメント

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確かに (プンチ)
2008-11-27 14:57:05
ほんとにおいしい店は地元の人間じゃないとわからないみたいですね。香川出身の友人も「おいしい店は普通の民家みたいだからヨソモンにはわからないはず」
といってましたし...。

浅草で、そこいらへん歩いている地元の身なりのいい紳士にいきなり話しかけ、地元の人間だけが行く、おいしいすし屋を教えてもらったことがあります。
確かにゲキ旨でした!
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讃岐うどんの深層 (ボンゴレ)
2008-11-27 17:37:01
ブンチさん、コメントありがとうございます。

「恐るべきさぬきうどん」という本を入手したのですが、高松に30年住んでいる人でも、讃岐うどんの本当のおいしい店を知ったのは高々5年前である、という話でした。
地元の人も知らない店(それも市街から遙か離れた田園地帯にある)が「おいしい店」らしく、讃岐うどんは奥が深そうです。

私は実は味覚音痴なので、ただ知識を集めているだけではあります。
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