大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2015年04月04日 | 写詩・写歌・写俳

<1307> 春 雨

     春雨や いのち潤し ゐるものら

  花に嵐のたとえもあるが、嘆くにはあらず。春の雨には滋養の恵み。サクラが咲いて、ヤナギが青み、クヌギ林が芽吹き出す。ああ、時を得て、生命(いのち)を育む一木一草。この雨を喜ばぬものはない。まさに、滋養、否、慈愛の雨。この雨にけぶり匂い立つ感を得ているものたち、みな、生命(いのち)のほかにはあらざるものたち。声なき声にして萌え出づる一木一草。

           春雨小雨が降ってゐる

         昨日の悲しみ癒すごと

      しとしとしとしと降っている

         今日の新たな日のために

         降るものとこそ思うべし

         言わば滋愛の小雨なり

         一木一草それぞれに

           耀くときの来ることを

                                                                  

  なお、今日、四日夜は皆既月食が見られるはずであったが、月は姿を見せてくれなかった。大和地方は雨こそ降らなかったが、厚い雲に遮られ、花の季節の天体ショ―は見ることが出来なかった。週末だったが、雨模様の予報があったからか、夜桜見物もちらほらといったさびしい人出だった。 写真はライトに浮かぶ夜桜。花月の歌人西行の気分でいたが、残念ながら月は全く見られなかった。


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