<1493> リ ン ゴ
卓上に一顆つややかなる林檎 ふるさとといふ言葉をまとひ
リンゴと言えば、並木路子の「リンゴの唄」が印象的であるが、地名では青森。青森と言えば、津軽。津軽と言えば、太宰治、寺山修司。常道のように私にはそれらが連想される。そして、そこにはこの二人の強烈な個性による「ふるさと」という言葉が思われる。青森(津軽)には、随分昔であるが、夏に一度だけ訪れたことがある。そのとき、リンゴ畑をちらちら見ながら車を走らせたが、赤い実は当然のこと見られなかった。そのときは、青々とした田園風景が印象深かったのを覚えている。
そのときは、冬が厳しく、雪が地上から吹き上げて来るというような話を聞いた。リンゴはその雪の中で実る。写真によると、そんな風景が見られる。言わば、リンゴは北国の果物の印象が強く、私が子供のころのリンゴと言えば、青森だった。という次第で、私には冒頭にあげたごとくに連想されるところがある。
冬はミカンとともにリンゴの美味しい季節で、最近はいろんな種類が店頭に並ぶ。みんなそれぞれに美味しく味わえる。大和(奈良県)も果物の産地で、カキが一番有名で、ほかにもミカンやナシなど。イチゴもあり、アスカルビーというのは大和(奈良県)で品種改良されたイチゴである。
言うならば、こういう特産の作物というのは、果物にしても昔から持続して生産されているものが多く、この特産化によって、所謂、それらの作物にはふるさとが色濃く印象づけられ、その故国の味というか、品質というか、そういうところに生産地の自負の念が見え隠れし、その特産地のふるさとというのを一層意識に上らせるところがある。 写真はイメージで、机上に置かれたリンゴ。 よきかなと 真っ赤な林檎を 思ひ食ふ
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