大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2022年02月18日 | 植物

<3684> 奈良県のレッドデータブックの花たち(179) ツメレンゲ(爪蓮華)        ベンケイソウ科

             

[学名] Orostachys japonica

[奈良県のカテゴリー]  希少種(旧絶滅危惧種、環境省:準絶滅危惧)

[特徴] 暖地の岩上や民家の石垣、屋根などに生える多年草で、多肉質のロゼット状の葉の基部から花茎を直立し、高さが数センチから20センチになる。葉は長さが3~6センチの披針形で、先が針状に尖り、赤味を帯びたり、粉白色のものが多い。花期は9~11月で、伸び上った花茎に白い小さな花を多数密につける。花弁は先が尖り、暗紅色の雄しべの葯が目につく。

[分布] 本州の関東地方以西、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国。

[県内分布] 生駒市、桜井市、五條市、大淀町、川上村、上北山村、十津川村。

[記事] ツメレンゲ(爪蓮華)の名はロゼット状に集まりつく多肉質の葉が仏像の台座(蓮華座)に似て、葉身が獣の爪に似るのでつけられたという。ツメレンゲはシジミチョウの一種クロツバメシジミの食草で知られる。江戸時代の中ごろから園芸用に栽培されるようになった。

  全国的に少なくなって環境省は準絶滅危惧に指定。大和(奈良県域)では北部で減少が著しく、南部ではかなりの自生地が残され、レッドデータブックは絶滅危惧種から希少種にランクを引き下げて今に至る。  写真は民家の石垣に生えるツメレンゲ(左はツボミの時期、十津川村。右は開花の時期、五條市大塔町)。

   生きものは個々に命を持ち

   個々にその命を働かせながら

         命脈を保ち得て生きている

   如何に集団であっても

         生きものは個々それぞれに

   個性の存在として生きている


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