<3786>奈良県のレッドデータブックの花たち(224) ヒメイチゲ(姫一華) キンポウゲ科
[学名] Anemone debilis
[奈良県のカテゴリー] 希少種
[特徴] やや湿気のある冷温帯域の落葉樹林の林床や草地に生える多年草で、草丈は15センチ前後、根生葉と茎葉を有し、根生葉は3出複葉の広卵形で、縁に粗い鋸歯が見られ、茎葉は3個が輪生し、これも3出複葉で、小葉は全裂、裂片は細長く、鋸歯がある。
花期は5~6月で、茎葉の基部から長い花柄を伸ばし、その先に1花をつける。花は花弁がなく、白い長楕円形の萼片5個が花弁状に開く。花は直径1センチほどで、葯も白色。草丈も花も小柄で、1花ずつ咲くので、ヒメイチゲ(姫一華)の名がある。
[分布] 本州の近畿地方以北と北海道。国外では朝鮮半島、サハリン、千島、中国東北部、シベリア東部。
[県内分布] 東吉野村、上北山村、天川村、十津川村。大和地方(奈良県域)の自生は南限に当たる。
[記事] 可愛らしい花で、尾根筋の登山道などで思いがけず出会うと、気持ちが癒される花である。シカの食害はないようであるが、乏しい個体数である。 写真は花を咲かせるヒメイチゲ。
風景は共有されるべくあるものながら
接するところの個々のものにしてある
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます