大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2021年03月07日 | 植物

<3339> 奈良県のレッドデータブックの花たち (30)  ウチワダイモンジソウ (団扇大文字草) ユキノシタ科

                            

[学名] Saxifraga fortune

[奈良県のカテゴリー]  希少種

[特徴] ダイモンジソウの変種として知られる多年草で、山地の滝や渓流沿いの湿り気のある岩場に生え、群落をつくることが多い。ダイモンジソウによく似るが、やや小さく、草丈は10~20センチ。葉は長さが2~5センチの倒卵形、もしくは円形で、3~7裂し、縁には鋸歯が見られる。基部はくさび形もしくは切形で、柄を有し根生する。花期は8~10月で、花茎の先の花序に花弁の細い5弁花を開く。花弁は下の2個が長く、上の3個が短く、大の字に見え、葉が団扇に似るのでこの名があるという。実は蒴果。

[分布]  日本の固有種で、本州の東北地方から中部地方と紀伊半島、四国、九州の屋久島まで。

[県内分布]  上北山村、下北山村、十津川村。

[記事] ダイモンジソウとの違いは、葉で判別するのがよい。葉の基部がダイモンジソウでは心形に対し、本種はくさび形乃至は切形。また、ダイモンジソウでは葉の表面に粗毛が見られるのに対し、本種では無毛の違いがある。ともに自生地も個体数も少なく、減少傾向にある。

 紀伊山地の山を歩いて 深山山岳に赴き 足もとや道の傍らの 草花に出会うのは 実に楽しい 何れの花も やさしく迎えてくれる ことに印象深く 登りに差しかかって 意識されるのは ユキザサ タニギキョウ ヒメレンゲ ワチガイソウ マイヅルソウ イワカガミ ヒメイチゲ カラマツソウ コミヤマカタバミ コイワザクラ ツマトリソウ ヒメミヤマスミレ イワキンバイ キンレイカ ツバメオモト サンカヨウ オノエラン カニコウモリ キッコウハグマなど そして ダイモンジソウやウチワダイモンジソウが この一群の中に加わる


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