大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2015年02月04日 | 写詩・写歌・写俳

<1248> 立 春

      立春や 鴨の恋歌 聞きに行く

  四日は立春。旧暦の昔はこの日前後に当たる新月の日が一年の始まりだった。季節で言えば、春の始まりで、春は五月上旬の立夏まで、夏は立夏から八月初旬の立秋まで、秋は立秋から十一月初旬の立冬まで、冬は立冬から立春までと、それぞれ三ヶ月間である。

  立春は寒い冬から暖かな春へ向って進む初めの日であるから希望のようなものがある。立春寒波などと言われるようにこの時期は案外寒く、「暦の上の春」と言ったりするが、今日は寒さも一休みといったところで、日中は日差しもあって暖かく感じられた。で、立春の写真は何にしようかと思い、このところ、あまり日差しがなかったので、日の光を撮ってみようと、馬見丘陵公園の池に沿って歩いてみた。

                

  水面の波が陽光を反射して、きらきらと輝いていたが、立春と聞くだけで何かその日差しを反射する水面にも明るさと暖かさが感じられたのはその言葉による気分からだろうか。しかし、日脚は確かに延びている。これからは三寒四温を繰り返しながら暖かくなって行く。  水がぬるんで来ると水辺の生きものたちも動き出す。鴨には十分な餌を摂って体力をつけ、北帰行に備える。冒頭の句は、春の気分をペアの鴨に重ねる気分によった。 写真は立春の日の鴨と陽光を受けて輝く水面(馬見丘陵公園で)。 では、今一句。   立春や 勢ひづける 鴨の群

 


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