<3813>奈良県のレッドデータブックの花たち(237)ベニバナヤマシャクヤク(紅花山芍薬) ボタン科
[学名] Paeonia obovata
[奈良県のカテゴリー] 絶滅寸前種(環境省:絶滅危惧Ⅱ類)
[特徴] 山地に生えるヤマシャクヤク(山芍薬)の仲間の多年草で、高さは30~60センチになる。葉は2回3出複葉で、2~3個が互生する。小葉は倒卵形。花期は5~6月で、ヤマシャクヤクよりやや遅れて開花する。花は直径4~5センチで、萼片は3個、花弁は5~7個で、上向きに半開する。雄しべの葯は黄色で多数。雌しべは2~4個で、雌しべの柱頭が長い特徴がある。実は袋果。秋に熟し、裂開して黒紫色の種子を現わす。
[分布] 北海道、本州、四国、九州。国外では朝鮮半島、中国東北部。
[県内分布] 天川村、御杖村。
[記事] 全国的に減少している植物の一つで、環境省も注目している。紀伊山地は昔から産地として知られ、紀伊山地の諸山を踏査した幕末の紀州藩士畔田萃山はヤマシャクヤクについて「花に白色、淡紅色の2品有り、形は芍薬に同じくして小さく単弁なり」として、ベニバナヤマシャクヤクに触れている。
近年、大和地方(奈良県域)でも天川村と御杖村の一部でしか確認されていない。減少要因は園芸用採取や植生の遷移。シカの食害もあげられている。 写真は花を咲かせるベニバナヤマシャクヤク(左)と花のアップ(中)、裂開した袋果。
生きて存在しているということは
時の先端にあることを意味している
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