大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2013年10月12日 | 祭り

<770> 秋 祭 り

          秋日和 祭り太鼓に 誘はるる

  近年の気象状況は、夏が非常に暑く、冬が暖かく、春と秋が短く、四季にめりはりのない感じを受ける。今年は猛暑が続き、十月に入っても真夏日になるといった具合で、暑さに辟易した年であった。で、未だに半袖が仕舞えないが、月日は確実に移り行き、大和は秋祭りの季節である。

                                                      

 秋祭りというのは、神社を単位に昔から行なわれている地域の祭りが主で、稔りを祝い感謝する収穫祭、または感謝祭の趣が色濃い祭りである。これは、農業など第一次産業が暮らしの主流であったころからの習わしであるが、近年、会社勤めの人が増え、一同に会しやすい休日に祭りが行なわれるようになったため、十月の連休を祭りに当てるところが多くなった。

                                      

 ということで、大和(奈良県下)では十二日からの連休に秋祭りが集中しているようである。祭りは神さまを迎える初めの日の宵宮と神さまと共に過す本番の本宮の二日間行なわれるのが普通で、今日十二日(土)は連休初日に当たり、宵宮のところが多く、斑鳩の里でも龍田神社と斑鳩神社でこの秋祭りが始まり、十二日の今日は宵宮だった。

                            

 斑鳩の里の秋祭りは着物や法被姿の男衆が太鼓台を担いで練り歩くのが特徴で、両神社合わせて七基の太鼓台が繰り出した。中でも斑鳩神社の祭りは神社から二キロほど離れた法隆寺境内に御旅所があり、神輿に乗った神さまがこの御旅所までお出ましになり、それを祝って各町の太鼓台が法隆寺境内に集結して練るというものである。

 この斑鳩神社の秋祭りを見ていると、この日は神仏、つまり、神さまと仏さまが一体で見られる日で、神仏融合の和に基づく精神が法隆寺という古いお寺に展開しているということが思われる。多神教である我が国の民族的宗教観あるいは風土的信仰心というものがこの光景の背景にはあるのだろう。こういうのは誰かの尽力がなくては叶わないからそういう経緯も考えられる。明日十三日の本宮も晴れるようなので、何よりである。

  写真上段は法隆寺境内に入る斑鳩神社の神輿。写真中段は左が法隆寺境内で練る斑鳩神社の太鼓台。右は終結した斑鳩神社の太鼓台と神輿に観光客も加わり、一杯の法隆寺東参道(後方は夢殿)。写真下段は三枚とも町中を練る龍田神社の氏子たちによる太鼓台。


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