大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2018年12月14日 | 写詩・写歌・写俳

<2537> 余聞、余話 「季節外れの冬の花」

      春咲きの花がやたらに咲ける冬異様ならずや現代(ぼくら)の目には

 この間スミレの帰り花に触れたが、このところ季節外れの花がそこここに見られる。やはり地球温暖化による暖冬によるものか。この光景はその勢いの現れと思えるが、はっきりした要因がわからないということで、何だかんだと意見が出て、議論がまとまらず、国家的エゴも見え隠れして、この問題に進展が見られないというのが世界の現状になっている。

 今年の漢字一字に「災」が選ばれ、このほど発表されたが、「災」はわざわい。即ち、私たちに及ぶ害をいうもので、その「災」は天変の自然災害から人間による人災までさまざまだが、その要因が根本のところではっきりしないことが多い。今年は夏が猛烈に暑く、洪水や地震等による災害が際立ち、猛暑も洪水も地球温暖化の影響というのが、常識的見解になっているが、全てを納得させるに及んでいるかと言えば、のんきに構えている御仁もいるというのが現状である。。

          

 災害はある一定の規模を超えると起きる。多分、災害の前には何らかの予兆があったはずで、その予兆を私たちが見逃したということが思われる。不意に何の意識も備えもなく、災害に直面し、右往左往しているというのが、科学の進歩が著しい昨今の被災地の光景である。これが災害時の毎度の光景であるが、今年は日本列島のそこここで立て続けにその光景が見られたということである。あらかじめ察知出来たら、被害を最小限に抑えることが出来るが、それが出来ていないのが現状で、言わば、これは各国の足並みが揃わない地球温暖化の問題への取り組みにも通じているように思える。

 要因が定かでないにしても、地球温暖化も災害も実際に起きているということにおいては間違いのないことで、現代はこの問題に直面し、悩まされていると言える。思えば、このことは人間に影響が及ぶ前に、人間より弱く、影響されやすい小動物や草木に現れるはずで、この点をして言えば、小動物や草木の異変に気づくことも大切なことであるということが出来る。

         

 例えば、季節を違えて花を咲かせる草木がやたらに多く見られるというようなこと。この一見何でもないような現象も、災害に通じているかも知れない。もちろん、その季節外れの花に異様を感じるか、感じないかはそれぞれであり、そこに意見の一致がなされないというのが、人間社会の思うに任せられないところで、被害当事者などには後悔の念も生じて来るところとなっているということが出来る。

 では、何かを語りかけているような様相の野の花たちをあげてみよう。大した理由によるものでなければ、それに越したことはないが、異様は異様として見る必要がある。写真の上段左からカンサイタンポポ、ムラサキカタバミ、ハコベ、オオジシバリ。下段左からモチツツジ、コマツヨイグサ、シロツメクサ、ユキヤナギ。以上であるが、この中で外来種はコマツヨイグサ、ムラサキカタバミ、シロツメクサの三種。そして、通常、夏から秋が花期のコマツヨイグサ以外はみな春に花を咲かせるものばかりであるのがわかる。

 また、花の色は黄色と白色を基調にした全体に明るい印象がある。草本では多年草、木本では低木という具合で、みな日当たりのよいところに見られるものばかりである。これらの草木の花は、地球の自然現象に敏感に反応している結果の現れと見られる。そして、このような草木の花がやたらに多いことから何を感じ、何を悟るかが私たちには試されているようにも思われたりする次第である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿