大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

日ごろ撮影した写真に詩、短歌、俳句とともに短いコメント(短文)を添えてお送りする「大和だより」の小筥集です。

大和だより ~写詩 写歌 写俳~ 小筥集

2021年10月20日 | 植物

<3563>「大和の花」追記(1162) ヒメキンミズヒキ(姫金水引)         バラ科 キンミズヒキ属

                         

 山地のやや湿潤な林内や林縁に生えるキンミズヒキの仲間の多年草で、茎や枝が細く、高さが30センチから60センチと仲間より全体に小さい。葉は奇数羽状複葉で、小葉は3個から5個。先端の3小葉は楕円形乃至は倒卵形で、大きい。小葉の縁にははっきりした鋸歯が見られる。葉裏には腺点があるが、少ない。

 花期は8月から10月ごろで、茎や枝の上部に直径5ミリほどの小さな黄色の5弁花を下から上へと順次咲かせる。花弁はキンミズヒキより細い長楕円形で、丸みに欠ける。雄しべは5個から8個で、仲間の中では少ない。

 北海道、本州、四国、九州に分布し、国外では朝鮮半島に見られるという。大和(奈良県)では山道で見かける。 写真は花期のキンミズヒキ(枝が見られないのは若い株だからだろう)。花序のアップ(中)。葉の部分(右)。いずれも天川村の観音峰登山道。

   見るにつけ聞くにつけその個々の存在にして名称はある