<3292> 奈良県のレッドデータブックの花たち (7) アブラシバ (油芝) カヤツリグサ科
[学名] Carex satsumensis
[奈良県のカテゴリー] 希少種(旧無指定)
[特徴] 山地の砂礫地や崩壊地、川原などに生えるスゲの仲間の多年草。細長い地下茎があり、群落をつくる。葉は線形で、やや硬く、根際から叢生する。花茎は3稜形で、高さは10~20センチ。花期は4~5月。雌雄同株で、茎頂に円錐花序を伸ばし、淡緑色の小穂を多数つける。小穂の先端部に雄花、下部に雌花がつくが、雌花が圧倒的に多い。実は狹卵形で、長い嘴状の突起がある。花穂が油気を含んでいるように見えるのでこの名がある。
[分布] 本州の福島県以西、四国、九州。国外では台湾、インドネシア、フィリピン等。
[県内分布] 御所市、東吉野村、川上村、十津川村。写真は東吉野村の明神谷の洪水跡の崩壊地で見かけたもの。
[記事] 写真撮影時は明神谷を明神滝経由で明神平までの往復を歩いた。アブラシバは洪水の爪痕が残る谷筋の崩落場所の足元に見られた。花への関心がなく歩いていたら見逃していたと思う。写真を撮った後、調べてみたらレッドリスト入りしていた。 写真は花期のアブラシバ。
花は時と所のもの
時と所を違えると
花には出会えない