<3279> 写俳百句 (31) ソシンロウバイ咲く
蝋梅やマスクを外し花に寄る
ロウバイはロウバイ科の落葉低木で、漢字では蝋梅または臘梅と書く。蝋梅は漢名の蝋梅の音読みによるもので、ウメとほぼ同時期に咲く花に芳香があり、やや光沢があって蜜蝋に似るからという。一方、臘梅は旧暦十二月の臘月に花を開くからという。カラウメ、トウウメ(唐梅)の名でも知られる。江戸時代のはじめ、中国から渡来し、観賞用に庭や公園などに植えられて来た。
花は内側が暗褐色、外側が黄色で芳香がある。馬見丘陵公園では花全体が黄色のソシンロウバイ(素心蝋梅)が三部から七部咲きほどに開き、よい香を漂わせている。新型コロナウイルスの影響甚だしく、公園を訪れる人はほとんどがマスク姿。花に近づくとマスクを外し、スマホをかざし写真に収めていた。 写真は青空の下で花を開いたソシンロウバイ。黄色の花冠と冬晴れの青空は補色関係にあり、よく映えて見える。