<1490> 光 と 影
冬日差し 影が語らふ 築地塀
影というのは光によって生じる。自然で言えば、光は概ね太陽光ということになる。ということで、自然に出来る影は太陽光によって出来る。月の光も太陽光の反射によるから月影にも言える。影の濃淡は光の強弱に相当するので、自然に出来る影は太陽光の加減によるということになる。太陽光は四季によって異なり、夏と冬では太陽の位置関係により、夏よりも太陽が南に低く位置して運行するため影はより長く、印象深いものになり、私たちの目につくことになる。
このことをして言えば、影は光を表すとも言えるわけで、自然に出来る影は太陽光、即ち、日差しを表すものとも言える。で、冬に影の出来るところというのは、言わば、陽光の及ぶところで、こういう場所では、冬日でも溢れるほどの陽光と言ってよく、暖かさが感じられるということになる。
今回はそういう太陽光とその影を求めて歩いた。影のおもしろさは光によって生じるもので、前述のごとく、光の強弱は影の濃淡に現われ、言わば、光と影は順じてある関係と言える。つまり、光は影の生みの親であり、影は光の申し子であるということが言える。
冬日が差して濃い影が見られるような場所で、何故か暖かさが感じられるのは、冬日の日差しによる体感的な要素もさることながら、その光景自身にも暖かさが感じられるからである。 このように私には思える。写真上段は築地に影を落とす桜の裸木。写真下段は影を引いて模様になる枝折り戸(左)と民家の影がくっきりとした集落の道(右)。 ダンスかな鬼ごっこかな築地塀に 枯木の影が遊ぶ冬の日