<1401> 大和山岳行(18) 和 佐 又 山
枯れし花 にも姿あり 形あり
朝晩冷え込むようになり、一週間前に比べると、季節が進んだ感じがする。今日は上北山村の和佐又山(一三四四メートル)に登った。和佐又山は大峰山脈の北を代表する大普賢岳(一八〇〇メートル)の登山口に当たる和佐又山ヒュッテを抱く円錐形の山で、大台ヶ原方面から遠望すると、大峰山脈の懐に位置し、その円錐形によって、その位置が確認出来る山である。
ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ、オオイタヤメイゲツ、ホオノキなどの落葉高木にツツジ類などの落葉低木、これに、モミやヒノキなどの針葉樹が点在して混じり、山は全体に落葉樹林で占められ、紅(黄)葉が見られる山であるが、今年は紅(黄)葉の進み具合が早く、ほぼ終わりを見せ、山は冬に向かっている感じがあった。
秋の花も一段と冷え込む中、見られるのはキッコウハグマくらいで、後はアザミにしても野菊にしても咲き残ったという段階で、枯れたものや実になったものなどが見られた。冬は雪の多いところで、大人の腰辺りの高さまで積雪があるため、奈良県では珍しいスキー場になるという。本格的なスキーには距離が短くて無理なようであるが、子供に人気があり、家族連れの利用が多いという。
大半が落葉樹の山なので、四季折々にその変化が楽しめるような感じがした。ヒユッテを起点にすれば気軽に登れる山である。健脚には足を延ばして大普賢岳から国見岳、七曜岳などを巡れば山岳の雰囲気が味わえる。また、笙ノ窟など大峯奥駈の修験道の行場などを訪ねることも出来る。 写真は左からすっかり葉を落とした和佐又山山頂付近の木々(後方は大普賢岳方面)、落葉に敷き詰められた和佐又山の登山道、かわいらしい花をつけたキッコウハグマ、枯れたノリウツギの花、赤い実をつけたミヤマシキミ。