遊木民のアトリエ

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駒板の作成

2006-03-21 | 木工の部屋
先日蕎麦打ち仲間から、駒板の作成依頼がありました。

 駒板は蕎麦を切るとき定規の役目をし、細打ちの時は必需品です。

 部材は2つだけですが、加工の工程はかなり多い物です。



 自動鉋盤を使い、桐の板を7mmの厚さに削ります。



 ルーターに4mmのストレートビットを装着します。



 駒板の枕(駒板の前の部分で高くなっている部分)の材料の、ブラックウオールナッツです。

 ルーターテーブルを使い、幅4mm、深さ4mmの溝を掘ります。



 テーブルソーで溝を切った枕の部材を切断します。
 
 これは小さい部材をルーターテーブルで加工するのは危険なため、大きい部材のうちルーター加工するようにします。



 ルーターに大口径のストレートビットを装着します。



 ルーターテーブルで桐の板に4mmの段欠をつくります。

 枕の溝に差し込むホゾになります。



 ドレッサーとサンドペーパーでホゾを調整し、枕の溝に入るようにします。



 接着剤を塗布し、溝にはめ込みます、ゴムのハンマーでしっかりたたき込みます。



 テーブルソーで規定の横幅に切断します。



 ルーターにフラッシュトリミングビットを装着し、枕の裏にはみ出ている部分(ぴったりのサイズで作ると誤差が出ますので大きめに作り、最後にサイズを合わせます)を削ります。



 ルーターテーブルで切削します。本体の桐の板に合わせて枕材を削る、この加工を倣い加工といいます。
 



 鉋とドレッサーで底の部分にテッパーをつけ、さらに後部の角を取り、駒板が麺帯の上を滑らかに滑るように加工します。



 サンダーで全体をサンディングし、仕上げます。



 駒板3枚ができあがりました。

 枕の高さが20mm程度の中級者用の駒板です。

 部材が2個だけの単純な道具ですが、加工工程が意外と多く、加工精度も要求されます。
 大きな武器になるのがルーターテーブルです。

 手作業では不可能な加工も精度高く、簡単に行えます。

 アマチュア木工家にとっては必須のアイテムだと思っています。

 因みにこのルーターテーブルは、デコラのテーブルを利用して以前自作したものです。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
頷きながら 素晴らしい (磯のすー)
2006-03-21 14:35:07
なるほど、なるほどと頷きながら・・・見事なものです。切られるお蕎麦さんがきっと一番喜ぶと思います。
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愛用しております (そース)
2006-03-22 05:46:05
これまでの3個(機、器、本?)を

自宅と教室、さらに枕の低い物を細切り用に

使っております。

枕と桐の色合いが気に入っております。

単純に見えますが、製作の気遣いが解かりました。大切にします。



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駒板 (遊木民)
2006-03-23 19:41:19
 磯の 様

 そば粉により、美味しい太さがあると思っています。切る太さにより3種類の駒板を使い分けています。





 そース 様

 制作の過程をご理解いただきありがとうございます。1~2ヶ月はどたばたしますので

ご了承下さい。
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