Vision&Education

木村貴志の徒然なるままの日記です。

大説と小説、志と夢

2013年01月16日 | Weblog
かつては、

君子が国家や政治に対する志を述べた
「四書五経」のことを「大説」と言っていました。

それに対して、

日常の出来事に関する意見・主張や噂話など
虚構・空想の話を書いたものを「小説」と言います。
これは、今日も生きている言葉です。

昔の人たちは、

「大説」と「小説」という対比の中にも、
「志」と「夢」とを対比させていたのです。

「夢」と「志」とは、異なるものとして
はっきりと認識していたということでしょう。

今、「大説」という言葉は死語になっています。
「小説」という言葉に対概念があったことすら、
私たちは民族の記憶から抹消してしまっていたのです。

それは、

私たちが、「志」という言葉を使わなくなり、
「夢」との区別を失ったことと全く同じことのように思います。

国家や政治に対する志を持つことを忘れ、
虚構と空想の中で漂うように生きている。

つまり、

「大説」としての人生を生きることを忘れ、
「小説」としての人生しか生きられなくなってしまった。

私たちが実践している「志の教育」とは、
ひょっとしたら、
「大説」という言葉に、
命を取り戻すという取り組みになるのかもしれません。

コメント
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