東京多摩借地借家人組合

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30年以上前に行った増築を無断で行ったと地主の代理人が因縁

2019年11月25日 | 賃貸借契約
 稲城市の借地76坪を父親から今年相続した加藤さん(仮名)は、地主に相続したことを伝えたところ突然地代の値上げを請求され、どう回答したらいいか困っていたところ、今度は地主の代理人弁護士から「ご連絡」という通知が送られてきました。地主が高齢化したことで財産の整理をしているので、底地を買い取ってほしいとのこと。それだけでなく、地主の知らない間にアパートを無断で増築している。無断転貸、無断増改築で契約違反をしている。契約解除することまで考えていないが、地主の底地の買取りについての意向を聞かせてほしいので代理人の弁護士まで連絡してほしいとの内容でした。

 父親が増築をしたのも30年以上前の話で、加藤さんにとってはまったく寝耳に水の話です。地主の先代も現地主も近所に住んでいて父親が無断で行うはずもなく、30年以上も経過して「無断増築」と言ってくることは不自然な話です。また、借地上の建物を貸しても「無断転貸」には当たらず、地主の代理人の弁護士は借地人が法律を知らないと思っているのか、契約違反は因縁にすぎません。加藤さんは9月の組合のセミナーに参加して、その場で入会しましたが、早速、やっかいな問題が発生しました。

 加藤さんの母親は高齢で老人ホームに入所し、とても底地を買い取るだけの経済的な余裕もなく、かといって建物を解体して、土地を更地にして返すにもお金がかかります。組合では「無理して底地を買い取ることはなく、場合によっては地主と共同して借地権と底地権を業者に売却する方法もある」とアドバイスしました。地主の代理人の弁護士の話は、因縁をつけて底地を高く買い取らせようとする魂胆かもしれず、無断転貸・無断増築などの主張に惑わされないように伝え今後も組合と相談しながら対応することになりました。
(組合ニュースより)

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