花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

贈り物か、毒か

2020-07-12 16:17:41 | Weblog
 ゲルマン語系の言語では、“gift“に「贈り物」と「毒」の2つの意味が与えられていたことを、文化人類学者のマルセル・モースは指摘しています(「贈与論」岩波文庫)。モースはまた次のようにも言っています。「贈り物を受け取るということ、さらには何であれ物を受け取るということは、呪術的にも宗教的にも、倫理的にも法的にも、物を贈る側と贈られる側とにある縛りを課し、両者を結びつけるものである。」

 人から物をもらうと縛りを課され、それは負い目となります。さて、昨年の参院選でお金をもらって票の取りまとめを依頼された広島の首長や議員の中から辞職者が出ています。一方、お金を渡したとされる河井克行・案里夫妻は自民党こそ離党したものの、未だ議員にとどまっています。

 思うに、もらった方は断りきれずに悪事に加担してお金をもらったことで負い目が生まれ、良心の呵責にさいなまれやすくなったのかもしれません。渡した方はそもそもが確信犯なので開き直ってしまえば、あとは自分可愛さで自己保身に走るだけです。辞職した人たちはとんだ毒饅頭をもらったものです。そして、河井夫妻に1億5000万円を渡した自民党は頬っ被りして知らぬ態。「触らぬ神に祟りなし」と言いますが、「もらわぬ金に祟りなし」で変なお金には気をつけたいものです。

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