花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

ベストな決断をしたとしても

2024-07-04 07:40:00 | Weblog
 不測の事態により日常が崩れることがあります。深刻なものはめったにないかもしれませんが、まったくないわけでもありません。例えば、能登地震のように日常が全く奪われるようなことは、大半の人には一生遭遇することはないでしょう。でも、突然の病気やトラブルでそれまでの当たり前が当たり前でなくなることは、もう少し確率が上がってきます。

 日常が崩れた時、それを立て直そうと、取りうる選択肢を比較吟味し、何らかの判断、決断をします。上手くいけば日常を取り戻し、上手くいかなければもう一度吟味、決断をするか、崩れた状態を新たな日常として受け入れるかです。

 さて、ベストな決断により不測の事態を収拾し、日常が回復した場合でも、それでずっと安泰とは言えません。いったん良くなったように見えても、私たちでは考えも及ばない理由でまたまた不測の事態が起こることは十分にありえます。回復した日常の中に、実は日常を壊す種が潜んでいることもあるでしょう。だからこそ「不測」なのです。

 その時、選択肢の吟味が足りなかったのではないか、もっと違う選択をしておけばと後悔しても、何ら状況の改善にはなりません。後悔するのではなく、決断をしたあの時に戻るのが上策だと思います。決断に際しては、選択肢を考え、絞り込み、決断をします。その過程で、判断の軸というか、価値の優先順位というか、いわば人生のメートル原器が鍛え上げられているはずです。そこに立ち返って、今一度人生のメートル原器に照らして、またじっくりと決断するほうが、「あの時こうしておけば・・・」と思うより、問題を乗り越える道が断然開けてきます。

 それから、「ベストな決断をしても、それですべて方が付くものじゃない」と心の片隅にでも思っていれば、後悔へ向かう心の傾性にブレーキをかけ、レジリエンス(折れない心)を高めることにつながっていくように思います。前向きな開き直りとでも呼べるでしょうか。世の中、片づけても、片づけても、また何かが出てくるものです。