花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

星野道夫

2006-03-01 01:38:20 | Book
 このところ毎朝とまではいかないが、週のうち何日かは「Michio's Northern Dreams」(PHP文庫)を数ページ、パラパラと眺めてから仕事へ向かっている。この本は、星野道夫の数ある文章の中からきらめきをひとすくい、あるいはふたすくいして、彼が撮ったアラスカの写真の間にちりばめた、全6巻からなるアンソロジーである。
 このシリーズの第3巻「最後の楽園」に次のようなことばがある。
「一生のうちで、オオカミに出会える人はほんのひとにぎりにすぎないかもしれない。だが、出会える、出会えないは別にして、同じ地球上のどこかにオオカミのすんでいる世界があるということ、また、それを意識できるということは、とても貴重なことのように思える。」
 このことばは、「長い旅の途上」(文春文庫)所収の「遠吠えは野生を誘う」からのものだと思うが、私には星野道夫のような感性を持った人間が自分とそんなに違わない時代を生きた(過去形で言わなければならないのはつらい)ことが、とても貴重に思える。


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