花・伊太利

日々の生活に関する備忘録です。

三つのお願い

2020-03-21 18:08:08 | Weblog
 ニューヨークであった恐怖の事件をご紹介します。
 ある黒人ホームレスの前に神様が現れ、「三つのお願いを叶えてやろう」と告げました。喜んだホームレスは叫びます。「白くなりたい、女たちの話題の的になりたい、いつも女の股ぐらにいたい。」すると、たちまち男の姿は跡形もなく消え去り、あとには小指ほどの大きさの白いタンポンが落ちていたとか。

 言うまでもなく、これは本当にあった話ではありません。米原万里さんのエッセイ「三つのお願い」の中の小咄です。このエッセイで米原さんの言わんとしたことは、神様に願いを伝えることは難しい、つまり自分が考えていることを言葉で表現することは難しいということでしょう。文筆業のほか翻訳や通訳でも活躍し、言葉と深く関わってきた米原さんであればこそ、言葉によってイメージを伝える難しさを常々感じていたのだろうと思います。

 さて、私も休日の暇つぶしに三つのお願いを考えてみました。虚空をにらみ「何が良いか」と思っていたところ、同じく暇を持て余していた神様がいたとみえ、「よろしい、何なりと申してみよ」の声が聞こえてきました。そこで、「新型コロナウィルスが終息しますように、世の中が平常に戻りますように、世界各地からTOKYO2020に多くの人が集まりますように」と願いを捧げました。

 翌日、新聞を開くと一面の大見出しに「東京五輪、コロナの影響で延期」の文字が!? 一体全体、神様への私の願いはどうなったのでしょうか。神様と交信出来る特殊能力を持った人に頼んで、何故私の願いが聞き届けられなかったかを探ってもらいました。その結果、オリンピックの代表選考会で選に漏れたとあるアスリートが、私の願い事の後に、「感染者が減らず、五輪は延期、代表選考はやり直し」と願ったことが判明しました。

 バカ正直と言うか、無節操と言うか、とんだ神様がいたものです。聞いたことを何も考えずに次から次へと叶えていたとは。呆れながらも、私はふと思いました。世の中は案外斯様にして動いているのではないかと。

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