ネットワーク・コミュニティと地域コミュニティ

『文化人類学』より

コミュニティの多様性

　文化人類学の研究では、コミュニティは地域性を基盤とする概念としてとらえられることが多かった。しかし、一口に地域性といっても、限定された比較的狭い地域に住んでいる集団もコミュニティであるし、国家もコミュニティの１つといえる。また、欧州共同体のように複数の国家を包摂している場合にも「コミュニティ」という言葉がつかわれる。さらに、最近のネットワーク・コミュニティのように、現実に一定の空間を占めるという地域性を基盤としないコミュニティ概念もある。

地域コミュニティ

　近隣集団も地域コミュニティの１つであるが、地域コミュニティはさらに広い範囲を包含する概念である。地域コミュニティの範囲には、さまざまなレベルがあるが、文化人類学ではマードックの定義である「対面的な関係の中で共住する人々の最大集団」を想定する傾向が強い。そのため、フィールドワークの対象も、たとえば村落のような、対面的なレベルの小規模な地域コミュニティにすることが多かった。

ネットワーク・コミュニティ

　近年の情報通信技術の目ざましい発達により、人々は遠距離にいる人とも容易に連絡を取り合い、情報を交換できるようになった。とくに、インターネットに代表されるコンピュータを用いた情報通信技術は、互いに離れた地域に住む人々が速くかつ安くつながることを可能にした。人々はこうした情報通信技術を用いて、地域に限定されることなく、共通の関心や目的を持つ人々と、ウェルマンが定義するところのコミュニティを形成している。このようなコミュニティをネットワーク・コミュニティという。コンピュータ・ネットワークは、ネットワーク・コミュニティを形成する手段の１つであって、ネットワーク・コミュニティの必要条件ではない。しかし、一般に「ネットワーク・コミュニティ」という言葉がつかわれる場合は、コンピュータ・ネットワーク上で形成されるコミュニティをさす場合が多い。

　ネットワーク・コミュニティは地域性が排除されているコミュニティ概念であるが、地域コミュニティと排他的な関係にあるわけではない。多くの地域コミュニティは、地域の中のネットワークを整備し、地域内にネットワーク・コミュニティをつくることによって、地域を活性化しようとしている。

ネットワーク・コミュニティと地域コミュニティの違い

　ネットワーク・コミュニティの成員は、コンピュータのネットワーク上でつながっていて、対面的な関係を持たない。したがって、ネットワーク・コミュニティには地域性だけでなく、身体性も欠如しているといえる。これは、成員が基本的には相互に顔を合わせる対面的な関係を前提としている地域コミュニティと大きく異なる点である。

　その他、地域コミュニティとの違いとして、ネットワーク・コミュニティの自発性と匿名性の高さがあげられる。地域コミュニティの場合は、原則として当該地域に居住していればコミュニティの成員権を得ることができるが、ネットワーク・コミュニティの成員権は自発的にネットワークに参加しないと得ることができない。また、ネットワーク・コミュニティは、地域コミュニティに比べて匿名性が非常に高い。地域コミュニティも範囲が広がるにつれて匿名性が高くなっていくが、ネットワーク・コミュニティの場合は、そのほとんどが匿名性を前提として形成されている。これは先に述べたように,ネットワーク・コミュニティが、成員相互が対面することのない、身体性を持だないコミュニティであるということと関係している。この匿名性には、人々が意見や情報を発信する際に伴う心理的負担を減らしてコミュニティに参加しやすくさせるという利点があるが、その一方で誹謗・中傷を行いやすくさせるという負の側面もあり、問題となっている。

共有（シェア）という解決策

『プレチュード』より

一九九八年に『浪費するアメリカ人－なぜ要らないものまで欲しがるか』（森岡孝二監訳、岩波現代文庫、二〇一一年）を出版したとき、ある一文が激怒にも似た反応を引き起こした。乗用芝刈機など、たまにしか使わないような高価な品物は、隣人同士で共有すればいいのではないか、という私の提案に対してである。しかし一〇年経った今、共同で所有されているのは芝刈機だけではない。トラクターや自動車でさえ、共有される時代になった。シェアリング・エコノミーが発進しようとしているのである。その最も有名な例が、カーシェアリングである。

この分野の先駆者となったのは、都市に住む利用者に対して車を短期間貸し出すというシステムを開拓した、アメリカのジップカーという会社である。ジップカーの創設者であるロビン・チェイスはさらに、相乗りサービスの会社、ゴロコを創設している。あるいはFreecycle.orgというオンラインネットワークの会員になると、モノをあげたい人と欲しい人がお互いにやりとりできる。http://isharestuff.orgでは、人と共有してもいい、と思う物品をオンラインのページ上に投稿し、同様のことをしている人と連絡をとることができる。これらの事例は、世界規模のシェアリング〔共有〕という潮流を後押しする二つの重要な動きの延長線上にある。一つ目が、インフォメーション・コモンズ、二つ目が土地、水、大気といった共有の資源の責任ある利用という動きである。シェア・ザ・ワールズ・リソーセズ、クリエイティブ・コモンズ、アイ・コモンズといった団体の原動力となっている精神は、普通の製品に対しても、同様に当てはまる。自転車の共同利用のシステムはヨーロッパでは広く受け入れられており、二〇一〇年にはロンドンでもプロジェクトが発足する予定である〔同年にスタートしている〕。

このシステムはアメリカにも根付き始めており、いまやワンントンＤＣ、ノースキャロライナ州チャペルヒル、ウィスコンシン州マディソン、コロラド州フォートコリンズなどの都市や地域で行われている。そのなかでも北アメリカ最大のプロジェクトがモントリオールのビクシーである（パリのヅェリブプログラムは、二〇〇七年に歓声に迎えられて始まったが、その後芳しくない報告が相次ぎ、この種の取組にありかちな欠点、すなわち一部の地域以外では、貸出にあたって保証金、会員制度、その他の何らかの盗難防止策が必要であることが明らかとなった）。道具の共同利用は、とくに低収入の共同体において長い歴史を持つもう一つの共有の方式である。これらの事例では、それぞれの物品は個人、会社、市や非営利団体が所有しているが、その利用は一般に開放されている。この方式の変種として、共同住宅のコミュニティなどで登場し始めた、分割所有権制度がある。いくつかの世帯が集まって、小さな道具だけでなく、自動車などの物品を共同で購入する方法もある。自動車の共同所有は、保険制度や損害評価、スケジュール調整方法が整備されている、スカンジナビアなどのヨーロッパの一部で実践されている。

以上の事例には、さまざまな所有形態（公的、私的、個人、共同）や資金面での取り決めがあるが、これらの根底には共通点がある。つまり、ある条件のもとでは、共有という形態は、独占的な私的所有に比べ、効率という面で明らかに優位なのである。共有は、原材料の節約になり、個人にとってはお金の節約にもなり、共同体の強化にも繋がる。とくに、対象となる物品が常に必要とされるものではなく、前もって必要となる投資（費用）が多く、使用によって品質が損なわれたり、私物化されたりすることがなく、（自動車のように）稼働や減価償却に伴う費用を個人に割り振ることができる場合、共有による便益は最大になる。その一方で、共有は経済学者がいう取引費用－－規則を作ったり、スケジュールを管理したり、トラブルを規制したりする労力と時間－－がかさむ、という難点がある（ただし、インターネットのおかげで、これらのコストは劇的に減少した）。ＢＡＵ経済下でのように、資金が豊富にあり、環境への配慮がなされず、時間が高価な場合は、私的所有へのインセンティブが働く。一方、〈豊かさ〉、すなわち、原料を節約して、時間が十分にある状態においては、共有の価値が高まるのである。

バリスタの笑顔

日本の価値判断がおかしい

　日産のリーフの宣伝はおかしい。電気自動車は静かだから、外音に気づくということになっている。歩けば、そんなものは分かるだろう。

　エコだから、たくさん乗ろうというのもおかしい。エコならば、乗るなよ。

　燃費が良くなったから、贅沢してもいいという、ダイハ危機感に対して、何をすべきかの方向が示されていない。ツのCMもおかしい。

　日本の価値判断が狂っています。

喉を痛めたバリスタの笑顔

　朝、喉を痛めたバリスタがスタバにいた。何しろ、満面の笑みです。話したいけどと小さな声で話していた。終始の笑顔が魅力的だった。

　昼間に寄ったときも、まだ、声が出ていなかった。大丈夫ですかと尋ねたら、ジェスチャーで元気！元気！と表現していた。憂鬱な感覚がなくなった。

　歯が壊滅状態で、昼食も食べられるものを選んでいた。

パートナーの仕事

　パートナーのネットワークプロジェクトが始まりました。私の思惑以上です。心が頑張れるように、最大限のバックアップを行います。

　どんどん、決めていって欲しい。

中野さんの行方

　中野さんから年賀状が還って来ない。来ない理由がわからない。去年から来ていません。かなりの生活環境の変化があったのか。いろいろなイメージが湧いてくる。

　サンタクロースの村からも一番高いクリスマスカードを出した。

　一度、関係者に電話で聞いてみようか。

生き方

　また、自分の世界に戻りましょう。もっと、自分のために生きましょう。

　自分のニーズからすると、何も欲しいものはない。だから何も買わないと言うことです。自分の居場所を固定しましょう。幻想を排除します。

　アナログでの手法を完成させます。何かしんどいですね。