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グーグルは進化か、退化か

未唯へ。Web2.0という言葉を知っていますか。新しいWebの環境で、世の中が変わるというメッセージだそうです。従来のWebとの違いは、ユーザーからの発信があり、それらが集まって、「知」の再生成を行うことらしいです。この一番の勝ち組がグーグルということです。

『グーグル革命の衝撃』007.35ニツを読みながら、グーグルは本当に進化なのか、を考えていました。グーグルは人類が知恵を生かすことを否定して、知恵を殺す道具ではないのか

私はグーグル大好きです。自分が貯めてきたものを掘り出してくれるツールです。だけど、自分の中にコンテンツがない人にとっては、自分の頭で考えなくなる道具ではないのか?

その本の中では、インターネットを通じて簡単に情報を手に入れられる時代の危うさについて警鐘を鳴らしている。学問的な疑いの直感は、その人の頭の中で多様な知が関連付けられ、構造化されて初めて働くものです。知を構造化することとは『常識を疑う確かな力』を養うことであり、大量の情報を保有することではない。

グーグルは、情報を整理する手段でしかなく、構造化された「知」とは異なるものであり、頭の中に相互に知が関係し合って全体像を作るという構造とは全く違う。

我々は、ある意味で大変に不幸な時代に生きている。苦しんで物事を調べ、思考し、やがて自らのオリジナルな発想にたどり着くという人生最大の楽しみをほとんど知らずに生きている。私にしても年に1500冊の本を読んでいる理由はこの楽しみと自分の使命のためです。答は自分の中にしかないと思っているから本を通して、会話しているのです。

この問題の怖いのは、人々が検索で見つけた情報を、自分のオリジナルなものであるかのように発信し、それが一斉に一つの方向だけに動きはじめていることです。こうした「ネット世論」が暴走したときに、知恵は殺されます。

グーグルでもう一つ恐いのは、資料とか本をアメリカに握られてしまうことです。バークレー図書館の調査からの帰りの飛行機の中で、そのような状態になった時に、日本の図書館はいかに対応するのかを真剣に考えていました。対応するためには、ローカルでの知恵を生かすことです。地方の図書館で地元と一緒に本を武器にすることです。人が出向き、本が並んでいるところから、自分の目で見て借りていくことです。
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