霜後桃源記  

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「権力の抑制的行使」を踏み外している

2023-03-12 19:06:09 | 社会
    以前、ビル・エモット氏(「エコノミスト」元編集長)が毎日新聞の「時代の風」
欄で、「日本政府はNHKを呪縛から解き放すべし」と主張しているのを読んで、
日本国民は既に「茹でカエル状態にある」と感じたことがあった。
   また、第二次安倍内閣時代、総務大臣だった高市早苗が放送局に対し「電波を
止める」と発言するのを聞いて驚いたことがあった。
  多分、今国会で話題となっている問題は、その当時の事かと思われる。

    安倍元総理と頻繁に寿司を食べていることから田崎スシロウの異名を持ち
「安倍の犬」とも称されている田崎史郎氏がTV局各局に頻繁に出演するのは
「官邸からの圧力によるもの」と思っていたが、そうでは無かったのかもしれ
ない。

  「サンモニ」を安倍が問題視することからTBSは「ひるおび」で田崎氏を準レ
ギュラー扱いして「バランスをとるアリバイ作り」をしていたのかもしれない。

 田崎氏は、以前から「私は事実を正確に伝えるのが使命」と主張していたが、
今回の問題に関しても「高市さんが捏造と言っているのだから捏造ではないか」
と平然とコメントしていた。


 三日前の古新聞になるが毎日新聞「社説」(2023.3.8)を参考に掲載したい。

「放送の自律をゆがめ、表現の自由を萎縮させかねない政治介入があった
 ことになる。ゆゆしき問題である。」
 放送法が定める「政治的公平」の解釈変更を巡る第2次安倍晋三政権内部
のやりとりを記した文書について、松本剛明総務相が行政文書と認め、公開
した。
 立憲民主党の小西洋之参院議員が先週公表した文書と同じものだ。報道の
自由に関わるとして、国会で野党が追及していた。
 焦点は放送法4条で放送事業者に求められている「政治的に公平であるこ
と」の解釈だ。政府は従来、事業者の番組全体で判断するとの解釈を取って
きた。
 しかし行政文書によると2014~15年、当時の礒崎陽輔首相補佐官が、特定
の番組を安倍氏が問題視していると指摘した上で、全体でなく一つの番組で
判断できるように、解釈の変更を総務省に迫っていた。
 礒崎氏も「政治的公平性について意見交換したのは事実」とツイッターで
認めている。
 実際、15年に当時の高市早苗総務相が、一つの番組だけでも公平性を欠い
たと判断し得るとの新しい解釈を示した。政府としても16年に「一つ一つの
番組を見て、全体を判断する」との見解を出した。
 松本総務相は「放送行政に変更があったとは認識していない」と強弁し、
16年の見解についても「従来の解釈を補充的に説明したもの」と繰り返して
いる。
 だが、行政文書を見れば、官邸の働きかけによって変更が行われたのは
明白だ。
 放送法の根幹に関わる。本来なら官邸と総務省間の裏交渉ではなく、政府
の審議会に諮るなどの手続きを踏むのが筋ではないか。
 担当閣僚だった高市氏の責任は重い。にもかかわらず、「捏造(ねつぞう)
で不正確」と主張し、自身に関する記述が事実であれば、議員辞職すると開き
直っている。
 放送法は第二次大戦後、戦争中にラジオ放送が政府の統制下に置かれ、
国民の動員に利用されたことへの反省から制定された。
 表現の自由や国民の知る権利に直結する重大な問題だ。政治が番組に圧力
をかけようとするに至った経緯について、当事者は国会で説明すべきだ。 

(追伸) 朝日新聞「論座」(2023.3.10)より抜粋
 「放送法の曲解に立ちはだかった山田真貴子氏に拍手!」

 報道の自由や言論の自由の圧殺が、戦前の日本に国策を誤らせたことを考え 
れば、それがいかに珍奇な思想や言論であっても、権力によって封じ込めるべ
きではない。
 粗悪な番組は視聴者によって切り捨てられるはずだ。
 ロシアや中国における報道規制が、国や世界を破滅に向かわせかねない危険
性を内包していることを考えれば、そうした方向に一歩でも踏み出すことを、
われわれは思いとどまるべきだ。
コメント (2)
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