たとえ親しい人でも金の貸し借りをすると「トラブルになり人間関係を
駄目にする」と子供の頃から学校等でも教わっていた。
しかし、高校時代の恩師は、「困っている友人が居たら助けたくなるのは
人情。プレゼントするつもりで貸せば、戻って来なかったとしても腹が立た
ない」と話していた。
サラリーマン時代も今も金を貸す余裕などない生活をしているが、それで
も貸した経験は何度かある。
私の稼ぎは悪かったが、妻が「やりくり上手」だったので、それが可能と
なった。
バブル期に持ち家を取得した親友が、バブルが弾けてローンの返済に窮した際、
二百万円ほど用立てたことがあった。
恩師の教えに従い「あげる」覚悟はしたものの、返済されるまでは心配だった
のが本音。
しかし、律儀な友は五年の分割払いで全額返済してくれた。
あれから２５年、二人の信頼関係は今も維持されている。
