Blackwing
米海軍は攻撃型原潜にULUAV(水中発射可能なUAV)の配備を進めているが、インドのラーセン&トゥブロ(L&T)もインド海軍向けにULUAVを開発すると発表して注目を集めている。米海軍は攻撃型原潜の戦場認識力を改善するため2017年10月に徘徊型弾薬「Switchblade300」ベースの水中発射型UAV「Blackwing」開発を米エアロバイロメントに発注、これを攻撃型原潜で使用した結果「潜望鏡とソナーに限られた戦場認識力が大幅に拡張され有用である」と確認されたため2021年3月にBlackwingを120機発注、本格的なULUAV導入に着手した。
Blackwingのスペック等は明かされていないが、Switchblade300ベースなので非常に小型なためレーダーに捕捉される危険性が低く、動力に電動モーターを採用しているので赤外線シグネチャの発生も微弱という特徴を備えており、GPSと慣性航法システムを活用して自律的な哨戒飛行中にEO/IRセンサーで収集した情報を戦術データリンクを通じて潜水艦に送信するという仕組みらしい。
Blackwingは専用のキャニスターに収納され潜望鏡深度の潜水艦からデコイ発射装置を使用して海中に放出、海面にキャニスターが到達すると空中に向けてBlackwingを射出するという方式で運用されるため、キャニスターを事前にバラ撒いて潜水艦が当該海域を離れた後にBlackwingを空に射出するといった芸当も可能で、潜水艦側はBlackwingが送ってくるデータを受信するだけ=位置がバレるリスクは低いと言われている。
さらにBlackwingには戦術データの中継機能が備わっており、UAV、USV、UUV、水上艦といった味方戦力と情報を共有するためにも使用されるらしい。
ラーセン&トゥブロ(L&T)が先月末に発表したインド海軍向けULUAVプログラムもBlackwingと同様の特徴を備えており、このニュースを報じた英国のJanesは「米海軍がBlackwingを120機発注したことでULUAVの開発に世界的な関心が集まっている」と指摘している。
@是非、我が国の優秀な潜水艦も取り入れてくださいませ。