地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

ぽっんと一軒家強盗事件

2024-05-23 04:18:42 | 地域


 長く山北の丹沢の山中で暮らしていた。お隣のない、山の中のポツンと一軒家である。子供の頃は山梨県の藤垈の一番奥のお隣のない一軒屋のやま寺に暮らした。山奥から遠く街が見えるという暮らしである。いつも別世界を眺めているような暮らしだった。
 
 山の中の暮らしの楽しさは知っているつもりだ。食べ物を作り、採取する自給自足の楽しさ。川をせき止めての魚取り。沢ガニ取り。暗いうちから起きての竹の皮を拾う。箒草取り。竹の枝での箒作り。そして鶏を飼う、ミツバチを飼う。山羊を飼う。犬や猫が居る。生き物と共に暮らす楽しさ。

 自給の暮らしをするようになったのも、山の中が好きだったからだ。向昌院での暮らしは、山の中ながらかなり不安はあった。戦後のもののない時代だったから、田舎の山村でも泥棒が結構いたのだ。明日の食べ物がないのだから、お寺のものならと言うことで、お泥棒さんが来ることになる。

 向昌院では精神病の患者の宿泊施設もやっていたので、様々な人が出入りをしていたと言うこともあって、患者さんが起した殺傷事件も起きたことがある。お寺はある意味福祉施設的な物でもあったから、食べるものが無いお乞ん食さん(そう呼んでいた)が、食べ物を貰えないかと来ることも時々あった。

 この時代になって、山の中で強盗事件が起きたのだ。ぽっんと一軒家強盗事件と報道された。栃木、長野、群馬、福島県で4月30日~5月14日、山間部で、住宅を狙った緊縛強盗事件が相次いで発生。4県警は情報交換をしながら、容疑者の絞り込みを進めた。そしてベトナム人の2名が捕まった。

 この事件が報道されたときから、外国人が関係していると思えた。そうした先入観を持っていること自体が申し訳ないことだが、日本人ならばそんな馬鹿馬鹿しいことをするとは思えなかったからだ。山中の家に、盗んでお金に換えられるような物品があるとは思えない。キャシュレスの時代だ。お金も置いては置かないだろう。

 日本人であれば、そういう辺りの事情はだいたい考えて分るだろう。もし山の中で、盗んで価値のあるようなものや現金がおいてあるのならば、当然それなりの対策がしてあるはずだ。防犯は完璧にした上で、セコムと契約ぐらいしているだろう。上手く行くはずがない。

 だから、可能性があるとすれば、キャッシュカードや通帳を狙うことになる。そんなことをしても、現金を引き出す現金引き出し機で足がつく。今回の強盗事件もすぐに、警察がキャッシュカードの交換に来る強盗犯を、待っていて捕まえる準備をしていてのだろう。割合簡単に捕まったのだ。

 しかし、この事件で分ったのは、山の中とは言え、かなりの防犯カメラがあり、そこに犯人の乗っていた車が移っていた。それを調べて行くとだいたいの足取りが見えてきたのだ。防犯カメラ設置反対という、国の監視を嫌う人が居たが、もうそれどころではない防犯カメラ設置賛成だ。犯罪抑止力になっている。

 外国人が犯罪に関係すると、どこか発想が違うのだ。あの山の中に暮らしているのだから、何かあるだろう。簡単に押し込めるだろう。近所に家がないのだから、見つかりにくいだろう。それくらいあやふやな情報で安易に犯罪を犯す可能性がある。

 今回殺さなかったからまずかったというので、この先強盗殺人になりかねない。これから人口減少時代に入る。ポツンと一軒家暮らしでは、病気や事故の可能性もあるから、行政機能として連絡の受け手を担う、定時連絡機能が必要になる。

 何か価値観や、行動原理が違うようだ。だから、申し訳ないが外国人が関わっていると想像してしまったのだ。移民社会になれば、日本も安全な国ではなくなる。外国と同じになるのは当たり前だ。企業の論理で外国人労働者が導入が進んでいるが、暮らしの安全性に対して、どう責任は取ってくれるのだろうか。

 今度出来た永住許可の取り消しの新たな規定では、税金を滞納すると永住権が取り消されることになった。技能研修制度は育成就労制度似変更になる。受け入れる職種を介護や建設、農業などの分野に限定される。 特定技能への移行には、技能と日本語の試験に合格する事が条件になる。

 日本は産業の都合で、外国人を都合良く、なし崩し的に受け入れようとしている。しかし、日本社会はまだ外国人との関わりを、受け入れた状態ではない。バイデン大統領に日本人は外国人が嫌いな国だからと言われることになるのだろう。

 確かに日本人同士は、分りやすいのだ。顔色でだいたいのことを見抜ける。ちょっとした表情の変化で、相手の心理を判断している。以心伝心で言わないでも分るのだ。輪島で地震被害に遭ったインドネシア人が、避難所で食べてはいけないと思い食料に手を付けずいたという。

 これは狭い島の中ではなおさらのことだ。他所から来るものは同じ日本人でも、ナイチャーであり、気を付けなければならない人達なのだ。当たり前の事だ。それでも石垣島はナイチャーになれている。石垣島は移住者の方が多い島である。例えば崎枝は戦後開拓で宮古島から移住した人達だ。

 台湾から来た人達も沢山居る。石垣の農業を近代化した人達である。私はそもそも差別を受けたとか、ナイチャーだからと言うようなことは意識したこともないし、気にもかけない。そもそも人にどう思われるかというようなことを考えない性格である。嫌われても平気な人間である。フランスではかなり差別を受けたが、私もフランス人が嫌いになった。

 自分が、好きなことをやれればそれでいいだけなのだ。もちろん嫌われるようなことをやらないつもりでも、ナイチャーだから気に触ることはままあるのだろう。それで、差別を受けているとしても、それが当たり前なのだろうと考えて、受け入れた上で関わっている。

 ナイチャーは何を考えているか分らない人間なのだ。その意味ではベトナム人が良く理解できないのと似ているのだろう。石垣島にはベトナム人も働きに来ている。ベトナムでも田舎の方の人だから、石垣島ならば田舎だから大丈夫と思ってきたと言われていた。優しそうな青年だった。

 日本は外国人労働者を受け入れなければ成り立たないと言われている。しかし、その受け入れがバイデン大統領が口にしたように、国民的な合意形成がないまま、企業の都合で強行されてきている。将来を考えれば、ますます困難さがますばかりだと思うが、今の企業の都合が優先されている。

 ぽっんと一軒家事件やアメ横殺人事件を見ると、日本の社会はどんな方向に進むべきか、腹を割って考えるべきだと思う。江戸時代の鎖国は成功した選択だったわけだ。日本社会がAT革命時代の中で、落ちこぼれつつある。これからどうあるべきなのか。十分に考えなければ成らなくなっている。

 これだけ円安が続くようならば、外国人労働者という意味では、次の時代には減少するだろう。ベトナム人がオーストラリアで働くとか、産油国で働くと言うことの方が、有利さがある。日本語を学んでも将来性があるとは言えない状況になってきた。

 それでも、日本は外国の観光客は来てくれる国である。素晴らしい国土の国であり、日本人の人の顔色を判断し、配慮する性格が外国人には優しく写るのだろう。観光客を受け入れるにしても、外国人労働者がいなければ出来なくなっている。この点どんな工夫がいるのだろうか。ロボット接客なのだろうか。人に会わないホテルはある。

 日本人は内向きと言われることを恐れる必要もない。自分の力で自立して生きて行ける国になることが、むしろ重要である。食糧だって自給すべきだし。アメリカの属国でいつまで居る必要もない。むしろ中国とも仲の良い国になることの方が、日本の未来にはプラスになるはずだ。

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 石垣島名蔵湾でマングロープ... | トップ | 政治資金の使い道を明確にしろ »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地域」カテゴリの最新記事