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郵便の34,9%の値上げ

2024-06-14 04:39:16 | 暮らし


 郵便局は今のところ、地方の暮らしを支える、ある意味で施設になっている。ハガキが63円から85円になるという。34,9%と言う大幅値上げである。何でも上がる時代。特に人間が配達しているのだから、値上がり自体は止むえないとも思う。

 郵便事業は、今のネットワークを生かした地域に密着した仕事を、見付ける必要がある。老人の消息確認。公共施設の目視確認。子供の避難所機能。地域で必要で、手薄になっていることを、あれこれ捜して郵便局の機能に加えて行く。

 郵便局が維持できるように、税金から費用が出るようにしたらどうだろうか。毎日、何度も郵便の人とはすれ違っている。篠窪の山の上で絵を描いていても、必ず郵便のバイクが来る。人間が定期的に移動するのだから、それを利用した公共的な仕事は在るのではないだろうか。何か他の仕事と兼務できないのだろうか。

  今回値上げをすれば、これでハガキが終わるという方向に行く気がする。ハガキを1000円でも出す必要がある特殊な場合はある。ハガキにはそういう特別な価値を感ずる所がある。ただ、ほとんどの郵便物にはそういう価値はない。ハガキ85円では、メール連絡はいやだと言う人がいてもメールにならざる得ない。

 宣伝のハガキなどなくなって当然のことだろう。ハガキで連絡をしている水彩人ハガキは、値上げ前にメールにしなければならない。はがきの値段を35%上げれば、ハガキの数は35%以上減るだろう。収入が減るのを覚悟で値上げをすると思われる。そういう特殊事情があるのだろう。配達の人が足りないから減るのは良いのかも知れない。

 200枚出す年賀はがきは大判である。大判の方は84円が110円になるという。大分上がることになる。それでも止めたくはない、年賀はがきのお金が高いとは思わないが、少し考えてしまう。来年の年賀はがきは一気に減るだろう。これで終わりになるのかも知れない。

 日本人は年に一度芸術家になると言われてきたのに残念なことだ。私はこだわって絵を描いてきた。それは水彩画の紙と筆の練習にも成るからだ。ともかく沢山書くと言うことは大事なことだから、年賀はがきと言う機会を逃さないようにしてきた。

 年賀はがきは1899年に始まったとある。125年の歴史がある。44億5千万枚がピークで、2024年は14億4000万枚 となった。2025年は5億枚程度になるだろう。日本人らしい年賀の挨拶で、とても好きなものだった。私のピークは400枚を超えたぐらいだ。

 年賀はがきもついに終わりを告げることになるのだろうか。子供の頃は必ず木版画を作っていた。多色刷りの面白さを年賀はがきで覚えた。3判刷りぐらいのものを作った。必ず干支の動物の図柄にした。木版を彫るのも好きだったが、ゴム版も何度か試みた。かなり熱心に作った。まだ誰かの家に眠っているだろうか。

 その後はプリントゴッコで作っていた。シルクスクリーンをやっていたから、プリントゴッコも大判が出て飛びついた。それがついにはリソグラフになった。版画作品の面白さというものがある。そうか、年賀はがきは小学校に入って始めたのだから、途中中断はあったのかもしれないが、68年の継続である。

 年に一度くらい、友人に手描きの絵を贈りたいと思って続けてきた。自分が絵になって友人のところに行くような気分だ。その意味で、やはりメールとは違うと思う。私は辞めたくはないが、半分以上の年寄が、これで間違いなく年賀はがきを止めるだろう。出す数は一気に減らすはずだ。

 そういえば、家に来る郵便物というものも、ユーパック以外はまずない。本を買うと郵便で来る。たまに美術展や個展の案内が来るが、残念ながらなかなか見に行けない。広告の郵便物というのも大分減った。郵便事業自体が消えて行くと言うことになるような気がしてきた。

 今回の値上げは郵便事業にとって悪い選択になりそうだ。郵便というものが縮小して行く第1歩になると思える。それでもいいという判断をしたような気がする。さらに2,3回値上げしなければ、経営が出来ないのだろう。郵便局は石垣島でも9カ所のATMがある。コンビニがない地域にも、郵便局はある。

 地方の生活を支えているものが、郵便局のATMである。たしかに、これもあと10年ぐらいで、ネット銀行に変るのだろう。ネット上で仕送りや振込もできる。私にはまだ、ネット銀行は信頼が出来ない。ネット銀行の口座も無いわけではないのだが、お金は入れてないし、使ったこともない。

 何かの都合で作らされてしまったのだ。ちょっと嫌な気がしている。分らない世界のことなので、不安なのだ。情報が流失したとか、不正に使われたとか、時々ニュースになる。関係があるのかないのかもよく分らない。何でそれならば口座を作ってしまったかと思うのだが、乗せられてしまったのだろうか。マイナンバーカードと同じだ。

 郵便事業を民営化した小泉改革は、間違いではなかったと思う。あのまま国が続けていれば、今よりもさらにどうしようもないものに成っていただろう。民営化してからも、かんぽ生命の不正な勧誘方法など、あまり良いことは起きていない。

 郵便局には週に一度くらいは出す方でお世話になっている。郵便物が来ない日はない。なくなれば大変困る。値上げして存続できるならば良いのだが、今回の値上げで郵便が終わるとすれば、かなり困るような気がして成らない。思い切ってコンビニを併設したらどうだろうか。

 とうぜんその程度のことは検討されたはずだ。あの配送システムを生かした、ネット通販との連携などどうだろうか。今でも地域の産品を送る事業はやっているようだが、あれをもう少し地域に根ざした商品を探して、ふるさと納税と結びつけたらばどうだろうか。

 地域に取り残された老人と郵便とを結びつける何かはないだろうか。それに税金を入れる。やることは探せばあると思う。税金を入れても、地方の維持の為には必要なことだろう。買い物の代行はどうだろうか。地方行政と連携して、見付ければ何かあるはずだ。
 
 今事業の新規開発をしなければ、郵便事業は倒産すると思われる。しかも地方は消滅と言われている時代だ。これだけのネットワークを生かさないことは、あまりにもったいないことだ。今何かを考えなければ、今度の値上げで、郵便事業は壊滅的打撃を受けることになる。

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