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ひこばえ農法の探求

2024-06-12 04:32:24 | 楽観農園
 
 3番田んぼの稲刈りを5月19日に行った。田植えが1月6日だったから、苗づくりが1か月、そのあと田植えして、5か月の稲作だったことになる。30×40センチ上にした。幼穂形成期までは順調だったのだが、1,2,3月の雨量が過去最低だったために、水不足で稲は不稔が多くなった。

 写真は稲刈りをしてすぐに出そろったミルキーサマーのひこばえである。この出ているひこばえを、6月6日に刈払機出短く刈った。一見良さそうな株に見えるが、このままにしておくと、早く穂が出てしまう株が出てきて、バラバラで稲刈りの時期が安定しないことになる。一度刈りそろえて、ひこばえを再出発をさせる。


 3番田んぼはミルキーサマーで、30×40㎝植えである。あまりしっかりした株には成長しなかった。理由は強風と水不足で、株が弱り、不稔が出てしまったためである。弱った株ではひこばえがどうなるのか、様子は見たいので、稲刈り1週前によみがえり堆肥を入れて、20センチ弱の高刈りにした。

 思ったよりも良いひこばえが出たのだが、やはり根の弱っている株では、黄色のひこばえになった。これを病気だと見る人が多いと思うが、根が弱っているために、しっかりしたひこばえが出ないと言うことだと思う。親株に病気がなかったことははっきりしているのだ。

 いずれにしても黄色い株はその後も良い株には成らないので、抜いてしまったほうがいいようだ。良い株を分けて田植えをするように植え付ける方が良い。それは生育が遅れて大して実らないが、その次のひこばえでは役立つ。




 刈払機で1時間ぐらいで刈り戻すことが出来た。刈り戻す理由は株の成長をそろえると言うことが一番の目的なのだと思うが、ここでやっと再生してきた稲に大きなダメージを与えることは、良いことなのかどうかはまだ分らない。狩り戻さない田んぼと比較してみたいと考えている。

 しかし、そのままにしておけば忽ち穂を出してしまう。穂が出ることを防ぐには、出た穂を引き抜いて行くか、低く刈るほか今のところは無い。この後出てくるひこばえの方が、大抵は弱っている感じはしている。刈り戻さなくても大丈夫な稲の品種を捜す方が、良いのかもしれない。いずれにしてもミルキーサマーはおいしいが、石垣島の気候には合わない。



 2番田んぼ、ゆがふもちの稲刈り2週目の写真。ゆがふもちは苗づくり6週間で、1月13日田植え。40cm角植えである。稲刈りが、6月8日。この時期だと石垣島でも、5ヶ月の稲作になる。作出した鹿児島の試験場の株と同じくらいに育った。



 ゆがふもちの6月9日の写真。日に日に生育していることが分る。分ゲツが親株の切り口から出てくると、穂をすぐ付けてしまう。随分しっかりした株が再生してきた。今のところは意外に早く穂が出てくる株も少ないようだ。親株の茎とは別の所から出てきたひこばえは穂を付けないようだ。

 この違いは品種によっておこることのようだ。再生されるという感じがする、ヒコバエは台光の場合がそうだ。早く穂が出てしまうことはない。ゆがふもちも、ミルキーサマーやひとめぼれよりは穂が早く出にくいようだ。この違いの意味は遺伝子的に理由がありそうだ。インディカとジャポニカの交配。

 ひこばえ農法では品種が重要だ。良い品種は親株の茎からひこばえを出さない品種だ。現在、3つの品種のひこばえを試験している。ミルキーサマー、ゆがふもち、台光。台光が一番ひこばえ農法に適しているようだ。ただし、穂の出が長くなりばらつく品種だ。次がゆがふもちである。2番田んぼはこのまま様子を見ることにしたい。

 ゆがふもちは40×40㎝植えである。なかなか良い株になっていた。その御陰で良いひこばえが出ている可能性が高い。ここは追肥も何もしていない。ひこばえをやる予定はなかったのだが。ぬちぐすい診療所の文香さんが、様子を見たいと言うことで、高刈りで稲刈りをした。稲刈り3週目のミルキーサマーに1週遅れでほぼ追いついた。順調である。

 40㎝角で植えた所は、一回辺りの収穫量は株数が少ないので低い。ひと株ひと株は元気に育つ。元気に育たなければ、ひこばえに繋がらない。根が弱っている株は良いひこばえは出ない。まるで病気のような黄色っぽいひこばえを出す。以前病気だと言う干川さんの指摘で、抜いていたが、病気ではない。間違えだったと今は思っている。

 30㎝角植えで、がっちりとした株に育てば良いのだが、石垣ではまだそういう品種は黒紫米しか見つかっていない。こういう石垣の気候に適合したうるち米品種を見付ける必要がある。今のところ、台光と台中65号が検討品種である。台中65号をまず試食してみるところからだ。

 6番田んぼで、黒紫米は60㎝角で植えられているが、60㎝角でも隙間がないほどの大株になっている。これを稲刈りした後、どんなひこばえが出てくるのかを見てみたい。もし、良いひこばえが出るなら、黒紫米ではあるが、適合品種が見つかったことになる。

 ひこばえ農法では、40㎝角植えがいいのかもしれない。一回の収量は低くても、満作の株を育てて、3回収穫すれば、1年では通常の2倍の収穫量になる。一年中稲を作るのは大変という意見もあるが、2回目、3回目の栽培は苗作りがいらない。田植えもないので、楽になる。

 新米が3回食べれると思えば、悪くはない。お米の保存がいらなくなる。その分田んぼを狭くできる。自給農業として、一年分のお米が60キロ必要であるならば、1畝の田んぼで十分と言うことになる。25キロ3回で75キロになる。

 10m×10mの田んぼで一軒分のお米が出来る。これなら草取りでも田植えでも稲刈りでも、たいした手間にはならないし、一切機械を使わない農法でも十分可能になる。土壌が良くなれば、無肥料でも可能になるかも知れない。

 6月6日に6番田んぼの稲刈りをやはり高刈りで行った。稲刈り1週間前によみがえりを入れてある。ここは40×40㎝でミルキーサマーだ。株はまずまずだったのだが、稲刈りがずれ込んで水分が16%と下がるまで延びてしまった。根が弱っている可能性がある。



 1番田んぼの稲刈りを6月8日9日に行った。ここは1月13日に稲刈りをして、出たひこばえの稲刈りだった。刈り戻しを3週後に行った。その後時間がかかって生育し、5ヶ月のイネ作りになった。ひこばえも1,2,3月の気候の方が良いようだ。

 収量はあまり多くはないが、一期作よりはましなようだ。3回目の収穫を目指して、ひこばえの栽培を続けてみる。ここは2週目か、3週目に刈り戻しをしたいと考えている。株がばらつく稲なので、刈り戻しをしないと余計に穂が揃わない。(明日に続く)

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