地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

お茶の整枝作業

2011-10-31 04:58:12 | Peace Cafe
お茶の整枝作業には、大勢の人が来てくれた。農の会の有難い所である。お茶が来春飲めるかどうかを別にして、放射能を少しでも減らそうという気持ちが尊い。持ち出している葉っぱや、畝間にあった腐葉土が、底辺10メートルの高さ4メートルはある山に成っている。畑に置いておくことが決まりだから、外には持ち出せない。もう少し小さくなれば穴を掘って埋めると言うのもあるのだろうが、今の状態では、山にしておく以外にはない。と言ってただ山にして置くということは、結局海に流れ出ると言うことである。福島第一原発事故の放出放射能の80%は海に飛んで行ったという計算が出ていた。しかも政府発表の2倍以上と言う。日本国土には19%落ちたということで、300キロの小田原の農地がこの被害である。それらもかなりの量が海に流れ出たのだろう。

穂田さんのところにお茶の刈り込みの機械をお借りしに行ったら、お茶が袋のまま置いてあった。畑にうっちゃるのもどうも気になると言われていた。農家にしてみれば、大切な農地である。農地を良くして行くことは一つの生きがいである。放射能汚染物質を畑に戻せはつらい話だ。いくら根からの移行は少ないとはいえ、ない訳でもない。土壌に存在している放射能は30年の半減期より短い20年以下で半減するそうだ。当然地下水となって流出していると言うことだろう。海は大丈夫なのか。大丈夫な訳がない。

以下ーーー東京海洋大学の7月の調査で、沿岸のプランクトンからキロ669ベクレルが検出されたと言う。当然、生体濃縮が起こる。海底の土1キログラム当たりの放射性セシウムは、相馬市磯部の沖合4.5キロで2490 ベクレル、いわき市四倉の沖合0.5キロで1142ベクレルと、高い値でした。それぞれ8月の調査に比べ、濃度がおよそ5倍と2倍に高くなっていて、海洋生物に詳しい東京海洋大学の石丸隆教授は「海底の地形や海流の影響で放射性物質が移動しているとみられる。海底にいるカレイなどの魚は、影響が出る海域が 変わる可能性が高く、注意が必要だ」と指摘しているそうです。

牛が藁を食べて一気に汚染したように、食べ物からの生体移行は早い。この調査で怖ろしい情報は、8月より9月の方が高まっているということである。やはり今だ流れ出ているのではないか。大本営情報は、信用できない。放射能の炉心は溶融し炉の底を抜けている。地下水に放射性物質はどんどん出ているのではないか。放射性物質が海底に沈殿している。海では沖合に流れ出て、すぐ拡散してしまうから大丈夫という意見もあったが、やはり海底に沈殿しているものが多いようだ。これは地上の4倍あるのだから、大変な量である。底に居る海産物は申し訳ないが、要注意。蟹・ウニ・アワビ・イセエビなど。美味しいものは年寄り専用にしていただけると、有難いが。

農の会ではお茶の出荷停止である。この補償交渉を東電としている。東電は返事をすると言って返事がない。福島の住宅の汚染除去を行うため、高圧洗浄機を購入したが、その費用が賠償されないと言う。東電いわく、第三者委員会の答申だそうだ。確かに、福島の深刻な状況を思えば農の会が、うるさく言うのも気が引けるが、この第三者委員会が、そもそも中立的な機関ではないようだ。原子力がこれほどの被害を及ぼすものならば、それに相応しい保険があるのだろうか。保険に入れないほど危険な施設と言うことなのではないか。今、残っている原子炉は地震保険に入っているのか。現状1200億円のみ入っている。地震では出ないらしい。原子炉が無くなるまで、賠償請求を止める気はない。今東電が約束を破って返事をしてこないことは、将来の裁判では、不誠実の証拠になるだろう。

昨日の自給作業:お茶の整枝作業4時間 累計時間:36時間
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自給農業の展望

2011-10-30 04:30:52 | 自給
国際競争力のある農業と言うことが、野田政権の一応の建前である。1965年自動車も自由化することで、成長し国際競争力を確保したではないか。と言うような考え方を背景にしている。果たして日本の国土で30ヘクタールの稲作農家になれば、国際競争力が生まれると、本気で考えているのだろうか。中国富裕層の購入するコシヒカリ、1個1000円のリンゴ。こんな特殊な事例に騙されてはならない。日本の自然環境と最低賃金からして、農業の国際競争力はまやかしである。工業製品すら、日本を出て行く。さらに労働単価が影響する一次産業が、国際競争力を持ちえるなど、悪意に満ちた考え方である。農家の努力が足りない。工業製品のような厳しい競争にさらされていない、と言う見方である。農業はいよいよ苦しい。そこで「自給農業を行う以外、日本の環境は守れない。」という20年前に農の会を始めた展望である。

農産物は各国が自給することが、世界の安定の為には大切なことだ。今のようにタイで洪水が起り、タイのお米に依存していれば、大変なコメ騒動が起きるだろう。工場が閉鎖されただけで、日本の生産に影響が出る。カメラや車がしばらく品薄になろうとなんとかなるが、食糧なら大変だ。世界の人口は明日70億人を越えるそうだ。私の子供の頃は、30億人と言っていた。貧しい国はどうなる。TPP反対で農家の既得権益を守ろうと言うのではない。農地の拡大が出来るならやるべきだ。新規就農者の支援も行わなくてはならない。農家の戸別補償は、それを遮っている。農地の拡大をしたのはいいけれど、TPP加盟でお米が暴落したらどうなるのか、この不安が払しょくされない限り、農業を拡大して行く人間はいないだろう。それでも30ヘクタールにしたとしても、農の会の1万円で100キロのお米が分配できる最小の仕組みより、効率が良くなるとは思えない。自給農業の効率は、条件に従い多様なのだ。

新規就農者だってそうだ。将来農産物が自由化されるということが分かっていて、どれだけの人が農業を自分の仕事として選択するだろうか。公務員になりたいと考える若者が多い、安定志向の時代である。リスクがこれほど高い仕事を目指す人間がそうはいるとは思えない。農業はリスクが高いうえに成功したからと言って、大富豪になれる可能性もない。これから身体を使うような一次産業の仕事の成り手は、減少する。どうせ政府は無策でありながら、農家保護政策だけを選挙の為に行う。政権交代とはそういうことだった。今後の方向としては、地方や棚田などの効率の悪い農地からさらに耕作放棄が進む。小田原で言えば、、集積して効率が上がるような田んぼは少ない。とすると、自給農業者には、さらに借りやすい状態が出来る。政府がやるべきことは、今後増えるだろう自給農業者を、きちっと制度の中に位置づけ。混乱しないような枠組みを作ることだ。

未来をイメージする。自給農業者は慌てないことだ。どうせ、TPPは関係がない。キロ100円のお米は輸入されない。農地はさらに借りやすくなる。新規就農者になるようにお願いされる。多分、ヨーロッパのように参入するだけで補助金がもらえるようになるだろう。それでも、参入する人は限定的。農地はさらに減少する。自給率はさらに下がる。その頃には、伝統工芸士のような位置づけになる。日本人の能力の衰退が、各分野でさらに目立つようになる。工業製品でも、競争に負け続ける。その頃には、教育をいくら問題にしても解決できないことに気づくだろう。やっと日本人であることが、問われる。拝金原理主義から抜けられないならば、日本人はいなくなり、日本は消える。わずかに、日本原住民として、文化遺産的に、自給農業を行う居留地があるのかもしれない。そこからだって、またやり直せばいい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米韓自由貿易協定(FTA)

2011-10-29 05:01:00 | Peace Cafe
米韓では二国間貿易協定を進めてきた。いよいよ協定が動き出すらしい。何故、韓国は日本とのFTAは進めないで、アメリカとは進めているのか。いくら輸出立国と言え、韓国はどのような国を目指そうとしているのだろうか。アメリカと生活水準が同じになるなら、アメリカの一つの州のようなものでもいいと考えているのだろうか。誇り高い韓国人がそのような選択をする訳が無い。北朝鮮との国防上、やむおえずアメリカの言いなりになっているように見える。韓国がどうなるかを見極めてから、日本のTPP加盟は考えればいい。遅れたら乗り遅れるなどと言うのは脅しに過ぎない。もしこの協定が、ユーロ圏のような、まともな理念に基づくものであるなら、どの段階でも加盟できなければおかしい。早くこの輪に入らなければ、のけ者にするというような理念であるなら、そもそも加盟すべき様な条約ではない。国際条約では、様子見が一番の場合が多い。韓国の成り行きを良く見ること。

韓国ではソウル市長選挙で野党が勝利している。李政権が維持できるのかどうかも注目点である。30日の批准議決らしい。この協定は2007年に締結したものだ。時間が経過しているが、いまだ協定の早期発効を目指すという位時間がかかっている。10月12日にアメリカが批准し、韓国の議会はまだ批准していない。確か韓国が批准して5年後に自動車の関税が無くなるということだから、今は様子見状態である。何を野田政権は乗り遅れまいと焦らせているのだろうか。10年もすればアメリカの経済は激変している。アメリカの言うこと自体が違っている。判断は延ばすほどいい。それが政治であろう。韓国が批准できるかどうか今瀬戸際である。野党は反対で審議もできない状態である。果たして李政権は批准を強行できるだろうか。TPP加盟は今韓国がおかれているような、国の未来を文化まで決定ずける重要なことだ。日本の政権交代は、政治家を選挙だけの人にしたようだ。

米韓FTA交渉の間、アメリカは韓国からの軍事力の引き上げを言い続けた。最近になって少し言い方が変化してきたが、国防を韓国民への脅しとして、経済協定を結ぼうとしてきた。これは両国の合意もあるのだろう。沖縄から韓国へ、米軍の移動はありうる。これについても慌てない方がいい。一年前、北朝鮮が韓国の延坪島を砲撃した。あの事件に合わせるように、韓国政府は締結を決めた。日本に対しても、常に軍事同盟と、経済交渉はリンクしている。ただし、日本の場合は、米軍の駐留には世論の反発が強いから、引き上げを脅しに出来ない。日本政府は軍事力の不足を感じていて、アメリカに対して弱腰になっている。鳩山政権が東アジアの日本を主張した時の、アメリカの強硬な、牙をむき出した態度を思い出せばわかる。慌てて弁明をし土下座外交に変貌した鳩山政権だった。軍事力に依存することでは、不安が増すばかりで、北朝鮮問題を見て分かるように、安心は得られない。

米韓自由貿易協定はそれでもTPPよりはいい。お米は除外されている。米作だけは守ろうと言う姿勢が打ち出されている。TPPに置いては、除外品目はないと言われている。野田政権は稲作農家を30ヘクタールにすれば、競争力が生まれるから、農業は守れるという。明らかな嘘を公言している。「TPPに入るということは、日本の農業は止める。」と言うことである。農業を止めていいのかどうかを論議すべきだ。アメリカがTPPに加わり、日本を引きこもうとしているのは、FTAで日米交渉をすれば、魂胆の腹黒さが明らかになるからだ。アメリカは経済崩壊が迫っている。その脱出口を日本にも求めている。農家の独善でTPPを反対するのではない。今の事態は、日本人が日本人で無くなるということなのだ。まあ、それも一つの選択ではある。だからそうした議論をしたうえで、進めなければならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

腐葉土のセシューム

2011-10-28 04:41:33 | 自給
江東区内の集積場の腐葉土が、国の暫定規制値、キログラム当たり400ベクレルを超える、789ベクレルのセシウムが検出された。有機農業では堆肥や藁の利用が重要な技術である。今回出た、江東区の剪定チップのセシュームの測定は参考になる。お茶が高い値を検出したのと同様で、常緑樹の枝葉には相当高い値の放射能が蓄積されていると考えられる。3月半ばから月末までの樹木の状態で、放射能は大きく変わる。スギやヒノキは木の上部の放射能汚染が強く、樹間の土壌汚染はそれほど高くない。しかし、落葉樹の林では落ちていた腐葉土が強く汚染された。お茶の状態から想像されていた所だ。江東区の腐葉土(堆肥?)の値は、実は思っていたより低い。たぶん堆肥化が進んでいないのだろう。お茶の状態から見て、1000ベクレルを越える値を予測していた。江東区の下水汚泥からは、16000ベクレルのセシュームが検出されている。江東区のごみを処理する江戸川焼却場の焼却飛灰の値は、8000ベクレルを越えている。

堆肥化するということは、焼却すると同じような濃縮が起こる。お茶の場合、生葉の5倍に乾燥され,荒茶で5倍の放射能の値になる。堆肥の場合は10倍から50倍くらいの濃縮が考えられる。加えて、大気や水から吸着しやすいという性格もあるようだ。小田原でも久野小学校と片浦小学校にあった堆肥から、セシュウムの合計値がキロ700ベクレルと言うことである。当然のことで、落ち葉を集積するということは、相当の濃縮を覚悟しなければならない。焼却灰や汚泥の焼却灰はさらに高い値が出ている。特に、3月後半に直接降りかかり、吸収してしまった、常緑樹の枝葉は間違いなく高い。多分ここ数年高い値が続くはずである。しかし、段ボールコンポストに出なかったことは、食べ物の汚染の低さを表している。有機農業を行うものが、堆肥を入れ続けて畑で放射能濃縮が起こるようなことは、間違ってもあってはならない。しかし、腐植質を入れないで有機農業を続けることもできない。

現状の放射能の測定が先である。土壌が200ベクレル以下なら、土壌の反転を丁寧に行えば、作物の耕作と言う意味では、3分の1くらいには下がるはずである。その上で、緑肥を作る所から畑の土壌をやり直す。土壌にある放射能をその場で、そのままにして管理して行くと言うことになる。緑肥の腐植質が、セシュウムの移行を遮る可能性がある。放射能を取り除くと言うより、上手く付き合ってゆくということになる。土壌中の放射能が作物に移行しないためには、土壌にパーライトやバーミキュライトを加えると良いらしい。100リットルで2000円位だから、1反に10㎥入れるとして、20万円となる。せめて野菜畑だけでも土壌改良と思い、1㎥位は入れようかと思い買ってみた。これで1平米に1ℓと言うことだがいくらかの効果はあるだろう。それでも入れないよりはいい。できるだけ深くプラウ耕をして、その上にパーライトを加える。

堆肥と言っても段ボールコンポストでは、不検出であった。つまり、食べ物への移行は、落ち葉やチップなどとは比べもにならないくらい低かったということである。これは不幸中の幸いである。4月以降空中の放射能浮遊物は急速に減っている。その後に生育した葉物は、殆ど検出されていない。移行計数が予想より一ケタか2ケタ低かった。土壌の組成の御蔭らしい。今後は、落ち葉はまず使えないと見ているが、小田原の山の落ち葉の測定を行うつもりである。11月には出来ることになっている。玄米を測定することで、藁への移行も把握できるので、これもできる限りやってみたい。今日の情報ではお茶については、だいぶ数値が落ちてきたようだ。荒茶にして300ベクレルを切ったらしい。と言って売れるかどうかは別物だが、一つの指針になる。落ち葉はしばらく使わないということになる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

農の会へアジアのお客さん

2011-10-27 04:00:16 | あしがら農の会
25日東大の池本先生が農の会に、アジアのお客さんを連れてきてくれた。ベトナムやタイ、バングラディシュの方々だった。集荷の日で農の会でも10人ほどが集まっていた。英語で話せる人が3人いたのでそれぞれに話が盛り上がった。池本先生が行っているアジアの貧困や格差の問題で、その分野の専門の方々が、各国を回りながら研究する集まりがあるらしい。その現地見学と言うことで農の会に来てくれた。農の会のあり方は、アジアのどの国でも参考になる形だと思っている。中国ではそのことを、熱心に話したのだが農家の方の中には、そのことで気持ちが通じたように思える人はいた。しかし、案内してくれる政府の方や研究者の人には、何をいまさらと言うような感じだった。猛スピードで追いつけ追い越せという空気の中で、聞いてくれる雰囲気はない。それこそ競争力だけが興味のようだ。むしろ、農業では日本の失敗から学んでほしいとおもう。

以前、タイの少数民族の責任者と言う方が見えた時には、実に優しい方で、私の農場を一日かけて、ゆったりと見てくれて、これならできそうだ、村でみんなに話してみると言われた。笹村農鶏園は世界の大抵の場所で可能なやり方のつもりだ。別段大きな機械は必要ない。一日一時間働けば食糧が確保できる。土地もせまくても大丈夫だ。1000㎡あれば家族が自給できる。と言うようなことはアジアには普通にある。と思っていたが、見せてもらった範囲の中国では失われていた。アジア各地には残っているようで、実の所もう失われている気がする。日本がここ50年で農業を崩壊させているように、中国も似たようなことが、今進行形で起きていた。多分アジア全体が、東アジア4000年の農業をここ50年で滅ぼしてきているのだろう。日本では今更、国際競争力のある農業など、世界の現状の困難さを、全く見ていない。アジア各国で起きている困難な事態を、競争でさらに押しつぶそうなどと、馬鹿げている。

この資本主義経済の限界という歴史の転換点に置いて、人間が今後求めなければならないことは、何に対しても、精神の自由な暮らしである。経済にとらわれない暮らしである。その為にはシャベル1本で自給する技術である。アジアにはまだかろうじて残っている形態が、色々ある気がする。そうした技術を繋ぎ合せて、各国で自給農業がよみがえり、農の会的な緩やかな連携の場がアジアに生まれることになれば、素晴らしいことである。手工業的な自給の技術は、暮らしの中にはあふれている。例えばロケットストーブを最近考えている。これは燃料が4分の1から5分の1で済むというのだから、自給の技術としてかなり優秀である。今度農の会での取り組みとして提案するつもりだ。アジアのどこでも実用化できる技術である。

アジアの方々はゆったりしている。気持ちが緩やかである。攻撃的でない。控え目で穏やかで、接しているだけで気持ちが和やかになった。こういうお客さんなら、何時でも大歓迎だ。本当なら、あのタイから見えた少数民族と言われていた方の村に行ってみたいものだ。きっと時間も緩やかに流れているのだろう。そういう村で、私の自給の技術が生きるのであれば、本望である。日本は日に日に危うくなるばかりだ。血迷って、日本農業の国際競争力など虚言である。国民向けごまかしの建前論である。日本農業が20ヘクタールから30ヘクタールに5年間で成るなら、今まで何をしていたのかということになる。全部嘘で固めているに過ぎない。こんな中間答申を出した人間達は、未来までその名前を記録する必要がある。こうやって日本を滅ぼしてゆくことを眺めているのはつらい。辛いが、今は自分の出来ることをやるしかない。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自給農のこれから

2011-10-26 04:46:26 | 自給
世界経済はその末期的様相が、目にも見えるようになってきている。中国の経済綻びが徐々に表れてきている。減速が始まれば、転げ落ちるようだろう。今はそれまでの、しばらくの踊り場状態ではないか。冷静に考えれば途上国の経済成長に寄りかかるように、しのいできた世界経済が落ち込んでくるのは当然ではないか。TPPだろうがFTAだろうが、自由貿易によって競争をし成長を善とする経済は限界に達している。生きてゆくことをそれぞれが、自分の足で立つ方が良い。先進国の経済成長より、取り残された国々の経済困窮の方が、世界全体では重要な課題だ。日本経済がこの先良くなることなどないとしたほうがいい。日本が弱い国を押しつぶすような競争に勝つことは、やってはいけないことだ。世界の課題は貧困が蔓延している国々の農業の自立である。そう考えれば日本の農業が国際競争力を持つことは、方向が違う

食糧を商品経済から、解き放つことが21世紀の世界の目標にならなければならない。アメリカを中心にした先進国が、自分達の贅沢な暮らしを維持するために、農業に不向きな国々を、食糧支配することは、さらに貧富の差を広げ、世界の危険度を増してゆくことになる。日本は江戸時代に確立した、自給経済の循環の体験を生かす事だ。一日も早く、競争から共生へと方向を変えることが悲惨な状況を軽減することになる。その意味で、食糧自給こそ農業の優先課題である。その為の政策は国際競争力とは、相反する。TPPとも反する。と思いながらも、政治の貧困を思うと何の対策もないまま、その日を迎えると考えなくてはならない。私が生きている間に終末まで行くのかどうかは、微妙な所だと思うが、想定できる危機が待っている。

その日に備え、自給農業の確立である。食べるものを他人にゆだねている、危うさは増している。戦後の食糧不足のとき、隣の畑の家族はサツマイモ苗を植えながらも、栽培に失敗して相模原で飢餓に死んだと、聞かされている。農業は技術に支えられている。自給農業は技術さえあれば、100坪一日1時間の農業で食べるものは確保できる。しかもこの先エネルギーは不足する。機械を極力使わない技術を確立しなければならない。今政府の目指している、農地の拡大と大型機械の発想とは、ま逆なものである。こんな状況に置かれているのだから、政府は期待できない。自給農業の技術は庶民が協力して打ち立てるしかない。稲作と大豆の作り方はだいぶ分かってきた。小麦はまだまだである。いずれこれらはグループで耕作した方が合理性がある。グループ栽培で可能性があるのはタマネギだろうか。大半の野菜は身近で個別にやった方が良い。

野菜については直播と苗作りのバランスだろう。こまめに身近で作る技術。今年のゴウヤのグリンカーテンは10月まで食べた。100個近くが1間の窓辺のプランターで出来る。段ボールコンポストをやれば、生ごみはすべて堆肥として循環できる。それぞれが暮らしの中で取り組むべきことは山ほどある。従妹は新宿のマンションのベランダで、自給に近い野菜作りをしていた。去年はプランターでキャベツやブロッコリーは立派なものをつくった。徐々にだけれど、自給農業の方法が見えてきている。自給農法研究会と言うものが京都にあるらしい。はたけCafe「おいしい」と言うところで作ったものも食べられるらしい。春キャベツを植えて、結球部分だけ収穫して、そのまま畑に置いて置き、さらに小さいキャベツを収穫するらしい。そこまではやらないが、苗とか株分け挿し木、こういうことをこまめにやれば、狭い畑でも30坪あれば自給できる。いずれ面積や気候によって、方法は変わってくる。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

めだか田んぼのこと

2011-10-25 04:02:22 | 環境関連
あしがら農の会では、鬼柳境でめだかの生息地を守る田んぼを引き受けている。県と市と地域住民で作った、メダカ協議会の中でこの田んぼの事が協議され、保全組織が出来るまでの間、一時的に農の会が引き受けることになった田んぼである。小田原市が立会いの下、神奈川県土木が田んぼとして整備する約束をしたものである。所がついに約束を果たさずである。今でも腹も立つが余りに相手の程度が低いので、抗議するのも疲れて止めた。第一何故お願いをする立場になるかが分からない。田んぼに整備するからやって欲しいと言ったのは、メダカ協議会である。こんなことになるなら、地主さんの希望通り、土を入れて駐車場にすればよかったのである。今農の会が田んぼをやめれば、地主さんは騙されたことになる。そのことを思うと止めるに止められず、困り切る。

それで諦めきれずに、一年目は自分でやり、去年と今年はNさんにお願いし、3年は耕作を続けた。3年間たっても、だれも責任を取ろうとしないので、ついに諦めて個人の費用で田んぼに直す覚悟をした。めだかの為と考えての我慢である。それで小田原市の環境保護課に対して、農の会の責任で田んぼとしての整備をするので、水路や畔をいじることになる。地元の水利組合や生産組合との調整をお願いしたいと申し出た。田んぼは小田原市が借りて、あしがら農の会は小田原市から借りる形になっている。農の会の認識としては、メダカ協議会の田んぼと言うことである。お願いして1週間ほどして回答の電話があった。「民民のことなので、行政はかかわれません。」こういうトンチンカンな返事である。やはり農の会は田んぼを止めた方がいいということか。さらに先日は鬼柳でビオトープを作る話があった。一体どこの誰が管理するというのだろう。管理の責任を持つと県に約束したのは小田原市長である。

今緊急にやらなければならないことは、桑原・鬼柳のメダカ生息地を保全して行く組織を作ることである。これが出来ないなら、小田原めだかの保全は諦めることだ。もう15年になる。何故市民的な保全組織が広がらないかが問題である。建前では環境保全はやるべきことと言われる。小田原市の魚は「めだか」である。派手な集会は繰り返されてきた。結論から言えば、市民協働と言うことが血肉に成っていないということになる。建前で理想論やら宣伝が繰り返されては来たが、一部の変わり者の、暇人がやってくれているので、任せておけば済む。大多数の市民の意識がこのあたりにある。と行政は見ているのだろう。行政職員も労働提供はする。しかし、これは間違っている。時給2000円の人たちに、草刈りなどしてもらっていたら困る。市民協働とは何か。行政の役割は何か。市民の役割は何か。このことを現状に即して考えなくては進まない。

やり方はある。市民にとって楽しい集まりを作ることである。どうしたら行きたくなるような、楽しい場所になり、意欲的に活動が出来るかである。これが出来ないなら、保全の意味が無いということになる。15年それなりにやってきたにもかかわらず、根づいていないことを反省し、分析しなければならない。多分、本来行政がやるべきことを肩代わりしているという意識が、市民意識の根底にあったのではないか。一方、行政は、めだかの保全の意味を、小田原のこれからの暮らしの方向性の中できちっと位置付け、掲げることである。そして環境保全全体を市民が行うものであるにしても、行政の役割と責任を認識し、環境保全事業全体を市の事業としてとらえ、最終的な責任を持つことである。今回の行政の、「民民の事ですから、そちらでお願いします。」の態度は、まさに行政の事なかれ主義が顔を出したことで、小田原市の掲げる市民協働の精神を理解していないということになる。
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

作物の放射能移行計数

2011-10-24 04:20:50 | 環境関連
福島第一の放射能は全国、多分全世界中に降り注いだ。海洋の汚染は陸上以上であろう。チェルノブイリの汚染が今でも全世界に残っているのだから、これから何十年影響が続くのである。農業を行い作物を作る者としては、どのように放射能に対して行くかは、考えざる得ない。作物への放射能移行については、把握しなくてはならない。当初はチェルノブイリの事例から、0,1程度であろうと言われていた。そこで稲作など、キロ500ベクレルという暫定基準をもとに5000ベクレル以上の土壌では、行えないことになった。ところが実際沢山のデーターが出てきた中で、それほどは高くないということが見えてきた。ヒマワリなどほとんど放射能を吸収できないということが言われている。一ケタどころか、2ケタ違うと言うデーターが何故か多いのである。移行計数についての整理は、千葉の子供を放射能から守る会の勉強会資料がよく整理されている。

作物の生育のステージで考えた時、栽培途中で放射能が降りかかって汚染されたものと、根からの吸収で作物自体が、汚染したものでは、意味が違ってくる。稲藁のように枯れて田んぼに置かれていたものが、吸着した放射能が何万ベクレルになる場合がある事に似ている。お茶の放射能や、キノコの放射能はそれに近い。キノコで言えば植え付けた木が吸着している場合がある。お茶も樹木自体が吸収した。例えば、春3月に実を膨らませて行く麦は降り注いだ影響が強い。今年の麦は根からの吸収である。稲の放射能は田植えが5月なので、放射能の放出が少なくなってからの事である。その為に今お米に検出されている放射能は、ほぼ根からの吸収と考えてよい。そしてその大半から放射能の検出が無い。もちろん、検出限界の問題があるので、0とは言えないが、10以下と言えるだろう。これは移行計数が、0,1と言うことであれば、100ベクレル以下の土壌と言うことになる。

ところが、1000ベクレルを越えた土壌でも不検出がある。つまり、0,01以下の移行計数と言う結果がある。登米市の稲作のデーターが出ている。様々なデータが出ているが、作物の移行計数は日本の多くの地域で、土壌肥料学会の見解ではもう一ケタ低い0,00台と考えられてきているようだ。このことについては、今後学問的な精査が必要だと思う。安易な結論を出すことはできない。農業を実際に行うものとして、今の所0,0台と考えるようにしたらどうか。つまり土壌が100ベクレル以下なら、0,台の放射能と言うことになる。と言って、小田原のように300キロ離れた地域でも100ベクレルを越える土壌の地域が無いとは言えない。久野であれば平均的に100ベクレル前後であろう。まず農業者は自分の農地の放射能の濃度を計る必要がある。それぞれが自分の圃場の放射能濃度を測定した方が良い。本来なら、その程度の準備は東電がやるべきことだが、どうせ当てにはならない。

何故移行計数が低いのかも解明された訳ではない。土壌の性質によると言うことが一番考えられる。カリウムが存在して、作物に吸収は出来ない土壌であれば、セシュームも似た傾向になる。小田原での実際的な作業としてはプラウで天地返しをすることではないか。反転プラウ(30cm)ではないか。放射性セシウムは深さ15cm~20cm の層に入り、最表層では明らかに濃度は低下した(図1)。2)ほ場の表面線量率は、不耕起:0.66 μSv/h、ロータリ耕:0.40 μSv/h、プラウ耕:0.30 μSv/h。植物による吸収は、ヒマワリの農水省の実験で、移行計数が、0.00674(中間報告)で、除染には使えない。柏市での高濃度地点のように、3月に雨水が流れ込んだ様な地形は要注意。果樹についてはお茶と同じように、長期間付き合わざる得ない。特に常緑果樹は汚染濃度が高い。山の落ち葉は、3月に野外にあったものは小田原でも使わない方が良いだろう。

魚の放射能については、グリンピースが行ってくれた。汚染度合いが最も高かったのはワカサギ(茨城県産)で88Bq/kg。60点の平均値で12Bq/kg。(NDを5として計算)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2011年の田んぼが終わる。

2011-10-23 04:12:14 | 稲作
昨日、籾すりが終わり今年の稲作は終わった。お米の分配もできた。10家族が、112キロづつである。収量が1168キロ。2反5畝なので、7,79俵であった。今年は田んぼに気持ちが助けられた。田んぼに入り、草取りをしていることで落ち着くことが出来た。田んぼが無ければどうなっていただろう。土にへばりついて生きている。これが支えであった。無事収穫までこぎつけたことは、大きな感謝である。田んぼの仲間も呼吸が合い。それぞれの役割が果たせた。あと10年田んぼが出来れば嬉しいことである。

2011年耕作日誌
3月27日 籾洗い
4月3日 土ふるい
4月17日 種まきセルトレー288穴 200箱あればいい。30箱余分。一つの穴に、5粒平均でまく。
6月2日 あら起こし丁寧に、周囲を十分に掘る。水漏れが減る。
6月3日 4日 代掻き。何度もやりすぎ位に行う。
6月5日 線引と田植え 苗が小さい。
6月後半から7月に掛けて、ころがしが続く。稲の生育は良い。病気などない。稲水ゾウ虫も全く出ない。
7月梅雨が目立たないまま、夏が来て暑い日が続く。葉色が例年のように濃くならない。ツトムシも全く出ない。
7月24日草取り 後半は低温と日照不足で梅雨に戻ったよう。
8月5日走り穂 水は間断潅水を始める。分げつは例年より少し多い。このあたりから又暑くなる。 猪が出る。わなを仕掛ける。
8月9日少しづつ出穂 下の田んぼから始まる。水温の高さによるか。全体に生育にムラがある。
8月14日下の段出穂 周辺にイノシシが出る
8月16日中・上段出穂走り穂から10日で70%出たことになる。
8月20日穂ぞろい
8月22日猪の皮を周辺に置く。その後収穫までイノシシは来ない。
9月18日田んぼ研究会 豪雨によって倒伏が起こる。稲の状態は悪くない。
9月25日台風により半分近くが倒伏
10月9日10日稲刈り 倒れていたために、急きょ8日から始め、二日がかりになる。
10月19日脱穀を行う、9時から5時30分までかかる。収量は少し少ない感じ。
10月22日籾すりを行う。

1家族が112キロ配布になりました。地主さん5キロ+5キロ、Kさんに10キロ、測定用に2キロ。手伝いの方に、3キロづつ×2=6キロ、種籾が20キロ、合計が1168キロ。反収は7,79俵
経費は、1家族7500円。10家族だから7500円と言うことになる。経費は過去最低を記録。
全体での活動日は12回。ただし、稲刈りは2日に成る。
反省点
昨年の1300キロには及ばなかった。いくつか原因は考えられるが、後半これから粒張りが増すというところで、台風で倒れてしまったことが大きな痛手になった。倒れたまま1カ月以上あったので、駄目になったお米も結構あった。干し田の問題が一番大きかった気がする。秋まで水張りを続けるという考えを状況も考えずに、こだわり続けたことは良くなかった。もう少し土壌の状態を田んぼに入り、判断しなければならない。上の田んぼで冬水田んぼの実験をする。なおさら、土壌の状態を注意深く観察をしたい。
課題
藁を堆肥にして入れるこの影響。チェーン除草の効果の見極め。冬水田んぼの経過観察。

昨日の自給作業:籾すり3時間 累計時間:32時間
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

杉浦日向子さんのこと

2011-10-22 04:25:21 | 
こんな大災害が起きてしまうと、江戸時代のことがどうしても思い起こされる。江戸時代にも大きな津波もあったし、大火災が繰り返しあった。その都度日本は振り出しに戻された。今回の原発事故も、振り出しに戻るのであれば、一つのきっかけだと思う。災い転じて福となす。問題は政府がまるで頼りにならないということだろう。しかし、いつの時代も政府などたいして役には立たなかったはずだ。庶民はどこっこい生きてきたのだ。誰かにお願いして、何とかしてもらうということに、慣れてしまったのが、最近の日本だった。わが身を生きることが他人任せでなかった江戸時代。飢餓と農民一揆の時代と言われてきた時代が。むしろ、今より幸福な時代であったこと。江戸時代に戻る気になれば、何とかなる。

杉浦日向子さんの本を再読した。何度目でも面白い。隠居という言葉を使いだしたのも、杉浦さんの影響である。確か杉浦さんは漫画家としてスタートして、早々と30代で隠居してしまった。そして46歳で杉浦さん流に言えば、あの人は粋だった。とおさらばされてしまった。私が杉浦さんを知ったのは、すでに漫画家を引退して、隠居に成って、「お江戸でござる」に出演されていたからだ。江戸についてのウンチクを楽しそうに語っていた時だ。その頃、山北の山の中で暮らし始めていた。多分教師を辞めようか、辞めたかの頃だから、江戸の若隠居の考えに影響されただろう。江戸時代の金魚飼いには、毎日ボウフラを探しあるいて、一生終わった人さえいる。そう言う人が粋だったねぇ―といわれる世界。江戸は世界最大の都市であり。自給自足の農業地域である。というような話をテレビでしゃべっていた。まるで江戸時代を見てきたように話していた。

江戸時代というものを見て行くと、その豊かさと惨状が混在していている。惨状の方は学校教育でさんざん聞かされたから、豊かさの方に驚いた訳だ。拡大再生産しない社会。自給自足をとことん推し進めた時に、生産できる食料の量だけ人間が暮らしていることに成る。だから、増えすぎれば姥捨てとか、間引きとか、怖ろしいことが行われる。しかし、そのバランスさえ取れていれば、安定した豊かさが見つかる。盆栽、金魚、日本鶏。退屈文化の爛熟である。どうでもいいことである。どうでもいいことに熱中する。絵画でいえば浮世絵。桃山期の宗達光琳から思えば、随分衰退する訳だが。独特の価値の世界という意味では、一時代である。現代の文化貧困から思えば、はるかに深いと言わざる得ない。リアルという意味。現実をカメラで写したようなものを、現実と思うリアルさは目の貧困を表している。目というものが、猫と犬では違うように、目に映るという奥にある姿こそ、表すべき思想。

杉浦さんから、田中優子さん、石川英輔さん、と進んだのだが、実に面白い世界が広がった。人間それでもいいのか。裃を脱げたというか、建前を捨てられた。せっかく生まれてきたのだから、好きなことをやり切ってみよう。「杉浦日向子の江戸塾」という本は対談で読みやすい。鬱々とした気分が吹き飛ぶ。肩の荷が下りる。江戸学というものは、資本主義が行き詰まったときには、必ず役に立つ循環型のやり方の宝庫である。まず自分の足元を固める以外ないという、江戸庶民の発想の工夫こそ次の暮らしの明かりである。鶏でいえば、100万羽まとめて飼う経済性と、1家庭の生ごみ処理と、タンパク質の補給に飼われている合理性は、対抗できるはずだ。江戸時代の素晴らしい交配技術は、現代を越えているのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原発とTPP加盟は同根

2011-10-21 04:54:55 | Peace Cafe
原発推進を主張する人は、TPPの加盟も主張する。その根本は経済至上主義である。原発が破壊したのは、安全な暮らしである。TPPが壊すのは、日本の文化である。見方を変えれば、そこまでやらなければ日本人の肥大した暮らしを維持できない、と考えてのことだろう。5年間で稲作農家の平均耕地面積を10倍にするという。できないに決まっている。できなくてもだれも責任は取らないのだから、どうせTPPに加盟するために、一応あり得ない農業政策を示したに過ぎない。机上の計算としても、農地が10倍になったら、お米に国際競争力が出来るとでもいうのだろうか。競争が激化するということは、収奪的農業が勝利するということになる。農業は永続的な、循環するものでなければならない。

交付金の増額など戸別所得補償制度の改革を検討。今後5年間で平地にある農地の面積を現在の10倍以上となる1戸(経営体)当たり20~30ヘクタールに拡大し、生産性向上を図る。青年層の新規就農支援も拡充する。これが「食と農林漁業の再生実現会議」議長の野田氏の発言である。以下が構成メンバー

大泉 一貫    宮城大学 副学長
加藤登紀子    国際連合環境計画(UNEP) 親善大使
川勝 平太     静岡県知事
小林 栄三    伊藤忠商事株式会社 代表取締役会長
相良 律子    栃木県女性農業士会 会長
生源寺 眞一    東京大学大学院農学生命科学研究科 教授
深川 由起子   早稲田大学政治経済学術院 教授
佛田 利弘     ㈱ぶった農産 代表取締役社長
三村 明夫    新日本製鐵株式会社 代表取締役会長
村田 紀敏    セブン&アイ・ホールディングス代表取締役社長
茂木 守    全国農業協同組合中央会 会長

日本の未来を決める会議であるとの自覚を持って、責任を持って議論してもらいたい。肩書きを見れば、それぞれ立派な方のようだ。この会議で農水省の出した展望では、規模拡大の努力はしているが、H32年で2,7ヘクタールと見ていた。それがなぜ、突然H28年で20~30ヘクタールが可能となるのだろうか。そんな夢のような構想を中間報告として出したのが、このメンバーである。規模拡大の具体策は以下のようなものである。

戸別所得補償制度の適切な推進やほ場の大区画化と相まって、相続の際に担い手へ農地の集積を促す仕組みや農業機械の集約化を促す仕組み等、農地の集積を進め、農業の競争力・体質強化を図るための仕組みの検討を行う。以上の取組や農業の高付加価値化、集落営農の推進、消費者との絆の強化などの方策を、地域の特徴に応じて組み合せる。

それなりにこの会議を注目し、期待もしていた。今思えば恥ずかしい事であった。TPPの枠組みの中で考えるのでは、限界がある。川勝氏は以前は農業の展望については、期待できる人だと考えていた。中間報告には、目新しいものは何もない。すでに失敗してきた方法が示されているに過ぎない。絶対に出来ないと確信できるようなものである。その意味では、野田氏の発言で目新しい所は、5年と区切ったところだ。こうやっていよいよ、日本の文化が滅んでゆく。農林漁業を再生するためには、農地制度を現状のままでは駄目である。農地を海のような公共物としてとらえる視点が必要である。耕作権だけを農業者には与える。耕作をやめればその耕作者の役割は終わる。既得権益を無くすことである。経済至上主義から抜け出ることである。農産物は貿易すべき物ではない。気候風土に根差した、各々の民族文化を形成しているものである。それを駆逐するのが、効率だけのプランテーション農業である。

昨日の自給作業:田んぼの片づけ3時間 累計時間:29時間
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

稲刈りが終わった。

2011-10-20 04:11:43 | 稲作
昨日一日がかりで、脱穀をした。日曜日が予定だったのだが、土曜日に雨が降ってしまい、お米が濡れてしまった。そこで、20日と言うことにしていたが、天気予報がおもわしくない。ここを逃すと来週まで稲刈りが出来そうにない。一日前倒しに緊急に行った。皆さん忙しい訳だから、何人集まれるかと思ったが、8人も集まってきれいに片づけまで終わった。一年中で一番満足な日だ。安心、充実の日である。これで何とか1年間食べるものには困らない。月10キロ、年間120キロ。これが稲作の目標である。もしお米が足りなければ、12キロ確保してある麦と言うことになるが、我が家はこれで足りる。収量でいえば7俵は越えたようだ。籾すりが楽しみである。今年は、Yさんが確保してくれた、新しいハ―ベスターを使った。これは使い勝手が良い。速度が遅いので急いでは出来ないが。とてもきれいな脱穀が出来た。機械の癖としては余り太い稲束はまずいということ。

今年春先の日照不足と低温があって、苗の作りが少し小さかった。しかし、とてもいい苗だと見ていたら、田植え後の生育は目覚ましく良かった。田植え後も天候が悪く、活着が遅れて苦戦する田んぼがある中、いつも水温の低下で苦労してきていたせいか、対応が良かったと思う。苗床が冬に少し養鶏場の床を入れただけでその後は無肥料であった。その上寒いのだから、むしろ早く植えた方が良い結果が出た。草は例年通りで、困る訳でもないが、ない訳でもなかった。新しいことでは、チェーン除草を試みた。麦踏と同じで、倒すことは稲には悪くない。ただし、すぐ活着しなければ、田植え1週間後には作業が出来ない。又1週間後に充分のトロトロ層が出来ていなければ、チェーン除草は意味が無い。田んぼの土は、一年づつ良くなっていることが実感できる。来年は、冬水田んぼを試みてみるので、土がどう変わるのかも興味深い。

今年は田んぼで稲藁の堆肥を作る予定だ。堆肥にしてから田んぼに戻せば、稲藁の良さが生きる。稲藁を田んぼに戻すことは腐植質を増やす意味で当然なのだが、稲藁の未熟は草を呼ぶ。何度もこれで苦労したから、稲藁を直接入れるのは怖くてできない。堆肥にしてから入れてみたい。堆肥にするには田んぼの一角に、すべてを積みあげる。雨の日に蕎麦の糠と混ぜながら積みあげる予定である。蕎麦にするのは糠がもらえるからである。積んだらば、ブルーシートを掛けておく予定である。案外早く雨が降りそうだ。では養鶏場の藁はどうするかと言えば、麦わらまで待つことにする。落ち葉が使えないのだから、上手く藁を使うしかない。玄米は測定する。稲藁の正確な数字はその内明らかになるだろう。それまでは藁はその3倍と言う考えで計算したい。

お米はもし倒れなければ、かなりの収量であった。1割から、2割の減収になっている。今年はスズメやイノシシが来なかったのだから、まあ良しとしなければならない。何も無い年などない。毎年、何らかの事が起きて当たり前だ。風速40メートル、120ミリの雨。この状況の中では、良くしのいだということである。雨と風で一つだけハザ掛けが倒れた。今年は、あちこちで舟原の種籾が使われた。それなりの収穫になっている。種籾が売られているような立派なものでなくても、充分出来ると言うことである。丸々としてはいない種、種子消毒なし、塩水選なし、と言うことで20年やって来たが、問題が出たことはない。むしろその方が、自給的農業にはいいと考えている。良い物を選別はしない方が自家採取ではいいと感じている。

昨日の自給作業:稲刈り8時間 累計時間:26時間
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

この冬の堆肥をどうするか

2011-10-19 04:28:22 | Peace Cafe
有機農業に転換して行く過程では、腐植質を増やしてゆくことが重要な事になる。江戸時代の農業の方法が循環型であったことは、糞尿を加えた、堆肥を畑に入れ続けたことにある。化学肥料と農薬の農業が一般化する家庭で堆肥を作る農家は、ほとんどなくなってしまった。しかし、土壌に作物を作るということは土壌の腐植を消費するということになる。昭和四〇年くらいから、全く堆肥が入れられていない耕作地もままある。このまま使ってもなかなか有機農業の畑には転換できない。堆肥を出来る限りいれて、腐植を増やしてゆくのが一つの方法に成る。緑肥を入れるのも良い。チップを入れて行く方法もある。そうしたことを実感したのは、農の会では誰もが、新しく耕作地をお借りして始めるからである。最初の苦労を乗り越えるのが何時も課題となる。その重要なカギが堆肥ではないかと考えている。この堆肥作りが危機である。

日本の堆肥が放射能汚染されている。中国輸入堆肥だから大丈夫等と言う、笑えない不自然が起きている。山の落ち葉がどの程度であるのか。これは一度計らざる得ないことである。今順番を待っているところである。農業者の場合、作物を計ることより、土壌や利用する資材を測定することが重要である。これから長く続く、農地管理の基本となるだろう。汚染した東電が測定機ぐらいは準備して、希望する農家には実費で利用させるぐらい当たり前の事だ。本来なら放射能を取り除く義務がある。せめて状況を把握しながら、作物に移行しないように管理しようと言うのに、その方法も費用も拒否している。非道この上ない。と言ってやらない行政や東電を怒っていても始まらない。せめてこういう時農協はどうなのだろう。対応している農協はあるのだろうか。

堆肥材料を測定することは重要である。放射能でまず、問題になっているセシュームの移行は、カリウムの作物の吸収と似ている。農地に腐植を増やすということは、カリウムを増やすことにもなる。カリウムが増えればセシュームの吸着を減らすことにもつながる。慣行農法では、カリ肥料を入れるという話が出ているが、有機農業では地道に腐植物を入れて行くことではないか。しかし、この入れる堆肥材料が汚染されているのでは、話にならない。神奈川県からの通知では米ぬか、稲藁が利用して良いことになった。例えば、玄米より3倍くらい稲藁には放射能があるらしい。玄米が3ベクレル放射能がある場合、10ベクレルが生の稲藁の放射能である。これが20分に1になれば、200ベクレルと言うことになる。昨年の牛の餌の稲藁は何万ベクレルとなった。いまだ浮遊している放射能や雨水の流入で、今後そうしたことは起きないことなのか。

モミガラクン炭は今の所問い合わせても、回答が無い。稲藁、米ぬか、もみ殻は使ってよいとして、何故、モミガラクン炭はいけないのか。これが分かりにくい。いけない理由を聞いたが理由はないが、今だ検討中ということらしい。何とも分かりにくいことである。自分にできることは、山に出来て居る堆肥を測定してみることだ。これがどの程度高いものになっているか。この結果を見ると、今の箱根東斜面の自然の放射能汚染の状況が見えてくる。当然そこから流れ出て来る、水の事も推測できるのではないか。行政は今だ空間線量などを測定しているらしいが、やるべきことは全体把握である。焼却飛灰、汚泥焼却灰、山の堆肥。くれるなら、3つともやってみたいぐらいだ。日本中が放射能と長く付き合わなくてはならない。付き合い方がいい加減では駄目だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

食事の放射能の量調査

2011-10-18 03:48:29 | Peace Cafe
NHKの「あさイチ」と言う8時15分からの番組で、全国5地点(札幌、福島、東京、大阪、広島)で一般家庭7家族の1週間の食事に含まれる放射性物質を測定した。たまたまその冒頭を見て、これから鶏の世話に行こうという足が止まった。やってもらいたかった測定である。先日コメントにも書いたところである。私は見る前から、全地点0だったに違いないと叫んでしまった。それは書いてきたことだが、日本の土壌は移行計数が予想より一ケタ低いのである。こうした調査をすれば、必ず言われているより低いに違いないと考えてきた所だ。原発事故以前からの食品測定値は出ている。核実験の影響。大気中にすべてをばらまいたのだから、原発事故とは違う直接的汚染である。チェルノブイリ事故以降のデーターは日本でも、測定を広範囲に続けていた。どの程度の被曝であるかのデーターは、様々な機関から出ている。チェルノブイリ事故の影響の値を低く表示する理由もないと考えている。

NHKでは首都大学の先生に測定を依頼した。検出限界の問題を少なくするために、高性能の測定器で2時間の測定を行った。もう出かけないと、間に合わなくなるのに、なかなか結果を言わない。NHKの受信料はかならず払うから、早く結論を頼むと約束をしてしまった。1週間の全食事を計る方法だそうだ。毎日一人分をミキサーにかけて、大学の先生に送る。限りなく検出限界なくやると言うのだから、どういう結果が出たのかドキドキしてきた。郡山市の福島の食材を中心に暮らしている家庭でどう出るのか。「0に成ってくれ」と祈るような気持ちだ。この家庭は子供もいる。結論は「0」であった。思わず万歳と飛び上がってしまった。なでしこ優勝以来である。5つの家庭で、一日だけセシュームの値がでた。(下に書きました。)地域差が無いことである。番組は途中であるが、ここで出掛けざる得なかった。

政府や原発学者の安全は全部嘘だったのだ。この結果に対してもどこかに作為が働いていないか。信頼できない思いの人も沢山いるだろう。それくらい放射能は人間の心をもむしばみ、不信を生みだしている。この調査結果を私は想像していた。土壌からの移行計数「0,001」程度と言うことが出てきているからだ。この数字を信じても大丈夫だと考えたのは、段ボール堆肥が放射能不検出であったからだ。まさかという思いも最初はした。作物の何千の事例が出てきているので、これと向かい合うと、少しづつ日本の土壌の事が見えてきた。土壌中のカリウムは有機態の化合物を作らないので、無機態だけで存在しているそうだ。これは植物が直接利用できない非交換性カリウムと言う意味。微生物の作用などで土壌溶液中に放出されカリウムイオンとして水に溶けた状態(水溶性カリウム)になる。これで植物が直接利用できる形態となる。カリウムが豊富に存在してもなかなか植物が使うことは出来ない土壌。

このカリウムとセシュームは似たように働く。セシュームがミネラルなどと結合した状態になり存在しても、植物の根が吸収しにくいのではないか。三月に空気中から葉や樹に付着する形で浸透したセシュームは、葉や果実に強く発現した。調査した家庭ではみなさんの魚も肉も今年の新米も食べている。147食の結果である。日本の普通の家庭の平均値は0、15ベクレル程度となる。それは日本全国どこでもさして変わらない。福島のものを応援したいと食べていても、0に限りなく近い。日本のどこに暮らしていても可能だと言うことになる。むしろ一部の食品には、高くなる可能性があると考えた方が良い。日本の食はまだ大丈夫ということだ。久しぶりに晴々した。


以下147食中で一回づつ出た値。
・札幌 セシウム134・・・5.69ベクレル/キログラム
・須賀川 セシウム134・・・3.66ベクレル/キログラム
・江戸川 セシウム134・・・4.05ベクレル/キログラム
・目黒 セシウム137・・・8.97ベクレル/キログラム
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小松菜の実証圃場

2011-10-17 04:28:48 | Peace Cafe


堆肥の実証圃場(みなみ小松菜)栽培の研修を行った。
小田原有機の里づくり 「堆肥実証圃場」研修会
指導:明治大学農学部特任教授佐倉 朗夫(サクラ アキオ)先生
日時:2011年10月16日
場所:小田原市久野舟原笹村農鶏園圃場
目的:有機農業における、堆肥の使い方の実証的な研究
方法:7種類の堆肥を10aあたり1,5t投入し、小松菜を播種して生育の調査をする。
担当:あしがら農の会
参加者:14名
1. 1,2m幅の畝が10本作る、南北畝。南北に5mで分けて、南側に10区画、北側に10区画つくり、それぞれの堆肥区を10区画ランダムに配置する。
2. 南の列5メートル1、報徳小7,5キロ 2、樹木7,5キロ 3、落ち葉藁7,5キロ 4、とんプン7,5キロ 5、鶏糞25キロ 6、段ボール堆肥7,5キロ 7、二見7,5キロ 8、鶏糞7,5キロ 9、鶏糞10キロ 10、鶏糞15キロ
3. 北の列5メートル1、鶏糞25キロ 2、鶏糞15キロ 3、鶏糞10キロ 4、鶏糞7,5キロ 5、二見7,5キロ 6、段ボール堆肥7,5キロ 7、トンプン7,5キロ 8、落ち葉藁7,5キロ 9、樹木7,5キロ 10、報徳小7,5キロ
日時 作業内容 メモ
6月18日 畑のトラックタ―による耕し、2回 麦刈り取りが15日4日晴れて居た為急遽行う。
8月 ハ―ベスターによる草刈り 1メートルほどの草たけになる。
トラックタ―による耕運 10本の1メートル幅の畝を作る。間に通路
9月2日 トラクターで耕運 草が全体に再生している。
9月6日 堆肥を入れてトラクターで耕す この後晴れが続く。
9月25日 小松菜を播種機で4列に播種 ポットにおいて、鶏糞の4種類を3づつ 無肥料を3ポット、4種をまく。 3dl種を使う。
9月26日 小雨が降り、種にはちょうどいい
9月28日 ポット試験では発芽始まる。
9月29日 発芽が始まる ポットは発芽がそろう。
9月30日 発芽がそろう 発芽しないところはない。
10月8日 すこし堆肥ごとの差が出てくる 全体に生育が遅い。播種量が多くなかったか。
10月14日 無肥料のところの生育が遅れが目立つ
10月16日 実証圃場研修

○結果の測定について、生育量調査を行う。大きさ、重さ。面積ごとに行う。
○シードテープを使った方が良い。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする