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里芋の渡部式高畝である。上部にみえるものがそば糠である。
福井県にある関西電力美浜原発3号機(美浜町)と高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働に、杉本達治知事が同意した。とんでもない話だと思う。福島原発事故で分かるように、もう一度原発事故があれば、日本は終了だ。福井県だけの話ではない。
もう一度事故が起きない保障など何処にもない。耐用年数が40年だった原発が何故、耐用年数が伸びるのかがわからない。それではそもそも最初に決めた40年がおかしいだろう。他の機械で耐用年数が伸びるようなものがあるだろうか。ご都合主義である。
原子炉圧力容器と、これを覆う原子炉格納容器は修繕も交換もできない。特に圧力容器は放射線や高温によってもろくなり、衝撃に弱くなる「経年劣化」が起きる。この耐用年数が40年だったのだ。圧力容器は頑丈に見えるが、放射線の一種である中性子線が当たり続けると材料の粘りが低下して脆弱化する。
時間とともにどのくらい脆弱化するかは、実験データなどをもとにした予測式で求める。予測式の計算結果は圧力容器からあらかじめ取り出せるようにしてある試験片の測定値と比較し、ずれがないか確認する。高浜1、2号機ではいずれも4個の試験片を取り出して比べたところ、測定値と予測値はほぼ一致していたという。その耐用年数が40年だったのではないか。
さまざまな原因でできる構造物表面の微細な傷を、超音波や高周波の電流を使って検出する方法もあるらしい。原発を40年を超えて使うのは、こうした手法を総動員し異常の兆候を早い段階で検知できることが前提になっている。実際には、事前に問題点を捕捉すること等出来るとは到底思えない。
そもそも電力会社は、稼働していない期間を40年間の耐用年数から除外して欲しいと要望している。おかしいではないか。稼働していない時でも核燃料は存在する。経年劣化は変わらず進んでいる。どんな機械であっても、使っていなくとも劣化は進む。この主張は耐用年数をどうしても伸ばしたい苦肉の策としか思えない。
無理やり延命するのは新しい原発がもう作れないからである。新設できないのは当たり前のことだ。原発事故が日本人の精神をどれだけ痛めつけたか考えるべきだ。私自身は人生観がねじれて変わるほど、辛い日々を過ごした。土地という物が放射能で汚染されるという、有機農業をやるものとしての辛さである。
原発事故は取り返しのつかない事だったのだ。本来、事故後すべての原発を廃止すべきだったのだ。それが日本の償いであり、責任の取り方という物だ。今またトリチューム汚染水を海洋投棄するという。何というご都合主義か。
東電は汚染水を完全に放射能を除去すると言っていた。それが出来ると言ったのだ。忘れたのだろうか。そして、凍土壁で地下水の流入は止まると主張し莫大な費用をかけた。できるわけがないとこのブログでも書いた。可能な方法は大きなダムのような壁を山側に作る以外、流入水は防げるはずがない。
東電は納得してもらうまで、汚染水を海に流さないと言った。このことももう忘れている。すべからくぐじゅぐじゅである。そのさなかに老朽原発の再稼働である。老朽原発再稼働ほど日本の劣化を見せているものはない。耐用年数の過ぎた原発にしがみ付く以外に、方法が見いだせない事態。
本来日本は再生可能エネルギーに転換すべきだったのだ。10年前衰え始めていた日本が再生する唯一の道が再生可能エネルギーだったのだ。自然エネルギーや蓄電池の輸出国を目指せばよかったのだ。国民がもう原発はこりごりという世論があった。苦しくとも、国の方角を変える良い機会ともいえたのだ。災い転じて福となす道があった。
ところが、政府はまたぞろ原発にしがみ付いた。なんと情けないことか。温暖化対策には老朽原発にしがみ付く以外にないというのが、政府の主張である。確かに一見そう見える。その理由は再生可能エネルギーへの取り組みがあまりに弱いからである。その反省がない。
西ドイツは福島原発事故を教訓として、脱原発を目指し、ほぼ達成した。やれる国はあるのだ。日本がやれないのは政府の無能が一番の原因である。2番目はそのダメな自民党を支持する国民の方が多いという事だ。既得権である原発を手放せない人たちが、原発にしがみ付いて離れなかったのだ。
既得権益者は自民党と癒着しているのだ。莫大な補助金で企業を回している。一度甘い汁を吸った者はもうそこから離れられないのだ。情けない限りだが、この既得権を代表したのがアベ政権である。だから新しいことは起こりようがなかった。最悪最長の安倍政権で、日本は後進国化した。
それが新自由主義経済という、強い者がより有利という馬鹿馬鹿しい競争主義である。確かに一部の人間や企業は大いに潤ったのだろう。ところが大半の日本人が下層国民という事になった。格差社会である。そして、先進国とは到底言えない貧困率の国に落ち込んだ。これでは国の活力が衰退する。
現状はアジアの中堅国という事だろう。昔は中国の原発が心配だったが、いまや日本の老朽原発の方がはるかに恐ろしい。IAEAの査察が必要なのではなかろうか。日本に原発を稼働させる能力がまだあるかどうかの審査である。どうも人間の劣化の方で事前審査で失格ではないか。
テロ対策の安全装置が壊れたまま置かれていたという。柏崎刈羽原子力発電所で、テロ対策などのために設置された監視装置が長期間にわたり故障していたことを明らかになった。外部からの侵入を許す恐れがあり、規制委は「極めて深刻だ」として4段階ある安全上最悪とした。
東電は福島原発の事故を起こし、まだ反省をしていない。もし核燃料がテロ集団に盗まれていたら、どのようなことになるのか。さらに、柏崎刈羽原子力発電では施設内に他人のIDで出入りしていたという。たぶん常態化しているのだろう。すべてが安全基準以下である。
そして今度は、関西電力で老朽原発の再稼働である。柏崎刈羽原子力発電では福島原発事故の前に起きた、新潟地震の時に配電盤から大きな火災を起こした。あの時本気で安全対策を見直していれば、福島原発事故は防げたのかもしれないのだ。
あの時も大したことのない火事だ。配電盤が燃えただけだと主張して誤魔化していた。実際は福島原発事故で分かったように電力喪失が大事故になりかねないのが原発なのだ。あの時に原発電源の徹底検証をしておけば福島原発事故は防げたかもしれないのだ。
老朽原発の再稼働の関西電力は多額のわいろを貰っていた。関西電力の八木誠会長や岩根茂樹社長を含む役員など20人が、3億2千万円相当を受け取っていたことを明らかにした。 こんな会社に老朽原発の再稼働を許す必要は全くない。