地場・旬・自給

ホームページ https://sasamura.sakura.ne.jp/

消滅都市

2024-05-04 04:08:58 | 地域


 東京の住宅街を散歩した。街散歩は例え東京でも楽しい。あまりに美しい花飾りがあって写真を撮らしてもらった。石垣にこれがあっても、美しいと感じたかどうか。こうした美しい花飾りが10個ほど並んでいる。思わず写真を撮らせてもらい、ここに載せてしまったが、スミマセン、お許しください。

 消滅可能性都市とはあまりに衝撃的な表現だ。50年前の映画の「日本沈没」を思い出す。沈没予測は正しかったので、今まさに、日本は沈没しかかっている。何故、ここまで言わなきゃ聞いてくれないだ。そんな気持ちが消滅の言葉に現れている。

 どこの地域が消えると言われているのかと思い、資料を見ていると、沖縄には消滅都市はなかったという事で安心した。この消滅は人口推計だけを見ていて、ミサイルが飛んでくると言うようなことは、度外視している。軍事基地がこれ以上増えれば、人口の減少に繋がるに違いない。

 戦争で消滅するという事が考えられていない。ミサイル基地の島になるという事で、人口が極端に減少するという事は考えられていない。どうも推測がおおざっぱ過ぎないだろうか。どういう根拠で消滅が言われるのか。20歳から39歳の女性の数の推定らしい。これなら、20年先まで人が移動しないという前提ならば正しい。

 この消滅都市を細かく見てゆくと、少し消滅の意味がおかしくなる。人口が減少しても、若い女性が多くいると理由は様々だが、大学病院が出来て永続都市になった所も在る。多良間島は人口は1058人から、681人に減少するが、若い女性が女性が60人で変わらず。だから持続可能。この推定はやはりおかしい。

 宮古島と石垣島は25年後人口は微減というところだが、20~39歳の女性の数では宮古島より石垣島の方が、減少が少ない。人口の減少も少ない。その理由の想像が出来ない。何故宮古島の方が女性が減ると想定できるのだろうか。その辺の推定理由が知りたい。

 与那国島の場合、自衛官がかなりの割合で駐屯している。この場合自衛官は何時転勤になるか分らない。また中国との緊張が高まれば、当然家族は離島する。こういう要素を全く考えていない、人口推計と地域消滅というのでは、どんなものだろう。

 今年の出生数を基にして、25年後の20~39歳の女性数を割り出すというのは、余りにおおざっぱ過ぎて、推定の根拠が甘い。石垣島でも、宮古島でも、人口の変化は移住者の存在である。多良間島には高校がないのだから、多良間島から一度は離れる。そうした離島の条件など加味しないと、推定は出来ない。






 100歳になる2050年のことだが、生きているとすればと思い、安心はした。744の全自治体の40%で、2050年までに20代から30代の女性が半減し、「最終的には消滅する可能性がある」とした分析をしたという。確かに沖縄には若い女性の移住者は多いから、消滅しないというのは分かる。

 消えてゆく、過程にある町で暮らしているというのは、楽しいものではないだろう。シャッター商店街では味気ない。石垣島と西表島で100年の歴史ある学校が閉校になる報道があったので心配をしていた。地元で暮らす人々にとって、学校が閉校になる事は、どれほど寂しい思いだろうと思う。きっと未来が失われてゆくような感触だろう。

 一方で沖縄の「自立持続可能性自治体」は17と出ている。どういうことかと思えば、若年女性人口の減少率が20%未満にとどまっている65の自治体を「自立持続可能性自治体」 としている。その中に、多良間村、竹富町 が入っている。石垣島、宮古島、与那国島が入っていないのに、八重山の島々は入っている。これだけ見てもこの推計が大雑把なことが分かる。

 日本で65しかない未来が明るい自治体の中に、八重山諸島の島々が入っているのだ。間違いだとしても、なんと素晴らしいことか。それはけた外れに美しい島だから若い人が集まる。これは善意の間違えか。本当は与那国島も入るはずだったが、自衛隊ミサイル基地が出来て、人口減少に転じてしまった。本当はどの島も人口減少は続いている。

 若い女性が自衛隊の島に移住するわけがない。住民投票で自ら選んだ道なのだから、仕方がないとは言え、残念だった。あの頃自衛隊が来れば人口が増えると、在りもしない妄想に騙されてしまったのだ。結局、与那国町長は軍港も希望している。飛行場も米軍と共用である。

 誰がミサイル基地のそばに移住してくるものか。自衛官だって、家族には来てもらいたくないはずだ。想定ほどは自衛隊の家族が暮らしていないという事も最近聞いた。そうだろう、高校のない島に、家族で暮せないだろう。自衛隊高校でも作るのか。せめて自衛隊診療所は作るべきだ。

 消滅してゆく理由ははっきりしている。暮らしにくいからである。その暮らしにくいは人によって違うとしても、はっきりしているのは若い女性が嫌だという町は、未来が危ういという事のようだ。女性の方が移動するという事なのだろうか。そんな先でもまだ男性が家督を継ぐというような考えがあるのだろうか。

 女性も2050年にはあまり結婚はしないだろうから、どういう暮らしを八重山の島でしているのだろうか。若い女性という意味は子供が生まれる可能性という事なのだろうが、未来の社会を若い女性を子供を産むものとして良いのだろうかと思う。それは正しい予測の立て方ではないのかもしれない。

 そもそも、人口が減少すると、何故良くないのかというところから考えるべきだ。経済は人口が大きい方が大きくなるという、企業の論理である。一次産業でほとんどの人が働いているのであれば、人口が減少しても問題は起きない。人間の幸せな暮らしと、人口は関係しない。

 この消滅都市の発想は自治体が経営破たんして、倒産し消滅するという事なのだ。人口が減れば、税収が減る。税収が減ると今運営されている公共施設や生活インフラが維持できないという意味である。それは当たり前のことだが、早くいらないものを止めるほかない。でかすぎる公会堂など閉鎖するしかない。

 地方自治体は自立経営するくらいの覚悟で運営されるべきだ。小田原ではお堀端に文化会館を作った。文化会館は本来、商売が出来るような地価の高い一等地に作る等、愚の骨頂だ。街の周縁部で十分である。小田原には風光明媚な文化会館敵地がいくらでもある。それこそ行政が一夜城辺りを整備すれば良い。

 周辺部の土地の安い場所に、つまり耕作放棄地や、荒れた山間部に、そうした公共施設を集中させればいいのだ。病院、市役所、県の出先機関、警察、図書館、文化施設、老朽化したものから移転させて、集中させれば、バスの運営が出来る。街の中心地はあくまで、観光対象の商業施設にする。

 市の土地に商業ビルを作って、商売をするくらいの発想をすべきだ。これからの行政は経営感覚を持たなければ、消滅つまり、倒産する時代が近づいている。人口が半分になっても、調和するように縮小しながら、新しい関係を見つけなければならない。人口減少で消滅など、弱気すぎる考えだ。

 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 小田原ジャンパー事件を思い出す | トップ |  210 水彩画 日曜展示 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

地域」カテゴリの最新記事